1
ブラック企業勤めの私
あの日も忙しくて家に帰ったのも0時を回っていた
家に帰れば泥のように眠った
尿意で目が覚めてしまった
外を見れば薄暗くまだ5時位だろうか
トイレとベッドを降りれば鏡に映る美少女がいた
「誰この美少女?泥棒?」
周りを見れど誰もいない
「…………ゆっゆゆ………幽霊?…………」
驚き怯える自分、鏡の中の美少女も同じ心境みたいだ
「あれ…………」
鏡を見たら自分は写っていなかった
美少女しか写っていない
「落ち着け……自分」
深呼吸から始める
鏡の前の美少女は私が右手を上げれば同じように右手が上がる、左手を振れば振返して来る
信じられなくて色々な動作を試して見ることにしたら鏡を相手に奇妙な踊りを披露することになった
「信じられないけどやはり私だ」
鏡に映る自分を繁々と観る
長い睫毛に縁取られたアーモンド型の大きな瞳は碧、腰近くまであるサラサラ煌めく髪は水色
華奢な身体、手足は細く色白、歳は十歳前後といったところか、だから残念ながら胸は真っ平らだ
このまま成長すれば確実に
「勝ち組じゃない」
何故私が美少女に?と疑問が出たがラッキーと思うことにした
可愛いは正義っていうじゃない
疑問は私の心の片隅に埋めておこう
それにしても美しいなと鏡を見て溜息を漏らす
このまま成長したら間違いなく相当の美女になる
喜びでメッチャ興奮した
「喉乾いた」
近くに会った水差しに手を伸ばせば…………触れられなぁい
落として割ったらと思うと手が震える
バカラ並みの値段がしそうな水差しとグラス
割れば何日水だけで過ごさねばならないのかしら
おかげで一周回って冷静になれた
「ココ…………ドコ?ドォユゥコト?」
落ち着いた所で自分周りを見れば、片言になる位動揺した
自分の置かれている状況に
20畳はありそうな部屋の広さに驚きさっきまで寝ていたベッドの大きさに驚く
「キングサイズだ。金持ちの家しか置けないでしょ」
社畜時代に住んでたワンルームマンション………犬、小屋、かな………何故かな……ちょっと涙が出て来た
絶対何十万もする絨毯、染みを付けても弁償出来ませんけど。困ったなタ○コプターは持ってないよ
部屋の中にある家具はどれも高給そうで壊したら臓器売らないといけないかな…………心の底から震える
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ何なのここ?
嫌がらせで高給家具屋で気絶でもして寝かされたぁ?
混乱して頭がどうかなりそうだ
寝よ
取り敢えず寝るのが1番だ
きっと起きたら犬小……ではなくマイハウスの天井が見える筈
あっトイレ
お漏らしは十歳でも卒業していないとやばい
何故かトイレに迷うことなく行けた
そして新たな事実を知った
股の間に小っさいけどぶら下がっている
3歳の甥っ子にも付いてたわ
悲鳴を飲み込みトイレを済ませてベッドへ駆け込む
寝よう!
このままでは雄叫びを挙げてしまう