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10話 サミリア戦 後編

戦闘シーンって難しい



両者共に地を蹴った。


瞬間、凄まじい音が玉座の間に響き渡る。


紫炎が、『黒煉』を振るう。それを受け止め、サミリアの反撃、それを読んでいたのか紫炎は避け、サミリアを攻める。この攻防、第三者からは、音しか聞こえてこない。


「あー、なんて楽しい日なんだ。ここまで楽しかったのは何百、何千年ぶりだろう」


「そいつは良かった。しかし、この馬鹿らしいステータスに追いついてくるなんて、お前化け物すぎだろ」


「ふふっ、よく言われる。だが、化け物という点なら貴方にこそ相応しいと思うがな、さっきとはうって違って、強さが跳ね上がっている。一体どんなカラクリを?」


「まぁ簡単に言えば称号のおかげかな? 正直俺が1番驚いている」


などと、この場に相応しくない陽気な声が響く。

それぐらい2人は楽しんでいるのだろう。



「ずっとこの戦いを続けたいが、早めに決着をつけないとあいつが心配だからな。終わらせないと」


「ふふっ、それを私がさせるとでも?」


「いや、そろそろ本気を出すよ」


今、紫炎は、力に振り回されないように、ある程度セーブして戦っている。

だが、それでも規格外なのは確かだ。そんな紫炎と引き合っているのだから、十分にサミリアは化け物である。


「じゃあ、始めようか」


紫炎がそう呟いた瞬間、恐ろしい力が蠢き合う。それは、もう具現化していると言っても過言では無い密度、流石のサミリアもこれには参ったようで


「本当に、君は何者なんだい?勇者に『?』はつくし、あるはずの種族欄がないし、不思議な少年だな」


「俺が知るわけないだろう。まぁとりあえず、これで決めるよ」


「それはいいね、全身全霊をかけた技と技のぶつかり合い、実に私好みだ」


すると、2人とも攻撃をやめて全神経を集中し始める。嵐の前の静けさと言うのだろうか、静かに気を集中させている。


「奥義 『魔斬』」


サミリアが、先に仕掛ける。


『魔斬』とは、簡単に言えば飛ぶ斬撃だ。魔力を剣に宿しそれを放つ。


一見、簡単そうに見えるが、実は非常に難しい技である。魔力が弱ければそれは斬撃にならず逆に強すぎても途中で消え去ってしまう。


自分にあった魔力量で放たなければ失敗してしまう。だからこそこれは奥義のひとつに数えられているのだ。


そんな『魔斬』を、サミリアはくり出したのだ。それは紫炎を己の敵と判断した証拠だった。これは、梓人にさえ放っていない技、それが紫炎に撃ち込まれる筈だった·····


だが、放った先に紫炎はいない。その事に動揺するサミリア。


「あの少年は、どこへ?」


「ここだよ」


冷酷な、冷たい声がサミリアの()()から突き刺さる。


(何で、いつの間に背後にッ!)


紫炎が、どうやって背後に回ったか?それは、ステータスだけの力である。


まずサミリアの放った奥義 『魔斬』

それに対して紫炎は、『魔斬』を避けた。


『魔斬』に対抗する為の技なんて、紫炎は知らないならと、紫炎は、真っ向から撃ちあわず、その純粋なステータスの力のみで背後に回ったのだ。


そして、紫炎は、()()()。剣術なんて、全然知らない紫炎がサミリアに対抗する為に、繰り出した技は、突きである。


だが、いくら『黒煉』で突いたとしても、同じ『黒煉』で傷一つ付けられなかった梓人の二の舞になるはずだったのだが、


そんな鎧なんて今の紫炎には関係ない。”測定不能”それが今の紫炎のステータスである。だからこそ、今の現状を作り出せたのだ。


「ごフッ、はぁー、負けちゃった」


「あぁ、お前の負けだ」


赤い血を吐き出しながらサミリアは、敗北を認めた。


(いくら魔物でも通っているのは赤い血か·····)


紫炎は、『黒煉』を伝って零れるサミリアの血を見て考える。


()()()()を使うか? だが、こいつは許可するのか?)


やはり、豹変しても根は変わらないのかもしれない。


(本当にこいつを殺して良いのか? 確かに、大臣には、恨みがある。だが、こいつには無い。呪いを解呪して貰うだけなら、この手段でも·····)


そして紫炎は問いかける。


「なぁ、サミリア俺に調教テイムされる気はないか?」


この調教テイムだが、これは魔物にしか使えない闇属性の中級魔法だ。これの利点とすれば主の生命力を魔物に与えることができることだ。ちなみにもちろん主人の命令には絶対服従であるが。今、この場においてこれが一番の得策である。


体を突かれて怪我を負っているサミリアが生き残る最後の方法。


それはサミリアも分かっているの事だ。だからこそサミリアは返答する。


「この私が·····誰かに調教(テイム)される日が来るとは·····返事は分かりますよね? 御主人様」


そして、調教(テイム)の魔法が発動する。


「私、サミリアは黒井紫炎を主に認め、我が剣を主に捧げます」


魔法の発動が終了し、サミリアの手の甲に服従の紋章が出た。


こうして、ボス戦が幕を閉じた。

書き直しました。


戦闘シーンを書くの難しいですね。

なんかサクサク感が凄く感じるのですが·····


誤字脱字、日本語の不自然な部分があれば報告下さい

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