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11話 終焉と言う名の大戦について

書き直しました。



解呪(ディスペル)


そう解呪魔法を使うのは、サミリアだ。

あの戦いが終わった後、サミリアと黒煉の回復を待ってから、紫炎達は、この部屋へ戻ってきた。あの少女のいる部屋である。


「どうだ? サミリア」


「直に目が覚めるはずです」


色々と聞きたい事がある紫炎は、とりあえず起きるまで待つ為に近くにある壁に寄りかかる。


数分後、「ん、んん」などという声が聞こえてきた。紫炎達が揃って見てみると、その目が開かれ、綺麗なサファイアの様な瞳が露わになる。


「あれ? ここは·····」


どうやら、少女の意識は、完全には回復しきってないみたいだ。


「ここは『終焉ノ迷宮』だ。ようやく目が覚めたか」


簡単な説明を加え、紫炎が少女に近づく。


「あの、貴方は?」


「紫炎だ。とりあえず聞きたい事があるのだが聞いても良いか?」


「シエンさんですか、質問なら大丈夫ですよ」


こうして、紫炎は、色々と疑問点を言う。


まず、少女の名前はテスタと言う。

黒煉の言う通り、梓人と言う少年とここに来たという事であった。


呪いを受けた後、気を失ってしまったらしく、呪いも相まって、回復が遅れたという事だ。


サミリアも、別に取って食おうとはしようとは思っていなかったらしく、リッチに守護を任せたらしい。


「そう言えば、サミリアお前の魔物、理性や知性とかあるのか?」


守護を任せたと言う所で紫炎が、あの時感じた違和感を聞き出す。


「どのような物が理性で知性なのかは、知りませんが、今は亡き創造主が言っていた要素を魔法陣に組み込んだだけです」


(と言う事はこいつ、見ただけの魔法陣を実践で使ったという事か)


とりあえず、疑問が解けたが、サミリアについて謎が深まったと言う所である。


「後、梓人はどうした?」


これも、ずっと疑問だったのだ。黒煉に聞いた話だと、泣き叫び絶望に震えたぐらいまでしか分かっていないのだ。


「あの少年なら殺しましたよ?」


可愛い笑みを浮かべ、サミリアがそう返答する。


「そうか」


別に当然の事である。命を賭けた勝負、途中で投げ出したのだから。


「それで、お前はどうする?」


ある程度聞けることを聞けた紫炎は、テスタに今後の予定を聞く。


「私、こう見えてもプロの冒険者で、帝国に戻る手立てもあるのですが、しばらくお供することにしますね。貰ったものを返さなければならないので」


帝国に戻る手立てとは、彼女はこう見えても帝国の王女なのである。テスタ・シーヴァが彼女の本名だ。何処と無くクーヴァと似た語感がするが何か理由があるのだろうか·····


話を戻すが、あれから時間が経ってたとしても、帝国は実力主義の国家であるからして、プロの冒険者であるテスタは余裕で食っていけるのである。王女としてのツテで入国し、後は自由に生きる事が出来るという事だ。


「別に俺としては、構わないが、随分と冷静だな」


帝国王女だとしても、ここまで冷静でいられるのはおかしいと感じたのか紫炎がそう呟く。


「確かに、普通なら慌てふためくでしょうが、別にあの時代に何も思入れなど無いので、唯一仲間が心配ですが過ぎた話なので」


表情が一変し、途端に目にハイライトが消え、その目には紫炎の黒い心にも似た感情が浮かぶ。


彼女の言葉や顔からいかに大戦が凄惨で、恐ろしい事だったのかが伝わってくる。


大戦とは、地球で言う所の、世界大戦である。

正式には、終焉(ラグナロク)と言われる。世界の終焉を思わせる程凄惨で、天地が割れたとも言われた程である。


人族、獣人族が率いる人界軍。魔族率いる魔界軍。神族、精霊族率いる神界軍。三勢力の正面衝突、人界軍は異世界から自軍の希望として、勇者を召喚し、魔界軍は調教(テイム)の魔法を生み出し魔物を従え、神界軍は、洗脳にも似た魔法憑依(ポゼッション)を生み出し、人族に憑依して内部の切り崩しを実行した。


その決戦の地が、今で言う所の『終焉の森』である。『終焉ノ迷宮』と言う名は、サミリアが付けた名前では無く、終焉の森から取られている。


この話を聞くと本当に梓人は何をしているんだ!?と言う話になってくるのだが、恋は盲目とは良く言ったものだ。


「まぁ、話は分かったよ。とりあえずあのクソシルファーの所に戻るぞ」


「あの、クソシルファーとは、まさか魔王シルファーの事ですか?」


「そうだ、俺の師匠だな」


その一言にテスタは驚愕を覚える。それも当然だ。終焉(ラグナロク)の時、人界軍に多大な被害を与えた魔王の名なのだから、


「あの、私、本当に行っても良いのですか?」


不安に思ったテスタは、そんな事を口にするが、


「別に終焉(ラグナロク)でどうだったかは、知らないが別に良いんじゃないか?」


実に呆気からんとしている紫炎に、若干頬を引き攣るテスタ。だが、ついて行くと言った手前、これ以上の反論はおかしいと思ったのか、無言で紫炎達について行く。


その帰り道、紫炎はそう言えばと言った感じで話を切り出す。


「なぁ、テスタ、不思議に思っているんだけどさ、終焉(ラグナロク)って何が原因だったんだ?」


ずっと疑問だったこの点。紫炎はずっと考えていたのだが、いまいち分からずじまいであった。争いには何かしらの原因があるのだ。それは、世界大戦然りである。


「原因ですか? そう言えば考えた事無かったですね·····」


返ってきた答えがこれだ。今回、紫炎達6人は、ルファーを討伐する為に、召喚基、転移されてきたのだが、何処と無く終焉(ラグナロク)とデジャブを感じるのだ。


「そうか、分かった。ありがとうよ」


(原因が不明か、終焉(ラグナロク)とは一体何なんだ?)


話を聞く度におかしい点が出てくるのだ。まず原因が不明である事、何を目的とした大戦だったのか? それぞれの軍が目指した物とは何なのか? 全てが不明なのだ。


(魔界軍の事はシルファーに聞いた、それは、魔族の権利を賭けた戦いだと言っていたが、なら神界軍の目的は?人界軍は? 疑問がどんどん浮かんでくるな·····)


そんな考え事をしていたら、いつの間にか、シルファーの小屋へ到着した。


(とりあえずは、後でで良いか)


「おーい、クソシルファー、帰ったぞぉー」


「戻ったか、どうだったよ」


ダンジョンであったことを説明し、女子率の高さ等で多少いじられたりしたが、


(クソッ!俺だってハーレム築きたいけどよ、顔が良くないんだよッ!)


紫炎の悲痛までの叫びでシルファーもいじることをやめた。伝わってくるのは、黒煉やサミリアは敬意であり、テスタは、感謝の意なのだ。そう簡単には好きにはならない。


(イケメンは良いよな、顔を向けただけで黄色い歓声だからな·····ハハッ)


若干イケメンへの憎悪が増えたが、とりあえずは、ダンジョン攻略は終了した。


「そう言えば、紫炎。お前に『魔王』継承するからな」


無事に終了したかと思ったが、ここでシルファーがぶっ込んで来た。


「はっ!? 聞いてないんだが」

「もちろん言ってないからな、そもそもダンジョン攻略が出来れば、渡す気でいたからな」


こうして実に呆気なく魔王を継承した訳だが、


(あんま変わんないな)


「まぁ継承しても、多少のステータス補正と魔眼が増えるぐらいだな」



黒井 紫炎 16歳

職業 魔王

称号 転移者 理不尽ヲ恨メシ者 前ヲ向キシ者

魔王ト成リシ者 世界ノ破壊者

レベル?

攻撃 人外レベルだよぉ

防御 あの頃が懐かしい、今では化け物級だ

抵抗 状態異常?何それおいしいの?

魔攻力 世界壊す? 壊しちゃう?

魔力量 もしかして私と同じ神だったりする?

能力 希望と絶望 魔王 魔眼 全


(どういうことだよ!? 測定不能からおかしいんだよっ!ぶっ壊れたのか!?)


紫炎が驚くのも当然だ。何せ、種族欄だけではなく、遂にステータスでも人間という事を否定されているのだから。


それぞれの効果については、魔眼 全は、その名の通り、鑑定等を使えるようになると言う効果で、魔王は、ステータス補正。希望と絶望は、ステータス補正と闇属性 全である。


(ここまで、補正がかかってステータスが化け物になったんだったら、そりゃ『世界ノ破壊者』なんて称号付くわな、世界なんて壊さんが、黒煉やサミリアに手を出されたら、ぶっ壊すかもな)


少し怖い発想をしている紫炎だが、紫炎のステータスのおかしさは神公認と言う事だ。


「よし、お前しっかり継承したな?」


「ん?あ、あぁ継承したけど?」


「ではギルド登録して来い」


(こいつは休憩と言う言葉を知らないのか?)


「何でだ?」


「いや、これからルファーに会いに行くからな」


こうして、急かされるように街へ向かったのである。


分かりづらくてすみません。まず神族ですがステータスの称号などを決めている神とは別です。ステータスを決めているのは創造神でございます。要は創造主ですね。神族と言うのは、神格と言う物を所持している人の事を言います。この辺はまた後で説明を入れるのでややこしいのですがお許しください。色々と説明回を入れないといけないのに忘れていて、色々設定が増えてしまいましたが、これからもよろしくお願いします。


誤字脱字、日本語の不自然な点がございましたら報告して下さい。


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