34話 買い物。
「クレン、少し出かけるぞ、準備してくれ」
朝が来て、テスタは姫達と共に王城へ出かけ、ルファー、黒煉、ユグとシルそれとクレンが残った空間で紫炎が言う。
「うん、分かった。少し待っててシエン様」
二つ返事で了承するクレン。何事かと、ユグとシルが紫炎に聞く。
「あー、サミリアとルファーが稽古つけてくれたろ?だから俺も久しぶりに動きたくてさ、クレンに練習試合みたいなのを頼もうかと」
その言葉にガックリと肩を落とすクレン。『分かってたよ·····』などと落ち込みようが凄い。
「シエン、それじゃあそれが終わったら皆で王国を見て回らない? 王城壊しただけで、この国満喫してないのよ」
その様子を見て、同情したのかルファーがクレンにとって助け舟を出す。若干、”皆で”が不満だがこの際文句なんて言ってられないと、クレンが紫炎の言葉に耳を傾ける。
『王城を壊した』と言うのは、知っての通り、ルファーは1回この国に来ているのだ。王城を壊しに。
理由としては、大臣が原因だと言う。どうやら大臣が魔族の同胞に差別的な行為をしたらしく、当然暴力も振るわれたとの事だ。
もちろん、1回だけでは無い。流石に1発目で城を壊したのでは無く、何回か辞めるよう手紙を通してお願いしたのだが、それでも、被害が出ているので、流石にキレたという訳だ。
大臣は嘘をついたことになる。ここまで来ると死ぬべき人だろうと再確認する。
「別にいいが、何か買うものがあるのか?」
金はこの前、テスタとルファーがA級クエストをクリアしてくれたおかげであるのだが、いかんせん欲しいもの何か分からない紫炎はそう口にする。
「買いたい物は無いけど、買い物には行きたいのッ!」
「そ、そうか」
あまりの迫力に、紫炎は少し後ずさった。とりあえずと出かける為に、各々準備し出す。
紫炎は、シルファーから貰った黒いロングコートを羽織る。制服やその時の持ち物は全てあのシルファーの小屋に置いてきたので、全部の服装がステイシアの服である。
黒色のズボンなどを履いているので、見た目は、ほとんど黒色で染まっている。黒づくめのヤバいやつだ。
ユグとシルはいつも通りのワンピース。クレンはゴスロリ服を着ている。ちなみにダンジョンでドロップしたアイテムだったりする。
黒煉は、あの着物を身に包んでいるかと思ったが、どうやら服装は自由に変質が出来るようで、今回はラフなパーカーと短パンという格好になっている。この世界にパーカーというものは存在しなかったが、紫炎が黒煉に教えたのだ。
ルファーは、赤色のワンピースに紫炎と似ているケルベロスの黒いコートを羽織っている。そのスタイルといい溢れ出るオーラはモデルやアイドルなど顔負けである。
こんな美少女、美女と共に出かけるのだから、当然目立った。
先程から紫炎達に目線を向けてる男ども、中には彼女らしき女性にぶたれている男もいる。
「お兄ちゃん、何で男の人が皆倒れてるの?」
そんな男どもを見て、シルが紫炎に質問する。ぶたれて倒れる男、その美しい顔を見て鼻血などを出し貧血で倒れる男など多種多様である。
「見ちゃ行けません」
そんなシルにいけないものを見せないように目の所を隠す紫炎。当然ユグもである。
本当はこの後、クレンと手合わせでもしようとしていたのだが、もう女性陣が全員買い物気分であったので、王国の中心部、王都で買い物をし始める紫炎達。
だが、まず最初に訪れたのは、飯屋である。朝食などを食っていない紫炎達にとっては、今日初の料理だ。
王都は全国で集められた生産物をたくさん取り押さえているので、豪勢な食事であった。
朝の時間帯であったので、金鳥の卵を使った目玉焼きと、パンもどき、などなど朝の定番料理を頂いた。
金鳥の目玉焼きは、『フライドゴルド』と言う食べ物だ。金鳥またの名を『グリフォン』。その卵は希少で滅多には見れないのだが、さすがは王都ちょうど入荷したようで、紫炎達は興味本位でこの店に入ったのである。
そしてこのパンもどきだが、『フロワード』と言う食べ物で、『フロワー』と言うものを原材料として利用しているものだ。食感はパンなのだが、その風味や口どけなどはパンとは全く似つかない。
他にもスープなどを飲み、腹も膨れた所で、早速買い物へと出かける。
「綺麗なの〜」
「ほんとだ」
「凄いわぁ〜」
ユグ、シル、ルファーが揃って見ているのは宝石店である。宝石の名前は地球での鉱石と同じ名前が多く、ダイヤモンドなどが売られている。
ここでは、そのような宝石を加工しアクセサリーとしている店で、黒のスーツを着た女性店員さんが色々と説明をしてくれる。
「ルファー、黒煉好きなの選んで良いぞ」
せっかくにと、紫炎が2人に声をかける。
「いいの?」
「あぁ、元々ルファーが稼いだ金だからな、好きなの選んでくれ」
「マスター私も良いのですか?」
「もちろん」
満面の笑みを浮かべ早速何にしようかと悩む2人。
だが、そこで待ったをかける者達がいる。そうユグ達である。
「なんで私達はダメなのよ」
「お前らまだ子供だろ? 小さい内から高価なもん渡したらダメなんだよ」
尚まだブーブーと文句を言う3人に、しょうがねぇと頭をかき、紫炎が提案をする。
「それじゃあ、今度何か俺が作るから、それで許してくれ」
「あんたが作れる訳ないじゃない」
「それが作れるんだよ、錬金魔法<錬成>と言う魔法でな」
<錬成>と言う魔法。実は誰でも出来る魔法なのである。属性と言うものでは無く、錬金魔法と言うもので、物質を作り直したり、道具を作れたりと出来るものである。
「ふーん。ちゃんとしたものを作ってくれるんでしょうね?」
「当たり前だ」
「私もお兄ちゃんのやつ貰うの」
「私もシエン様の貰う」
どうやら落ち着いてくれたらしい。その後、ルファーにどっちがいい? などという返答に困る質問が来たりと色々あったが、無事この店での買い物が終わった。
結果、ルファーには、赤いルビーの指輪。黒煉には銀のネックレスを買ったのであった。
ただ単にハーレムデートしてるだけの主人公。閑話などでヒロイン達の心情を描写するする言ってるけど、まだしていませんね·····。いつかするので許してください。
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