第七話 クイサは信者
~~~~~レックス視点~~~~~
俺は今、フレア君の後を付けている。
自分は昔から、周りの人から隠れる事が得意だ。
時には隣に居たのに気付かれなかった事があるぐらいだ。
『天才』の中でもかなり稀にその人限定の能力があるらしいが多分それだ。
それのお陰で暗殺なども楽なのだ。
その能力を買われてリーリア様に雇われた。
フレア君には家の護衛として雇われたと言ったがね。
でも実力も王宮騎士ぐらいあるので嘘は言っていない。
今はリーリア様に頼まれてフレアの後を付けている。
服を買ってはいたが何故か女物の物を買ってから自分の奴を買っていた。
しかも自分の奴に至っては黒に黒とかなり怪しかった。
(実力はあるけどセンスはないなぁ)
その後は裏路地に行っていた。
時々道を唐突に変えて動いたりしていた。
(まさか気付いたのか?)
「さっきからうしろを付けてる人はだれだ?」
「(バレた!?)」
「バレてるんだよ」
「チッ」
まさかバレるとは思ってなかった。
バレたら戻れと言われているが、まさかバレるとは思ってなかった。
家に戻ってきた。
「クイサ、頼むぞ?」
「分かってます」
「OK」
ガチャ
「お帰りなさいませフレアさ..ま?」
「ただいま」
「えっと..隣の御方は?」
「拾った、今からお母様に言ってくるから連絡を頼めるかい?」
「は、はい」
取り敢えず家に入るのは成功だ。
次は許可だな、取れるかな? さて、行くか!
コンコン
「フレアです」
「入りなさい」
ガチャ
「この人の事でお願いがあります」
「聞くわ」
「自分の専属として雇えませんかね? そこまで給料は要らないらしいです」
「なんでか聞いてかいいかしら?」
「自分が気に入ったからです」
「貴方はそれでいいの」
「構いません」
「そう、ならいいわ」
「有難う御座います」
「それ以外の用事はないかしら?」
「はい では失礼致します」
ガチャ
何とかなって良かったぁ。
「良かったですね、マスター」
「あぁ」
「これからどう致しますか?」
「決めてないなぁ まぁ適当にいこうか」
「了解しました、マスター」
~~~~~リーリア視点~~~~~
「まさか自分の専属を雇ってくるとは..」
「レックス、裏路地で見つかるまでは居なかったのよね?」
「はい、見つかるとは思ってませんでしたが」
「て、事は、裏路地にあんな美人が居たのかしら」
「信じがたいですがそうですね」
「女物の服を買ってたのも以前に合っていたからかしらね?」
「そうじゃないんですかね?」
「なんかまだ隠してそうねぇ」
「何者なんですかね、フレア君は」
「少なくとも勇者では無いわね」
「ハハハ、あれで勇者じゃないってことは魔王ですかね?」
「ないわね」
「ですね」
部屋に戻ってきたぞ
「さてクイサ、聞きたいことがあるんだが」
「何でしょうか?」
「Q&Aの時に何も答えが出なかった物って何なんだ?」
「私も存じません、多分規制がかかってる物だと思われます」
「このスマホって見えるのか?」
「見えます」
「ステータスって見ていいか?」
「はい」
クイサ LV1
HP 800 MP 1000
STR 100 VIT 100 DEX 100
AGI 100 INT 900 LUC 0
次のレベルまで後10EXP
スキル
掃除LV10 神剣鍛治LV10 錬金術LV10 奴隷術 説得術(洗脳術)LV10
アビリティ
HP自動回復 MP自動回復 メイド 機械 均等 鍛治屋 錬金術師 信者
称号
化け物のメイド 化け物の信者 化け物
あれぇ?可笑しいなぁ?
「クイサ、お前ってステータス見える?」
「はい」
「この信者って何だ?」
「」
「おい?」
「何の事でしょうか?」
「聞いてるんだが?」
「ノーコメントでお願いします」
「えぇ...まぁいいや これからよろしくな?」
「よろしくお願いします、マスター」
今は食事中だ。
クイサは今メイドさんに、というかニアさんに連れていかれている。
ニアさんは、家のメイドのメイド長の役割を任されてるベテランメイドだ。
(なんか変わってなきゃいいけど)
「フレア、お前美人を拾ってきたってマジか?」
「マジですよ、自分が気になって声をかけたら、仕事に困ってたそうなので紹介しました」
「流石お兄様ですわ!」
「それで自分の専属にするのか...羨ましいな!」
「アクア、見苦しいわよ」
「すいませんお母様」
「ハハハ」
口を尖らせて嫉妬に燃えるアクアと、
それを見て困ったような顔のリーリアと、
そして取り敢えず褒めるルナ。
そんな三人をドヤ顔で見てるフレア。
四人はとても楽しく談笑していた。
そして、四人揃って同じ事を思っていた。
((((お父様がここに居たらなぁ))))
そろって皆顔には出さなかったが心は少し、悲しくなった。
読んで頂き有難う御座います