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カシュペリド  作者: namakemono
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1--1

私の隣から声が聞こえ驚いた、慌てて横に振り向くと白衣を着たおそらく同じ歳の女の子がいた。


驚いた、女である私が美しいと思ってしまうほどの顔立ちだが表情が一切出ていない、まるで感情など不要だと言い聞かせられている気分になる程に彼女は何も感情を感じさせない表情だ。


思わず私は慌てて何故か膝をつき、貴族に対してしていた忠誠の礼を彼女にした、彼女は不思議そうに問いかけてきた。


「それは?」


「忠誠を誓う礼です……帝国では貴族に対して行います」


「なるほど、相変わらず怠けているのか…変わらないものだ」


不思議に思い顔を上げ彼女を見るとあまり面白くなさそうな物を見る目で私を見ていた。


「申し訳ありません……」


慌てて謝罪をした、何故かは分からないが彼女に対して恐怖の感情が出て来た。


「スラム街の出か、の割には礼儀が良いものだ」


舐め回すように私を見ながら全身を見た後に彼女は問いかけてきた。


「力を欲するか?抜け出せない地獄になるが欲するなら渡そう」


「欲しいです、何にも負けない力が、権力が、狂気に満ちていても構いません」


そう答えると彼女の手がいつのまにか私の胸を貫いていた。


「かはっ」


私は何も言えずに目を閉じ、暗闇に包まれた。




目が覚める、強烈な不快感を感じるなか朦朧とした意識での視界に見える貴族?の様な妙齢の女性が私を卑下している目で見下ろしていた


[nnん?お前が妾の新しい器kかめずらsしいな、お前の様な弱者の魂にそれほどまでの魔力を蓄えれるとhは]


頭が痛い、永遠に頭の中をかき乱されているようだ、吐き気どころの話じゃない、頭が割れて弾けてしまいそうだ。


[hふむ、狂気的なまでの欲だな、やはりm昔からk下等生物は変わらんか]


「私は......わたしは....下等なんかじゃない、もし...本当に......下等だったら、他の奴を踏み台にして......上までのぼ」


言い返そうと最後まで言おうとした時、私はまた暗闇に引きずり降ろされた。


再び目が覚めると、豪奢な、そして尚且つなにも考えられていないかのような部屋の広さがある....はたしてこれは個室なんだろうか......とりあえず部屋で目が覚め、慌てて立ち上がる。


「やっと起きたのかえ、相変わらず燃費の悪い生物よなぁ......これならまだゴーレムの肉体が器が良かったの....」


声が聞こえたので前を向くといつの間にかとてつもなく長いテーブルの奥にいる、先ほどの女性が呆れてはてた表情で扇を扇いでいる。


「なんじゃ、今の人間は椅子に座ることすら出来ないのかえ?」


さっさと座れと言わんばかりに顎で席を指すと溜息を吐きながら女性が手を叩き何かを言うと床から無数のゴーレムが出現しテーブルに次々と料理を置き始める。


どう見ても二人分の量じゃないのだが他にも誰か来るのだろうか?


そう疑問に思いながらゴーレムに案内された女性とは対面に位置する席に座り、女性が手を付けるまで料理には手を出さず、目線を女性に固定する。


「ほぉ?妾が手を付けないと食さんつもりかえ?」


けらけらと突然笑いながら腹を抱え大変愉快と言わんばかりに頷き料理に手を出し始めた。


「ほれ、これで食えるじゃろ、変な所で礼儀が良いのぉ」


嘲笑しながら料理に手を付けているがその所作は美しいと感じる、よほど身分が高いのだろうか、いままで貴族とは会ってきたことはあるがここまで所作が気品に溢れている人を見るのは初めてだ。


とりあえず空腹なのは確かだから料理を食べる、見た事のない料理もあるが味は今まで食べてきた物の中で一番美味しいのではないだろうか、不思議と沢山食べているはずなのに次に次にと料理に手が伸びる。


「一旦邪魔な魔素と魔力を吐き出させたからのぉ、いくら食べてもまだ足りんじゃろうなぁ」


女性がそう言いながらいつの間にか出てきている時計らしきものを見ると女性は慌てたように手を叩きゴーレムを呼ぶと次々と料理を置かせている。


「おぬし、名前を教えよ、さぁ早く」


非常に焦っていたので簡潔に名前を教えることにした。


「マーチェスです」


「なら妾の名前を授けよう、妾は第五調停者のクインじゃ、これから融合するが恐れなくてよいぞ?少し残してやるからの」


そう言い残し女性.......クインは黒い光になり私の体に入り込んだ、ふむこれが、さっきはああ言ってしまったが中々に良いではないか。


様々な記憶が頭の中に流れこむ、やはりこれは慣れんのぉ、さてこれから来る人達に挨拶をしなければの。


「ん、相変わらず豪奢な場所だな『罰狂』」


テーブルの近くに扉が出現し、その先からあの彼女が出てきた、他にも扉が3つ出現してその先からも人が入ってくる。


見慣れた面だ、もう長いこと.....家族といっても過言ではないくらいには付き合いがある面だ、やはり器を寄越したのはこ奴らか。


「久しぶりじゃな?『時狂』『司狂』『過喰狂』『狂存』『願暴狂』元気にしておったか?」


「私は上々だな、良い器で満足だ」


「うん、同じく俺もかな?」


「俺も不満はねぇな、まだ『時狂』の中で器を探してるところだぜ」


「僕も無いかな?耐えれる器だし」


「ふむ、私はまだ願いが足りないので無理ですね.....まだ『時狂』にお世話になっていますな」


どうやら何人かまだ器が無いらしいが相変わらず元気のようじゃな。


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