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13話 ルファーに会った。そして

書き直しました






周りに広がるは火の海、上から降るのは血の雨、次々に聞こえてくる悲鳴と怒号。そして俺の手にあるのは血塗られた1本の剣。



目の前には、肉塊が散らばっている。それは、原型を留めていない()()。そんな事をしたのは、俺だ。


敵を倒す度に、英雄と呼ばれ、殺す度に、称えられる。


だが、俺はそんな立派な人間じゃない。()()()()だ。()()()なんだ。


そして、俺の目の前には、泣いて喜ぶ少女が居る。


額には角が生えている。敵軍の大将である魔王の娘だ。名前はなんと言ったか忘れた。


そんな少女は、泣いている。感謝の意を漏らす。


(やめろ、俺はそんな人間じゃないんだ。俺はみんなを欺いているだけなんだ)


そんな少女を見る度、心が締め付けられる。あれ?俺の名前は何だっけ? 何故俺は感謝させられている?


(なんだ? なんだ? なんだ? なんでだ!

おかしい。俺の嘘は何だ?)


·····俺は一体何なんだ



――――――――――



そこで紫炎は目を覚ます。


「なんだ?今のは·····」


(思い出せないが、確実に俺だった)


「どうしました?マスター?」


そう言って黒煉が紫炎を見下ろす。

今紫炎は、黒煉に膝枕をして貰っている。


「いや、なんでもない」


紫炎達は、街で冒険者登録をし、その後、シルファーと合流し馬車で共にルファーの所へ向かっている。


その途中で紫炎は寝てしまったのだ。


(そういえば最近ダンジョンやテスタのことで、結構忙しかったな)


そんなテスタは、紫炎の近くで寝息を立てている。その表情は暗く。少しばかり顔色が悪い。いくら思入れが無いと言ったところで、実際は、色々と思う所があるのだろう。




それよりも今の夢はシルファーが言っていたことに関係するのだろうか?


シルファーが言ってた事。それは、


「お前と出会ったのは今回が初めてではない。だが、その真実は己で確かめよ。自由に旅をするのも良し、真実を確かめに行くのも良しだ。だが、その前にルファーに会ってくれ頼む」


という事である。シルファーの言う『真実』とは何なのか分からない。


(『真実』かぁ、絶対に今のと関係するよな、ルファーに会う理由とか何なんだ?これも関係すんのか)


終焉(ラグナロク)と言い、『真実』と言い、知りたい事が山ほどある。


(元の世界に戻りたいが、こっちも気になるしな。とりあえず光達と合流してから決めるか·····)


そうこうしている内に、ルファーの居る城に着いた。終焉の森を出て、少し進んだ辺りに建っている。付近の土地は、黒く変色しておりラスボス感が半端ない。ルファーはどうやら女王様見たいな立場らしく、そこまで行くのにギルド登録が必要なのだと。少し面倒臭い。


とりあえず紫炎は、テスタを起こす。


「サミリアは何処だ?」


そう言えばサミリアの姿が見えないことに、紫炎がそんな声を上げるが、


「サミリア様なら、あちらに」


黒煉が指さす方向には、馬車の隅で、体育座りをし落ち込んでいるサミリアの姿があった。

何やらブツブツと


「私が膝枕したかったのに·····」


とぼやいている。

どうやら、紫炎が寝ている間に膝枕する話になり、じゃんけんで決めたところ負けてしまってうじうじしているとの事だ。


紫炎は、そんなサミリアを何とか元気づけ、魔王城へと入っていく。


そんな魔王城は、外見は『終焉ノ迷宮』と瓜二つである。シルファー曰く、厄介事を軽減する為である。


『終焉ノ迷宮』と言うのは伝説級のダンジョンで、伝説級と言うのは、人間が定めたダンジョンの危険度である。


初級

中級

上級

超級

伝説級

幻想級


で分かれていて、幻想級とは、その名とおり、『幻想』つまり、有って無いようなものである。非常に報告件数が少なく、未知なことが多い。


なので実質伝説級が1番危険視される。そんなダンジョンに似ているとならば厄介事は必然と減るだろうと考えたようだ。


そんな魔王城の中を進んで行く、やはり内装も何処と無く『終焉ノ迷宮』に似ている。そして、王室に着いた時、シルファーが紫炎に小さい声で、


「少し、気をつけろ」


(気をつける?何に)


紫炎がそう考えた瞬間、扉が開き、女性が超ダッシュで紫炎に向かって、


「会いたかった。セツ!」


なんて言いながら抱きついてきた。その豊満な胸が紫炎の顔にあたる。


(気をつけるってこういう事かよ)


ステータスが規格外の紫炎にとって、倒れるような事はしないのだが、如何せん後ろの視線が痛い。


「まさか、シエンさんがそこまで遊び人だなんて」


「マスター」


「御主人様、いつの間に!!」


テスタは、呆れ。黒煉の意識は飛びかかり、サミリアに関しては、じゃあ私もと言う感じである。


「お前ら誤解だからな! だいたいこいつとは初対面だ!」


「何を言うのセツ!昔からの関係じゃないッ!」


こんなことを言うのだから3人の目線が冷たくなる。


(クソッ!シルファー助けてくれ)


紫炎がシルファーに目線を向けるが逸らされる。


(覚えとけよ、クソシルファーが!頑張って誤解を解くか·····)


「まず俺は、セツじゃねぇ、紫炎だ!」


「そんなはずはない。この声と顔立ち、そして何より匂いが変わってないわッ!」


何気に怖いことを聞いた。


(匂いって、俺の体臭そこまで分かりやすいのかよッ!)


だが、こんなんでは紫炎はへこたれない。再度誤解を解かせる。


「よく見ろ!本当に顔立ちは同じか?」


「う〜ん、そういえば顔が似てるだけで同じとは言いきれないないわね」


そう言って、少し抱きつく力を緩め、紫炎の顔をじっくりと見るが、


「でもやはりセツだよ。少し顔立ちが転生で変わっても、私の目は誤魔化せないよ」


そうしてまた紫炎に抱きついてきた。


(誰かこの場をどうにかしてくれ·····)

ここで、また1つ謎を増やしていく、察している人も当然いるでしょうが、一応まだまだ謎はあるので楽しんで下さい。


誤字脱字、日本語の不自然な点があれば報告して下さるとありがたいです。

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