27話 再会。終焉ノ迷宮にて
書き直しがてら、新しい話です。
「クソっ、いくら倒してもキリがない」
「あぁ、しかも、ここの魔物堅すぎだろ」
『終焉ノ迷宮』に響く2人の男の声、そんな彼らに、2人の男女が助けに入る。
「光殿私に任せてくだされ」
「ありがとうイフリート」
「悟君任せなさい」
「さすがウンディーネ」
上級精霊のイフリートとウンディーネだ。そしてそんな彼らの主は、当たり前だが、光と悟である。
何故ここに、彼らがいるのか?理由は明白である。そう、紫炎捜索だ。
街の方を、姫、千歌、萌衣に任せ。ダンジョン内の捜索を光達が行う。
そして、このダンジョンに潜ってしばらく経つが、それらしき人影が見れない、
光達は、ここに入る前に終焉の森を一通り見て回った。
なので、このダンジョンの中にいるはずなのだが、捜索は難航している。それは、魔物の堅さが原因である。
終焉の森を一通り見るが為に膨大な時間をかけてしまい、約束の1ヶ月が迫ろうとしている。
それが、彼らに焦りを与える。
「ったく、何処にいるんだ?紫炎は」
そして、その声に反応してか、1つの人影が、部屋の隅から現れる。
「やっと見つけた。紫炎!」
だが、返ってきたのは、斬撃である。
「あっぶねぇ、何してるんだよ! し·····えん?」
それを危機一髪で避ける悟であったが、直ぐに異変に気づく。
「悟、こいつ紫炎じゃない魔物だ! 構えろッ!」
「あ、あぁ、分かった。ウンディーネ行くよ!」
「任せて! 悟君」
そして、彼らの目の前に現れたのは、人型の魔物だった。
「人型かッ!? 光殿気を付けてくだされ! こいつは今までと格が違う!」
「分かった。悟! 聞いてたか?」
「任せろッ!」
そして、悟が先程の斬撃よりも一回り大きいのを放つ。
が、それは、人型の魔物には届かなかった。何故なら、
「クソっ、また新しい人型かッ!」
そう、人型が現れたのだ。しかも、次々にどんどん出てくる。
「10体の人型か·····イフリートここから逃げることは出来るか?」
「いえ、ここから逃げるのは、不可能に近いでしょう」
「そうか、悟ッ!」
「分かってるよ行くぞ! ウンディーネ!」
だが、さぁ挑もうとする時、爆音が響く、そして目の前には既に事切れてる人型達。
何事かと、光達が、見渡す。そこには、可憐な少女が立っていた。銀の髪を靡かせ、光達に目線を向ける。
そう、テスタだ。そんなテスタに目を奪われる2人。
「大丈夫ですか?」
「は、はい、ありがとうございます。失礼ですが、名前を聞かせてもらっても·····」
声をかけられ、立て直す光。ウンディーネに耳を引っ張られ立て直す悟。
「ヒメさん達の願いで助力に来ました。テスタと言います」
「そうか·····姫達が·····ありがとうございます。テスタさん」
事情を知り、安堵の息を漏らす2人。だが、そんな中で、イフリートとウンディーネはテスタを見定めているのか凝視している。
『ウンディーネ、怪しい動きをしたら』
『分かってるわよ』
2人が怪しむのは、当然である。何しろ一撃で人型達を全滅させるのだ。尋常じゃない実力がある。主の身を守るためにも警戒を怠らない。
「あ、テスタ様、片付け終わりましたか?」
「サミリアさんですか。こっちは終わりました。それよりもシツさん達は?」
「御主人様でしたら、姫様達を連れてもう直ぐ着きますよ」
「分かりました」
また、新しく女性が現れる。サミリアだ。そして、そんなサミリアを見て身震いするイフリート達。
まぁ、それもそのはずサミリアはこの『終焉ノ迷宮』のボスなのだから·····
「テスタさん、こちらの女性は? 後、シツさんという方は誰なのでしょうか?」
話についていけてない光が、質問する。
「こちらは、サミリアさんです。私の仲間で、シツさんと言うのは、サミリアさんの主です。貴方達もよく知ってますよ」
「そうですか」
光達は、サミリアの主というシツという人に興味を持った。
光と悟は、嫉妬が故に、まぁ分からなくはないだろう。何せ彼女達はとても顔が整っているのだから。
イフリートとウンディーネは、驚嘆が故に、こんな化け物を従える主に驚きを隠せないのだろう。
「おい、サミリア、テスタ来たぞ。終わったか?」
「御主人様。はい、こちらは終わりました」
「そうか」
そう現れる人にイフリートとウンディーネは、戦闘態勢をとり、攻撃をした。それをサミリアが大剣で弾き飛ばす。
「一体どういう事ですか?」
「そちらこそどういう事だ。何故、精霊王様を抱いている?」
現れたのは、精霊王であるユグとシルを抱いている紫炎だ。
精霊王であるユグとシルを抱いているという事にイフリートとウンディーネが怒りを覚えたのだ。
「何故も何も、御主人様は、精霊王と契約を結んだからです」
「それはおかしい。精霊王様は·····「紫炎じゃねぇか!」
イフリートのセリフを遮って悟が紫炎に気づき声を上げ近づく。それにつられ光も紫炎の元へ駆け寄っていく。
「よぉ、2人とも、大丈夫だったか?」
「紫炎か·····生きていたとは知っていたが·····流石だよ」
「あぁ·····紫炎·····すげぇよ」
光達の反応に驚くイフリート達。
「イフリートとウンディーネよ。お主ら主の従者であるサミリアに何をしているッ!」
そんなイフリート達にユグが、怒鳴り声で戦闘態勢をやめさせる。
「ユグ様、何故このようなガキを主にしているのでしょうか?」
仕方なく戦闘態勢をやめたイフリート達であったが、不満があるのかイフリートがユグにそう声をあげる。
「ガキとは、我が主を愚弄するのか?」
「そやつは、私を召喚し、契約出来なかった男でございます。そのような男に契約為さるとは、ご乱心なされましたか?」
そう、前も言ってた通り、イフリートとは以前紫炎が契約に失敗した精霊だ。もっとも契約する前に帰ってしまったのだが·····
「貴方様に相応しいのは我が主、光殿でございます。即刻契約を破棄してください」
「それは無いな、我に相応しいのは·····ふにぁ」
今までの威厳ある口調から、可愛らしい声に変わる。紫炎がユグを抱いたからだ。
「主、何している?」
「ユグ、俺と話す時は素で話してくれと言っただろう?」
「クッ、な、何してるの?」
あまりにも場違いな会話が紡がれる。それに更に怒りが湧いたのかイフリートが声を荒らげる。
「貴様ッ! 精霊王であるユグ様を!」
「うるせえよおっさん。引っ込んでろ」
その言葉に更にヒートアップするイフリート。
そして、話が分からない光と悟。
「紫炎。話が見えてこないんだけど·····」
「とりあえず、あのおっさん止めてくれない?聞くからに、光の契約精霊だろ?」
「ったく。ちゃんと説明しろよ? とりあえずイフリート話を聞くから黙って」
「クッ! わ、分かりました」
イフリートも静かになったところで、紫炎が今までの事を説明するのであった。
とりあえず3話まで、書き直しました。これからも書き直していきます。




