第三話 魔王と端末アップデート
なんだか、お母様と話をした後の兄さんの様子が可笑しい。
なんというか、上の空で、話を聞いてるのか聞いてないのか分からない感じだ。
それに、此処んところお父様が帰ってきてない、それと関係あるのだろうか?
後でお母様にでも聞いてみるか。
ある日、お兄様と街に買い物に来ている、街の様子もなんだか寂しい、まだまだ人はいるのだか少し少なくなってきている。
歩く人が談笑してるのを耳にいれた
「魔王が復活したってマジ?」
「マジらしいぜ、今耐魔軍が結成されてるってよ」
「マジ?もしかして俺達も徴兵されるかも?」
「いや、今は軍関係者と冒険者で結成されているから大丈夫そうだぜ」
「お、ラッキー」
「冒険者とかも可哀想だよなぁ、自由の職業に就いたハズなのに、軍に縛られるなんてさ」
「そうだよなぁ」
――――――え?
魔王が復活?軍関係者?耐魔軍?
もしかして、最近、お父様が来ないのもそれのせいか?
兄さんが上の空なのは、先にそれを聞いていたからか?
後で問い詰めないと
コンコン
「お母様、聞きたいことがあります」
「?いいわ、入りなさい」
「はい、失礼します」
ガチャ
「それで?何の用かしら?」
「単刀直入に聞きます 魔王が復活したってのは本当の事ですか?」
「?!」
「それに、耐魔軍が結成されたってのも本当ですか?」
「・・・」
「それに、お父様は徴兵されたのでしょうか?」
「・・・」
「沈黙は肯定と思ってもよろしいでしょうか?」
「・・・」
「何故自分には言ってくれなかったんでしょうか? そんなにまだ自分は情けないでしょうか?」
「・・・」
「もういいです、ありがとうございました」
ガチャ
「まって―――」
「失礼しました」
ガチャン
「こんなの...どう答えればいいのよ...」
あの人達が言ってた事は本当だった。
どうすれば、お父様は帰ってくるのだろうか?魔王でも倒せばいいのか?
一体どうすれば...
~~~~~~メイド視点~~~~~
「フレア様が部屋から出てこないんですが、リーリア様、フレア様に何かありましたか?」
「ジョセフの事がフレアにバレたわ」
「なんですって?」
「あの子に聞かれた時、一体どう答えれば良かったのでしょうか?」
「・・・」
「あの子、ジョセフが死んだ時、耐えれるのでしょうか」
「・・・」
「これからあの子にどう向き合えばいいのか...私、分かりませんの」
「正直に話し合っては宜しいのではないのでしょうか」
「正直に話した所で分かって貰えるかしら?...」
「フレア様は、リーリア様が思ってる以上に優秀です、国語、数学、歴史、剣術、全部取っても普通の子供以上です」
「それは私も分かっているわ」
「それに」
「?」
「剣術に関しては、隠しているようですが、アクア様よりも上手いです もしかしたら、ジョセフ様よりも上かもしれません」
「何ですって?」
「昔からそうです、何かをフレア様は隠されているのです」
「昔から?」
「ええ、昔からです 生まれてからずっと自分の力や知識を、'並の人'と一緒にしようとしています」
「そんなまさか」
「ええ、そういう所は、伝説の勇者様と一緒なのです もしかしたら、フレア様は伝説の勇者の再来って事なのでしょうかね?」
「そんな!ジョセフに加えてフレアまで連れていかれるなんて、私耐えられない!」
「そう思うなら、正直に話し、正直に聞けば良いのです そうすれば、フレア様も心を開いてくれることでしょう」
(これで仲が良くなれば良いのですが...)
一方その頃
部屋に帰って来た。
魔王を倒す方法があれば俺が倒そうと思う。
自分は、並の大人にはステータスでは負ける気が全くしない。
だが、魔王に関しては通用するのか?
どうすれば...
ピコン
何だ?スマホが勝手に出てきたぞ?
『G端末アップデートを開始します』
「?」
『...G端末アップデートが終わりました』
「早!?」
『G端末アップデートの結果により以下の機能が解放されました
・ステータス確認機能の向上
・Q&A機能
・スキルツリー機能
・コピー&ペースト機能
・記憶
以上です。』
えぇぇぇぇぇぇぇ?急に来て急に終わったぞ!?
G端末アップデートのGってなんだよ!?
ステータス確認の機能向上ってどういうことだよ!?
Q&Aって何!?
スキルツリーって何!?
コピー&ペーストって何!?
記憶って何!?
そう、フレアが外へ出なかった理由は別に魔王関係の事で凹んだ訳じゃない。
スマホのアップデートに頭が追い付かず、他の事に頭が回らなかったからなのだ。
ふぅ、落ち着いた。
取り敢えずステータス確認機能から試すことにしよう。
久しぶりにステータス見るなぁっと
フレア・ロードスター LV1
HP 3000 MP 5000
STR 900 VIT 1240 DEX 1900
AGI 4500 INT 1500 LUC 1200
次のLVまで20EXP
SP 1670 OMSP 600
スキル
物術6/30 拳術0/30 五属術0/50 神聖術0/50 耐神20/1000
アビリティ
HP自動回復 MP自動回復2 武術の才能 魔術の才能 勇者の卵 魔王の卵 幸運男
称号
転生者 天才児 勇者になれる者 魔王になれる者 記憶喪失者 原神、邪神の加護を受けし者 化け物
あれぇぇぇ?おかしいぞ?なんでこんな事に!?
確かに鍛えたり勉強したけどこんなになるまでやった覚えないぞ?
称号可笑しすぎだろ?天才児に勇者に魔王?それに加えて神の加護に化け物とは...
いや、まぁそうだけどさぁ化け物は酷いでしょ!
ふぅ考えないようにしよう。
次はQ&Aか、
「アプリのQ&Aっと」
『Q&A機能です、ご質問を』
思ってたより普通だったな。
じゃあ質問しようかな、
『自分のステータスが高い理由』
『元々の加護と、アビリティを確認したことによる上昇効果です』
アビリティを確認したことによる上昇効果?どういうことだ?
『アビリティ』
『アビリティとは、普通の人には見えない物で、勇者や魔王が、《ステータス》と念じる事によって見れる物です。 効果はアビリティそれぞれで、フレア様だと武術の才能で身体関係のステータス上昇、などです』
なるほどなぁ。
あ、そうだ、他の奴の機能の事も調べるか
『スキルツリー』
『SPを使用し今持ってるスキルの熟練土を上げ次のスキルに格上げします。努力でしか取れないスキルをSPを支払うだけで手に入れる事が出来ます。尚、個別スキルは現在不可』
すごいなぁー。
『コピー&ペースト』
『ステータス確認した相手のスキル.ステータスをコピーして自分にペースト出来ます。尚自分のスキルより格下のスキルの場合は特に何も怒らず、同レベルなら自分のスキルの熟練土にコピーしたスキルの熟練土が入ります。』
思ってたよりチートだった。
これを使えば魔王に勝てるかもしれないぞ?聞いてみるか?
『魔王に勝てる可能性』
『魔王に勝つには勇者の卵スキルを勇者に上げないと勝てないため不可。尚、レベルが60を越えればステータスのみで勝てる可能性があります。』
やっぱりか...勇者がある時点でそんな感じはしてたが
『勇者になるためには』
『勇者になるためには、神殿の巫女が神から選ばれた者を教えられ、ある儀式をすると、卵が開花します。尚、フレア様が神から選ばれる可能性は1%です。』
―――――――え?なんで
『何故勇者に選ばれない?』
『その情報は解放されていません』
何でだ?何で?何故自分が選ばれる可能性が全然無いんだ?勇者の卵のスキルを持っているのに...
ふぅぅ どうしてなのかは気になるが次の奴に行こう。
『記憶について』
『』
何も書かれない?...どういうことだ?
まぁいいや、見れば分かるか
記憶アプリっと
ポチ
「ガアッ?!」
頭が、頭がァァァァァ
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛i
~~~~~メイド視点~~~~~
「フレア様、リーリア様がお呼びです」
...
「フレア様?」
(何の反応もない?)
「フレア様、失礼致します」
ガチャ
「! フレア様?!」
そこには気絶したフレアが居た
「脈は?! あ、ありました」
「取り敢えずリーリア様に報告して~~~」
~~~~~フレア視点~~~~~
「いっつつ、ここは?」
何だが暗い場所だな
「あれ?ここ何処かで見た気が――!?」
死にかけの人と包丁を持ってる奴が居る?!
隠れなきゃ
「おい!てめぇ!何でこんな事を!」
ん?あれは...俺...か?なんで殺されかけてんだ?
「**!お前が悪いんだよ!」
「何がだよ!」
「**が原因で――――ことになっち―――」
「お――だっ―て――――だろ!」
「し―――から――は――――い」
「ぜ――――――――――――い!」
「―――――――――め」
ん?俺の名前の所(?)だけ雑音が聞こえるのと最後辺りだけ声だけ聞こえなかったぞ?どうなってんd
またあ、たまがいた、く
ハッここは?
「起きましたか?フレア様」
うぇ?
「あれ?ここ何処ですか?」
「対処室ですよフレア様、私めが部屋に入った時に気絶していたため私めが運びました」
「あ、あぁありがとう」
「滅相もございません」
あれは...俺の記憶か?
実は割りと勇者の卵を持ってる人は多いです
その中から良い行いをしてて、能力が高い人が選ばれます