青買い少年
詩二作目。
残酷と言うほど酷い描写はしていないつもりですが、読む際は気をつけてください。
ちょっとその青い薔薇をくださいな。
少年はそう言って光る銅貨を差し出した。
ちょっとその青い椅子をくださいな。
少年はそう言って光る銀貨を差し出した。
ちょっとその青い馬車をくださいな。
少年はそう言って光る金貨を差し出した。
ちょっとその青い鳥をくださいな。
少年はそう言って薄い紙幣を差し出した。
ちょっとその青い家屋をくださいな。
少年はそう言って厚い紙幣を差し出した。
ちょっとその青いお城をくださいな。
少年はそう言って山の紙幣を差し出した。
ちょっとその青い目玉をくださいな。
少年はそう言って己の眼球を差し出した。
ちょっとその青い髪をくださいな。
少年はそう言って己の白髪を差し出した。
ちょっとその青い顔をくださいな。
少年はそう言って己の顔を
ちょっとその青い足と腕をくださいな。
少年はそう言って己の四肢を
ちょっとその青いそれを、
少年は笑顔で己の胸に手を突き刺して
これと交換してくださいな。
それはそれは、とても赤い色でした。
「馬鹿な噺だ」
痛い。