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16話 最後の修行 中編

書き直しました





「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私の名前はクロリアそして娘の」


「サティだよ♪♪」


どうやら大戦時、竜人族に力を貸してもらったらしく、クロリアは、シルファーに主従契約をしたという事だ。


そんなクロリアの娘であるサティは、見た目はTheスポーツ女子である。


髪は濃い紫色で、ショートヘアーだ。胸はなくスレンダーだが、脚部は、ムッチリしていてエロい。


「ボクの足技にどこまで耐えられるのかなぁ?楽しみだな♪」


(足を使うのか、と言うかボクっ娘かよ)


そんなボクっ娘のサティに紫炎は、自己紹介を済ます。


「俺の名前は紫炎だ。よろしくな」


「よろしくー♪」


軽い挨拶が終わったところでクロリアが、戦闘開始の合図を言う。


「それじゃあ、僕から行くよ♪」


開始の合図が聞こえた瞬間、サティが紫炎に蹴りを入れる。


()()()()、わざとか?とりあえず避けてみるか)


と、紫炎が避けると、その蹴りが地面に当たり、世界にヒビが入る。その事に驚く紫炎。


そんな紫炎にサティは、ニコニコと笑顔を向けながら


「あれ?避けちゃったの?油断してたから受けてくれると思ったのに〜」


「お前力強すぎだろッ!」


「えへへ〜、よく言われるんだぁ」


可愛い声を上げながら、髪をかくサティ。


(とりあえず()()()()()()()()


今の蹴りを見て、こんな冷静でいられるのはダンジョンでのボス戦、つまりサミリアのおかげだ。正直、今の蹴りなんて()()()()()()()()()()()()()である。


「とりあえず。勝負を終わらせるからそう簡単に終わるなよ?」


「え?終わらせるって?あはは夢見すぎだよぉ」


そんな"終わらせる"宣言にサティは笑い、油断を見せるが、その油断が命取りであった。


「よっと。これでお終いだな」


こうして勝負が終わったのである。


「え?ちょ、え?何が起こったの?」


紫炎の攻撃を受けたサティは何が起きたのか分からない様だ。が、それもそのはず。

まず紫炎は全速力でサティに近づき、腕を後ろに回させて膝カックンをしただけなのだから、


ステータスの項目に速さはないが、表示されないだけで調べる事は可能である。そんな紫炎の素早さは、


素早さ 音速を超えちゃうよ。ごめん光速だった笑


と、既に人外を極めている様で、こんな速さで、迫られ人外レベルの力で腕を後ろに組まされ、ついでに膝カックンなんて受けてるのだから気づかない訳である。


「びっくりだよぉ、まさか私が負けるなんて」


「本当に君は凄いよ、私の娘を倒すなんて、

いやぁーシルファー様どこでこんな人材を?」


「いや我もここまで力があるとは思わんかった」


とそんな結果に各々感想を述べる。


「しかし、これ程の力となれば流石に<制約(カンストレント)>をかけないといけないですね」


「そうだな、<制約(カンストレント)>をかけさせてもらうか」


クロリアとシルファーがそんな事を話し出す。

力の強さは身を滅ぼす。サティぐらいならまだしも、ここまでの強さを見せられたらある程度の制約をかけないといけなくなる。もちろん外せるようにはするが体が出来上がらない内は、使わない方が良いのかも知れない。


そして今回使うこの<制約(カンストレント)>だが、束縛系魔法。闇属性に分類される魔法で、何かしらを制約出来るものだ。


「なぁ、何する気だ?」


<制約(カンストレント)>をかける為、紫炎に近づく2人、サティは遠く見守っている。そんな2人に顔をひくつかせ紫炎が問うたのだが、


「ちょっと制約をかけるだけだよ」


「大人しくせい」


そんな問いも虚しく、クロリアは黒い笑顔を、シルファーは恐ろしい形相をしながら紫炎に<制約(カンストレント)>をかけたのであった·····。



どれぐらい経っただろうか?制約をかけられた後、もう一度サティと戦い、もちろん惨敗した紫炎は気を失ったのである。


「いってぇな、制約かかった状態であの攻撃喰らったらこうなるに決まってんだろうが」


目を覚ました紫炎は、起きて早々愚痴を漏らす。


「でも凄いねぇ、ボクの攻撃避けれるんだもん」


そんな紫炎をサティは頭を撫でる。その言葉からは、素直な賞賛が伝わる。


「別に、あのクソおせぇ攻撃ぐらいなら余裕だよ」


「え? 何言ってるの? ボク、里で1番速いんだよ?」


「だとしたらそれは里の中での話だ。俺にはほとんど止まって見えるんだよ。体が追い付かないだけで」


「おかしいなぁ、ボクの攻撃避けれる人なんてお父さんかシルファー様ぐらいだけだもん」


「だが、正直言ってそこまで速くない、だったらまだサミリアの方が強いな」


「サミリアって?」


シルファーとクロリアは、なんか2人で話しているらしく、その間暇だったので、紫炎は、色々と話をする。


「へぇ、そんなことがあったんだぁ、んじゃボクそのサミリアって人と戦いたいなぁ」


話を聞き、サティは、サミリアに対抗心を燃やすが、その気持ちを紫炎はバッサリと切り捨てる。


「やめとけ、今のお前じゃあほぼ100%負けるから」


「むー!そんなの決まってないじゃん」


「いや、決まってる。弱者が強者に勝つなんて万に1つもない」


「なんでそんなこと決めつけるの?」


少し泣きそうな顔でこちらを見つめるサティ、

紫炎は、そんなサティを見つめ、声のトーンを数段下げ、その声に真剣さを混ぜる。


「決まってるんだよ。俺があの時、王国に国外追放されたのだって俺が弱者だったから、俺がサミリア相手に死にかけたのは、弱者だったからだ」


「でも、シエンは、そのサミリアに勝ったんでしょ?」


「そうだ。だが、それは結果論。俺は負ける運命だったんだよ」


「でも勝ったじゃん」


サティが不貞腐れたような感じで言ってくる。が、紫炎が言った通りそれは、()()()である。実際、称号と言うイレギュラーがあったからこそ勝てた。


「それは俺が弱者から変われたから、前を向くことができたからだ」


「じゃあ私だって」


「何度も言わせんな。今のお前じゃあ無理なんだ」


「だからぁ」


「だから、変われ。俺が今のままじゃ無理だと言っているんだ。俺があの時変われたように、お前も変われ、今のままじゃ無理だ。お前は弱者、確かに、竜人族は強い。あのクロリアだって強者だ。だが、それはクロリアの話。

お前ではない。いつも自分が強者だと思うな、

今のお前は弱者だ。俺は今制約をかけられているが、多分もう今、お前と戦っても俺が勝てる」


「え?嘘だよッ!」


「本当だ。なんなら今から勝って見せようか?」


クロリアが居ないので、紫炎の合図で勝負が始まった。


先程と同じ様に、サティが紫炎に先制をかけてくる。が、遅い。サティの蹴りよりサミリアの剣の方が数倍速い。


そんな剣と渡り合った紫炎にとって、サティの蹴りは遅いのだ。先程は、動きに慣れていなかっただけで、今ではそのサティの蹴りを避ける事が出来る。紫炎は、そのままサティの足を掴み思い切り引き寄せ、抱き寄せる形で捕まえる。


「ほらな、今攻撃を受け止められ俺の腕の中で固まっているのはどこのどいつだ?」


そんな言葉を言ってはいるが、健全な男子高校生にとって今の状況はヤバい。ムッチリとした尻の感触がダイレクトに腕に来て、ちょっと危うい。


「うぅっ、恥ずかしいよォ」


「す、すまん。ほらっ」


夢の様な時間が過ぎ、紫炎はサティを降ろす。凄く胸が高まっているが、それを悟られないように、平静を装って、


「これでわかっただろ?お前は弱者だ。シルファーは、俺の相手がお前で足りると思っているようだが、正直そこまでだ」


「うぅっ、じゃあどうすればいいんだよぉ」


「だから、変われって言ってんだろ」


「変わるって何に?」


「強者に決まってるだろーが。せめて制約をかけた俺といい勝負するようにな、サミリアはそのぐらいはやっていたぞ?」


「嘘だよ」


「嘘じゃない。実際あの勝負は凄く楽しかったし、凄く面白かったよ」


「じゃあどうやって変わればいいの?」


「それは簡単だ。一緒に修行しようぜ」


何故、紫炎がこんな事を提案するのか、それは、ひとえに”ボッチ”が嫌なのである。


誰が悲しくてオッサンと修行しなくてはならない。最初は覚悟を決めていたのだが、こんな美少女が増えたのなら、帰ってもらうのは嫌なのだ。


そんな魂胆なんぞ、露知らずサティはオドオドと紫炎に尋ねる。


「本当に一緒に修行していいの?」


「ん?もちろん決まってるだろ」


「ありがとう」


満開の笑みを浮かべ、サティはそう告げる。

その笑みの理由を知らない紫炎は、ただただ首を傾げるだけであった。

紫炎の修行なのに、何故かサティが増えると言う謎な展開が繰り広げられていますが、あのステータスだと修行も意味無いのかな?しかもちゃっかり美少女を腕に抱いている主人公。書いといて何ですが羨ましいですね。


誤字脱字、日本語の不思議な部分がありましたらご報告下さい。

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