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第二十九話 脱走

 取り敢えず殴ろう、俺を馬鹿にしたから殴ろう。

 いや、自分が悪いんだが、こいつに馬鹿にされるのは凄い癪。


「絶対殴るわ」

「お?殴れるもんならやってみろや」


 無言で『魔弾』の発動をする。

 流石に魔法の耐性は無かったようですぐに牢屋は壊れた。


「ハァァァァァ?なんでお前魔術使えんだ!?」

「そりゃ、お前が武術の天才なら俺は魔術の天才だからな」


 嘘は言っていない。魔術の天才は本当だからな、使ったのが魔法なだけで。


「形勢逆転だな?跪いて俺にさっきの無礼を詫びたらここから出してやっていいぜ?」

「お?んだと?俺が手ぇ出せないだけで調子づくんじゃねぇぞ、魔術師様?」

「おぉそうか、そうか、殺されたいのか?」

「ははは...出来るもんならな」


 最後に少し威圧してきたが俺がその程度で怯えるわけが無い。


「おい、魔術師様?」

「名前名乗っただろ、糞脳筋、フレア様と呼べ」

「こっちこそ名乗っただろ?様付けすんのはお前だ」

「んだと?」

「あぁ!?」


 何だこいつ!無茶苦茶ウザイぞ!?

 あぁもうやだ、なんか相手にすんのも嫌になってきたわ...


「で、魔術師」

「なんだ、脳筋」

「お前の後ろに居る奴に気付けてないのか?」

「は?」


「フレア君...折角助けに来たのに...何でもう抜け出してんの...」

 

 サヤカだった


「どうした?お前の罪は全部俺に擦り付ければ良かったのに」

「いや、君も私も処刑だよ」

「は?」


 どういうこっちゃ


「おい、魔術師」

「なんだ脳筋」

「俺も手伝う、出せ」

「あ?」


「おいサヤカ」

「あれ?君ここに居たの?てっきり死んでるのかと」

「お前も俺も死なないだろうが」

「まぁそうだね」

「お前とそこの魔術師の処刑は糞貴族共の策略か?」

「そうだよ」

「なら俺も手伝う、出せ」


「サヤカと知り合いなら別に良いんだが、何故知り合いなんだ?」

「出したら話してやる」

「お前ふてぶてしいって言われたことあるだろ」

「お前こそ言われてると思ってたんだがな」


 魔弾を発動し脳筋を出してやった。


「感謝しろよ」

「お前こそ俺に感謝しろよ?この俺様が手伝ってやるんだからな」

「んだと!?」

「あ?やんのか!」


 こんな奴助ける必要無しだろうにまったく...


「君達、仲良い事はいいけ」

「「仲良くない!」」

「はぁ...まぁいいけどさ、取り敢えずフレア君の家族奪還から始めるよ」

「え?」

「いや、今回の処刑を推し進めたのは、勇者を自分の領地に抱え込んで起きたいから、家族を人質に取ろうって勝手に始めた貴族のせいなんだよね」

「あぁそうか」


 裏切るかも知れないより、裏切らないの方が良いもんな、方法は駄目だが。

 クイサは助けて置くか...クイサアプリに一旦収納してっと、で、クイサアプリポチっとな


「フレア様!お怪我は無いでしょうか?」

「あぁ、大丈夫だ、家族の状態は?」

「部屋の外装はいいのですが、半ば監禁見たいな状態でした」

「ご苦労、じゃあ行くか」


「おい、魔術師、何をした?唐突にこいつが出てきたんだが?てか誰だ」

「フレア君?転移属性なんて持ってなかったよね?てか、クイサ君も持ってないよね?」


 あぁ...こいつら居たな


「詳しい話は後で良いだろ、じゃあ行くか...王の所へ」

「へ?」

「あ?」


 クイサをアプリに入れ、脳筋とサヤカの手を取り瞬間移動を発動。場所は謁見の間。





 ここは謁見の間、王が悩ましく色々考えている場所である。


「宰相、流石にサヤカとフレアを問答無用で処刑は良くないのではないのか?」

「いいえ、王、サヤカ様はそもそも死にません。フレアは今後の危険因子のため、今すぐ処刑すべきです」

「いや、まぁそうなのじゃがなぁ...勇者が何と言うか...」

「今は、腐った貴族が家族を人質に取りました」

「そんなの聞いておらんぞ!?」

「私も先程聞いたばかりです...この国の上層部は、何でこうも腐ったばかりなのでしょうね?」

「分かったら苦労しないわい」


 頭を抱えながら、今後の事を考え、思考を進める王。

 そこに、本当に一瞬でやって来た集団が目に入った。


「今更敬語なんていいよな、王」


 そう、フレアである


「フレア君...この脳筋と出会ってから君の性格も変わってない?」

「お前も俺の事を脳筋呼ばわりするんじゃねぇ!...てか、さっきの女居なくね?」


 続いて、喋り始めたのはサヤカとルートである。


「「え?」」


 王と、宰相の声が被る。


「王様?是非とも、自分の家族を解放していただけますか?...しないと殺すぞ?」


 最初は優しく笑みを浮かべ喋りかけていたフレア。最後の小声の言葉は、小声であるはずなのに、声を聞き駆け付けた兵士や、ここに居る全員を震え上がらせた。ある一人を除いて


「おい、魔術師、お前も中々良い声出せるじゃねぇか!ハッハッハッ」


 そう、ルート(脳筋)だ。



 急ピッチで腐った貴族を止めに掛かる宰相、兵士は流石ベテランなのか、すぐに王の前に集まり、壁を作る。


「んじゃ、な...次こっちに手ぇ出したら地獄すら生ぬるい拷問に掛けてやるからな?」


 最後に置き土産を置いていき、謁見の間からさる、フレア一行。(さりげなく途中でクイサを呼び出していた)

 それを見ていた王様と宰相は、流石に無礼と捕らえる事も、今後に手を出そうとも思えなかったのである。





 謁見の間から出る俺達。


「フレア君...君の性格ってこんなんだったかなぁ...」

「いいぞ、魔術師!お前もやれば出来るじゃねぇか!」

「脳筋様、フレア様に今は喋りかけない方が言いかと」

「俺は脳筋って名前じゃねぇ!ルー」


 ルートが自分の名前を言おうとするその時。


「うっせぇぞッ!」


 フレアが声を出す。


「お、おい?フレア様?」


 この時ばかりは命の危機を感じ、本能がフレアを様付けした。

 その後は何も話さなかったフレア、そのまま一行はフレア一家の所へ向かう。




 無茶苦茶イライラする。

 何が腐った貴族共がやったこと、自分は何も干渉してない、だ。これだから上層部は嫌なんだ、危ない目にあったら、すぐ尻尾切り、何回俺が助けてやったと思ってんだ。

 どの国も、どの世界も、すぐに上層部は裏切る。されるのは言語道断だが、見るのも嫌だ。しょうがないから許したが本当は許してやりたくねぇ。

 別に俺が裏切られた訳じゃない、だけど、何故か'経験として'俺の記憶の中には裏切られたという事実が残っている。何故あの糞どもはこの記憶を消さなかったんだ、今頃俺は....

 あぁもう、イライラする。

 

今回のフレアは、喧嘩によって記憶の無くした部分と残った部分が曖昧になり、そのせいで、言動が少しおかしくなっています。


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