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17話 最後の修行 中編2

書き直しました





サティを入れてあれから2年。現実世界では2日経った。2年前までは俺に手こずっていたサティだったが、今ではいい勝負をするぐらいまで伸びていた。


そんな2人は今稽古中である。


「なかなか今のはいい攻撃だな」


「感心するのはまだ早いよ!」


サティは、紫炎の首元に狙って蹴りを入れてくる。当然避けたのだが、風圧で紫炎の首元が切れた。


「すごいな、風圧だけで俺に傷をつけるのか」


「どんなもんだい!」


笑顔でピースをするサティに、紫炎の顔は綻ぶ。そんないつものウォーミングアップが終わり、次は、準備体操をしこの世界を2人で走る。


「それにしても、お前あの時は弱かったのに凄い変わったな」


「ふふん♪ ボクも出来れば凄いんだよ!」


走っているというのにここまで会話ができるのはこの2年間の賜物だろう。2年前の2人なんて、荒く息を切らしていた。


「クロリアも、サティがここまでやるなんて思っていないだろうな」


「そうだね」


2年前



「何ッ!サティもここで修行するのかい?」


「う、うん。ダメかな?」


あの対決後、すぐにクロリアの元に行き事情を話した。


「ボクまだまだ、弱いんだ。今まで里の中でしか見てこなかったけど。シエンと戦って思ったんだ。僕は弱いんだって」


「いや、十分サティは強いよ」


「それでもボクはシエンに勝てなかった。だからボクはここで修行して強くなりたいんだ!」


必死にサティは訴える。が、断固として許可を出さないクロリア。そんな2人に見兼ねたシルファーが口を出す。


「いや、シエンにとってもいい刺激になるからな。クロリアよ、許可を出してやれ」


「くッ、シルファー様がそういうのであれば。おいっ小僧、お前サティに何かしたら許さんからな!」


「わかってるよ、3日後いや、3年後か。とりあえず見違える程強くなってるから期待して待ってな。多分お前より強くなってるぜ」


多少親バカな発言に少し挑発して返す紫炎。そんな紫炎の挑発に口をひくつかせてクロリアは眼光を鋭くし紫炎を見据える。


「その言葉忘れるなよ?」


「あいにく、俺は記憶力が良いから大丈夫だ。それよりもお前の方こそ忘れるなよ?」


「減らず口をッ!」


最初は、敬語をしっかり使い。しっかりとした感じの紳士であったが、娘が関わると途端に態度を変える。やはりクロリアは、親バカなのだろうか·····


「ではシルファー様、サティの事よろしく頼みます」


もう言う言葉が無くなったのか、シルファーに一言挨拶をし里に帰っていった。クロリアは族長らしいので、家を長らく空けることが出来ないからである。



あれからもう2年だ。宣言した通り見違える程強くなったサティと模擬戦をする紫炎。


今、シルファーは寝ている。この時間はシルファーがこの魔法空間を維持する為に休養を取らなければならないのだ。


「それにしても、シエンは強すぎだよぉ」


そう言って文句を言うサティ。先程から、1度も攻撃を入れられていない。


「まぁ、お前の攻撃ぐらい見切れなければな、あのクソ師匠は倒せねぇ」


「ほう、クソ師匠とな?どうやら減らず口はまだ治らないようだな」


「うぉっ」


いつの間にか起きていたシルファーが、紫炎の後ろに立っていた。


「起きてるなら起きてるって言えよ、つかとりあえず、あの魔法のリベンジをしたいんだけど」


「ほう、またやるのか、まぁ好きに挑戦するが良い」


あの魔法とは精霊魔法である。

少し前も実践したのだが、いかんせん難しい。

そして今回は前回のリベンジとしてまた精霊魔法をしようと言う話だ。


まず、精霊とは、人間よりも高位の存在だ。

なので契約の際下手に回るのがセオリーなのだが、それはそれでダメなのだ。


精霊は少し面倒くさく、下手に回りすぎるのも駄目、強気で行き過ぎるのも駄目なのだ。


とりあえずリベンジと行こうか、紫炎が精霊魔法の詠唱を行う。


「<我が召喚に応えよ精霊>」


詠唱を全部は言うと、初級精霊が出やすい。上級や最上級を呼び出すには、詠唱省略や無詠唱をしなくてはならないので今回は詠唱省略をする。


「我が主になるのはお前か?」


そう言って現れたのは、燃えるような赤い瞳に、髪は全てを吸い込む様な黒色で腰まで長い。服装は腕に金色のブレスレットをつけ

水色のワンピースそして黒と緑で装飾されているサンダルを身につけた幼女であった。


「そうだ。俺と契約して欲しい」


「ほう、我を見ても怯えぬか、実に面白い、ふむ、お主といるのもまた一興。是非とも契約してもらいたいものだ」


(あれ?案外スムーズに行ったぞ?前回なんて厳ついオッサンが出てきて『嫌だな』の一言で消えていったんだが)


「本当か?嘘じゃないよな?」


「我は嘘なんぞ付かぬッ!」


(よっしゃー、ついに精霊と契約できたァー)


「それじゃあ、これからよろしくな。えーと名前は?」


「ユグだ。精霊王ユグと言う」


「そうかユグかよろしく·····って?はぁ?お前精霊王なのか?」


「ん? そうだが?」


「見えねぇ、お前本当に精霊王なのかよ?」


「我を疑うのか? 失礼な人間だな、契約放棄しても良いのか?」


「ちょっと待ってくれ、すまん。まさか精霊王が、こんな可愛い子だなんて思っていなくてさ」


「かっ、可愛いだと」


「いやそうだろ? ユグお前めっちゃ可愛いぞ?」


紫炎の”可愛い”と言う言葉に過剰に反応するユグ。何この可愛い生物マジヤバいんだけど。


すると、ユグの背後から声が聞こえてくる。


「ん、可愛い。お姉ちゃんは可愛いの」


その声にユグがいち早く反応をする。


「こら、出てくるなと言っただろう?」


「いや、私もお兄ちゃん見たいの」


そう言って出てきたのは、また新しい幼女。

ユグとは違い白色の髪で腰まで伸びてる。

服装は、サンダルを履いていない以外ユグと同じだが色が違う。全てが白である。ワンピースも髪も肌すらも、同じなのはその赤い瞳だけである。


「ん、よろしくお兄ちゃん。私はシル。お姉ちゃんの妹、精霊王シルなの」


「えっと、精霊王って2人いるのか?」


「ううん、違う私達は2()()()1()()どっちもいないとダメ。私達は双子、前精霊王ユグドラシルが産んだ、()()の子供」


双子で、2人なのに唯一の子供とはおかしいという点に紫炎は気づいたがとりあえず気にせず、挨拶をする。


「そうか、ならよろしくなシル。俺は紫炎だ」


「ん♪よろしくなの」


「ちょっとー、なに勝手に話進めてんのよぉー」


「お姉ちゃん、口調戻ってるの」


「はっ!なに勝手に話を進めておるのだ?」


「もう遅せぇよ」


なんかややこしい2人が増えたなと苦笑する紫炎であった。

2人で1人、唯一の子供にどのような秘密があるのか?楽しみにしてくださいね。


誤字脱字、日本語の不自然な部分がございましたら報告下さい。

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