名探偵の秘密
「犯人はあなたです!」
探偵である僕は、ビシッと部屋にいる数人の中から犯人を指さした。
「ど、どうしてわかった!」
犯人は慌てたように逃げだそうとした。が、僕は逃がさない。素早く犯人を捕まえると、その場にいた警察官に引き渡す。
「今回もご協力ありがとうございました」
「いえいえ、僕でよかったらいつでも力を貸します。また連絡して下さい」
警察官に言われて僕は朗らかに笑った。
今日も事件を解決した。が、僕の活躍はいつも報道されない。公には出来ない事件だからだ。それでもいい。陰で人の役にたっているのなら、満足だ。
◇ ◇ ◇
「お疲れ様でした」
探偵と別れた後で、警察官は犯人の拘束を解いた。
「こちらこそ。いやぁ、私は犯人役の設定じゃなかったので驚きましたよ」
犯人にされた人は困ったように苦笑いした。
「犯人役は全く別の人でしたからね。坊ちゃんの推理は、いつも外れるのでトリックの考え甲斐がないんです。本物の探偵は出来そうにありませんよ。ただ、どうしても名探偵になりたかったようで、こうしていつも旦那様にお芝居をするように頼まれているんです」
「そうでしたか。いつも大変ですね」
今回の犯人に同情されて、今度は警察官役が苦笑いした。




