気がつくと異世界?
気がつくと、俺は辺りが真っ白な不思議な空間にいた。
見渡す限り白い床が続き、雲一つ無い群青色に近い空が広がっている。
「なんだ、ここは。俺は死んだのか?」
そうつぶやくと、一人の女性が目の前に現れた。
その容姿は…… なんというか非常に女神っぽい女性が現れた。
こんな表現をしてしまうと、小説屋として読者には怒られそうだが、本当にそうなのだからしかたが無い。
古代ギリシア風の服を着ていて、なんと空中にふわふわと浮いている。これはもう女神としか表現できないだろう。
その女神っぽい女性は僕に優しくゆっくりと語りかけてきた。
「死んでしまうとは情けないですよ、あなたは勇者なのですから」
「勇者? 俺の事? 俺が勇者なの?」
「ええ、そうです」
「ところで、ここは何なんですか?」
「分りやすく言うなら『転生の間』とでも名付けましょうか。死んだ貴方が次の場所に行くための中継所のようなものですね」
「なるほど、あの、あなたは女神様なのですか」
「そうです。なろうの女神『ナーロウ』です」
「……ネーミングが安直すぎやしませんかね? ダサすぎでしょう」
「……転生ではなく、地獄へ行きますか」
「ごめんなさい。すいませんでした。素敵な名前だと思います」
「わかればよろしい」
「ところで俺は、転生する時に何か特別なチート能力とかもらえたりするんですか?」
「よほど無理のないものであれば、あなたの意見どおりの能力を授けます。あなたは特別な存在なのですから」
「やった。ところでなんで特別なんです?」
「あなたの保存した作品が、我がなろうサイトの記念すべき100万目の作品なのでスペシャル特別待遇です」
「……あ、はい」
何かおかしな世界に入り込んでしまった。俺は死んでしまって転生をするらしい。