表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

9

 


 連行された私は応接室と云われる豪華な部屋にいた

 私は商品でも罪人でもなくましてやここは監獄でもない、デェアビタス公爵家だ

 おかしい…………凄くおかしい!!

 私は王子のお茶会と云う名前のビッフェを満喫したら王子にちょこっと挨拶して帰る予定だったのに

 何故私はここに連れてこられたのだ

 「帰らせてもらう!」と言えればいいのに

 この面子に告げる度胸も家格もない

 私の隣に隙間無くくっつき私の腰を抱き締め座るクルー様、お向かいにはテーブル挟んでデェアビタス公爵夫婦が対象的な顔で座っている

 ニコニコ笑顔の公爵様

 引き攣った笑顔の公爵夫人

 クルー様の両親だけあって飛び抜けて美麗な2人だ

 出来れば第6者位で眺めていたい

 読めぬ空気、1秒でも早くこの圧から逃れて脳筋お母様の顔見てホットしたい

 侍女がお茶を並べ終わるとクルー様が口を開いた

 「父上母上今日は素敵な巡り合わせがありました」

 「こちらの可愛い少年のことかな?」

 どちらの可愛い少年ですか?

 ここにいるのは平均顔しかいませんけど

 あぁそうでした、小学生までのお子様は大体可愛いく見えるものです

 私もその1人、だからお世辞だって知ってるのでちょっとしか喜んでませんよ

 そんな私に公爵が微笑んでくれる

 美丈夫に微笑まれて顔を赤らめるのは世の理

 苦しい………

 腰に回された腕が締まった

 中身が出るかもしれない

 物理的に

 腕をギブギブとタップする

 良かった……口からスライムを生産するとこだった

 絞める力は緩んだが腰を丸く撫で回すのもやめて頂きたい

 親の前で堂々とチカンするのは如何なものかと思う

 小心者なので言えませんけどね!

 「早馬を出して連絡した通り婚約を結びたい令息をご紹介します」

 「はぇっ??!!」

 何ですとっ!何を藪から棒におっしゃられる

 どちらにいらっしゃる!

 予想外の言葉に驚きで顔ごとクルー様を見る私に悪魔の微笑みが返ってくる

 「どうかしましたか?」

 驚きよりも恐怖が勝った瞬間油の切れたカラクリみたいに首を元に戻す

 「………えっいえ………その……えーっと………」

 皆の視線が辛い

 「………すみません」

 圧に屈服した私は口を紡ぐのであった

 「ぁぁ………可哀想」

 公爵夫人が小さく呟いた

 視線を向けたがこちらを見ていない

 「彼はライル・エンジストン。エンジストン家の次男です。父上母上私はライルと婚約したいのです」

 反対して欲しい

 もう敷居をまたぐなって言ってくれないだろうか

 青褪める私に止めを刺す公爵

 「ハッハッハそうか私はデェアビタス家頭首バビロニア・デェアビタス。そして隣にいるのが妻のフレデェリクだ。次男ならうちに嫁いでもなんら問題ないな。うちは恋愛結婚主義だから歓迎する」 

 いい笑顔で言った

 公爵の言葉で私は詰んだことを悟った

 私の知らないところで両思いにさせられている

 パパンタスケテー大剣持って来てぇぇぇぇぇぇぇ!!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ