12.凶弾[カードつき]
バトります。
アイザックの両肩の髑髏が、赤黒く光を放ちはじめると、やがて幾つもの光弾として実体化する。
乱雑な軌道を描いて宙をのたうつのは、破壊力を伴う害意。
「いいものを見せてやろう。
なぁに、おれのへたくそな尾行を見破ったご褒美だ」
リチャードにしてみれば、ありがたくもないサービス精神だろう。
気まぐれに空中遊泳していた赤黒い髑髏たちが、いっせいに彼を睨みつけると、うねりをあげて襲いかかる!
「髑髏彗烈弾!!
こいつの威力を味わえるとは、幸せものだなぁ!!」
超獣たちのあいだで広く知られ、多くの使い手たちが存在する愛国技とはちがい。超獣技は限られた獣闘士のみがあつかえる、いわば秘伝。52 ある超獣技のその2であるこの技も、リチャードにとっては当然、初見ではあろうものの。彼はそれをなんとか見切って、全弾よけてみせる。
凄まじい威力!
あたらなくとも。直撃を避けてなお、着弾時の爆風だけでかなりダメージを受けることだろう。
彗星に穿たれた大地のありさまを見て、リチャードの脳裏にぷかぷかと浮かぶのは、絶望と疑問。
まずは絶望。
獣闘士の強さは、超獣強度の大きさだけでは決まらないというのが通説であり、彼もそれを支持しているのだが、今回ばかりはあいてが悪すぎた。
それもそのはず。
リチャードの130万パワーに対して、アイザックの超獣強度はなんと1000万パワー!! いくら超獣気を高めようが、やすやすと埋まる差ではない。
つぎに疑問。
(いまの攻撃、本気であてるつもりならきっと、よけきれなかった。
……こいつは俺を殺すつもりが、ないんじゃないか?)
むろん突然の襲撃というこの状況に、疑問や謎のたぐいを列挙すればきりなどないが。
だとしても、それでも彼が最優先で解答を得たい問いが、これまた3つある。
アイザックの目的は何か?
自分はここで死んでしまうのか??
そしてなにより、明日の決勝戦のピッチに立つことができるのか???
【おまけカード】
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PWLT-22(TEC)
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↓カード裏
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可愛いおはなしでいいのに(苦笑)