確定②
途中ゲームの話をする為に、テレビや映像について、出来るだけわたしにも分かりやすいように、噛み砕いて説明してくれた。
説明に対して理解を示すと、エリカさんは感激したように声をあげた。
「流石セレスティア様!わたしの拙い説明でそこまで理解して頂けるなんて……!」
「エリカさんの説明がお上手だったからよ」
物分かりが良すぎたら、疑われないか心配だったけれど、分からないフリをして話の腰を折り続けるよりも、ある程度理解してみせる方が話が進みやすい。
焦ってもしょうがないと分かりつつ、今は兎に角情報を欲していた。
「普通の物語とは違うのが、本や舞台のように結末が一つでないのです。
大まかにはエリカが出会い、恋をする男性によって未来が変わったり、聖女の力を開花させる事でこの国の行く末も左右するのです」
「恋をする……」
「物語に登場する特定の男性キャラクターと結ばれる結末が用意されています。勿論、恋愛しない選択肢もありますが」
そして乙女ゲーム『エリュシオンの翼』は異世界から来たエリカが、新入生として学園に入学する時期から始まる事が語られた。
「その物語を知っているから、貴女は先の未来を予言をする事が可能なのですね」
「信じて下さるのですか?」
「貴女が嘘を言っているようには、決して見えないから」
そう、彼女は嘘を言っていない。少なくとも今出した情報の中に嘘はなかった。
「おっしゃる通り、この物語が大好きだった私は、ある程度未来が見通せると思っていたのです。だけど、すぐにその考えは覆ってしまいました」
「そうなの?」
「はい。それはセレスティア様、貴女の存在です」
「!」
心臓が跳ね上がり、早鐘を打ち始める。




