第二十九話 喪失
あり?俺何考えてたってけ?
まぁいいか、どうでもいいだろう。
「フレア様?大丈夫ですか?」
「お、おい?フレア...?」
「大丈夫?フレア君」
急に立ち止まったから驚かれたみたいだ。
「あぁ、いや、何でもないよ、行こうか」
無難に返事をしておいか、が
「「「!?」」」
驚かれた?何でだ...
「何で驚いてるんだ?てか、何で脳筋は、俺の事を名前で呼んでるんだ?どういう心境の変化だ?」
「お、お前?何で敬語なんだ...まさか!?偽物か!」
「フレア君が戻ったぁぁぁぁぁ!」
「フレア様、体調などで悪いところはありませんか?」
え?どういうことだ?
「何でそんな心配してるんだ?'王に呼ばれてそのまま話をして帰ってきただけ'だろ?」
「はい?」「は?」「何を言ってるんだい?」
「フレア君、それは少しおかしいよ?私達は、王に呼ばれて、犯罪者呼ばわりされて牢屋に入れられて、そこでこの脳筋に出会って、君が瞬間移動...?で移動して王に直訴して、そのまま帰ってきてる最中だよ?」
「はい?何を言ってるんですか?」
「もしかして、フレア様先程の記憶が無いのですか?」
「え?」
「俺が誰だか分かるか?」
「脳筋だろ?先代勇者の名前はルート・フォン・アインシェペリ」
「そうだがなぁ...」
「何時この人に出会ったか覚えてるかな?」
「牢屋でだが?」
「じゃあ何で牢屋に言ったと思ってる?」
「は?何でってそりゃ」
何でだ?何で牢屋に行ってるんだ?あれ?会話の記憶も全然ないぞ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?あれ?
「ひっ!う、ウワァァァァァァァァ!?」
「おい!フレア!?」
「フレア君?!」
「フレア様!」
そのまま俺は気を失った。
―――――???―――――
「あぁ...やっぱりフレア君の記憶は壊れちゃったじゃん、だから変に消さない方が良いって言ったのに」
「だからと言ってあの状態で転生させるのは無理だぞ!」
「はぁぁ...地球の魔術師も厄介な事をしてくれたねぇ...」
「しょうがないだろうな、彼等には我々の事情など分かるはずもない」
「記憶を無くすためには必要な経費だったけど、もうかなりあれのせいで強くなっちゃってるよねぇ...」
「フレアの記憶をまた消してやるか?」
「同じ事の繰り返しだろうねぇ...」
「じゃあどうすれば良いのだ...」
「もういっそ戻しちゃう?」
「だがなぁ」
「取り敢えずは、アプリを一回アップデートしておこうか」
「そうだな、変に一気に戻されるよりは、チマチマと進めた方が良いだろうな」
「後は、向こうの人が変に関わらない事を祈ろうか」
「そうだな」
ん?あれ、俺何時の間に寝てたっけ...分からん...
寝る前は...何してたんだろうか?まぁいいや
「ふぁぁぁぁ」
もう昼頃っぽい、長期休みのお陰でここまで寝ててもあまり何も言われないのは良かったと思う。
「あ、フレア様、身体の調子はどうですか?」
「ん、普通だが?」
「ええっと気絶した直後の記憶はございますか?」
「そもそも、俺ってサヤカと一緒に山から城に向かうまでの記憶しかないんだが、俺って何してたの?」
その発言をしたあとに、何故かクイサが顔を少し下げる...何故だ?
「大丈夫か?」
「いえ、フレア様は特には何もしてませんよ、至って普通でした」
「そうか?なら良かった」
まぁ聞くほどの事じゃないだろう。
あれ?良く見たら記憶アプリがアップデート出来るぞ?しとくか。
「クイサ、もしかしたらまた気絶するかも知れないから、その時は頼むぞ」
「はい?」
記憶アプリ...ポチッとな
案の定俺は気絶した。痛かった。
記憶の境目が曖昧になると、記憶が自分の性格を変えないようにと、一定期間の記憶喪失が発症します。
ルートとの喧嘩によって、前世の闘争本能が指摘され、そこで少し記憶の境目が曖昧になります。性格も少しここで、好戦的に変わります。
その時に、前世の裏切りという部分が表面に現れてませんが発現。
宰相の発言(描写なし)によって、裏切りに対する極度の嫌悪が現れ、性格の変化を恐れ、そこを記憶が改竄する。
そこを指摘され、記憶の矛盾に気付いた主人公が、思考の停止により、気絶。
記憶が諦めて、そのまま記憶を無くすという手段になる。
主人公の記憶は、少しの意思を持ちます。




