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6/12

隠された力の行方

 一晩布団の中で考えた。昨日のチート能力の件に関して、俺はまだあきらめ切れていない。


 ベストセラー作家になる能力……

 それは『あらすじ』だ、俺はきっと凄まじいあらすじが書けるようになっているのだ。

 神がかったかのようなあらすじの文章で、たくさんの読者を引きつけ心をわしづかみにして離さない。それが行く行くは書籍化に結びつくワケだ。

 作家というより、どちらかというとコピーライター寄りの能力かな。たぶんこの能力が大幅に上がっているはず。


 さっそく昨日書いた小説『ファンタスティック・ファンタスティック』のあらすじを書いてみるか。

 ……たのむ。俺にベストセラー作家への道は、これしか残されていないんだ。上手くなっていてくれ。


┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬


『ファンタスティック・ファンタスティック』


【あらすじ】

主人公、ア・バン・ギャルドが異世界で大活躍をするお話です。

主人公、ア・バン・ギャルドは凄いです。

主人公、ア・バン・ギャルドの格好良い姿をご覧下さい。


┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴



 なんだコレ、いままでの作品の中で一番酷いぞ……

 いや、ここからだ。もっと脚色をすれば見られるようになる。


┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬


『ファンタスティック・ファンタスティック』


【あらすじ】

主人公、ア・バン・ギャルドが異世界を股にかけ、大活躍をするお話です。

主人公、ア・バン・ギャルドは凄い攻撃力と防御力です。その数値はなんと9999。全てを壊し、全てを防ぎます。

主人公、ア・バン・ギャルドの世界で最も格好良い姿をご覧下さい。


┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴



 ああ、うん、酷いなコレ。自分でも酷いと自覚できるくらいダメだな。

 やはりアレは夢で、小説の腕を上げるには、コツコツと積み上げていくしか無いか……


 とりあえず公開の準備は整ったな。作品を公開しよう。ポチッと。


~ 第1話が公開されました ~


 ここからだ、たぶん俺のチート能力『ベストセラー作家』の能力が発揮されるのは。

 恐ろしいほどのアクセス数が来るハズだ。さっそくアクセス解析のページを見てみよう。

 アクセス数は…… 13件。うん普通だな。だがまだ投稿したばかり、チート能力の力はこれからだ。


 俺はこまめに、アクセス解析のページを更新して確認するのだが、アクセス数はまったく延びない。

 最初の1時間で17件。つぎの1時間で5件。あとは0や1という数字がならんでいる。


「寝よう」


 俺は布団に潜り込んだ…………




 油断したと見せかけて、布団の中からスマフォでアクセス数チェック!!

 ……2件しか増えてないや。もう本当に寝よう。やっぱり俺にはチート能力なんて無かったんだ。



 だが、ここからいつもの底辺作品とは違った流れが始まった。

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