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プロローグ
ああ――。
あの、ゆったりと夜空に飛ぶ影は、鳥では無い。
あんなに大きな鳥がいるわけが無い。
その姿は、腕の代わりに羽の生えた人間のように見えた。
だから――。
多分そうなのだろう。
町の至る所から、悲鳴と人ならざるモノ達の笑い声が聞こえる。
「アイツがやったんだ」
痩せっぽちな少女が走りながら呟く。
「信じてたのに」
涙が溢れてくる。
信じていたのに――。信じていたのに――。信じて――。
心の中で、何度もそう呟いた。
少女は、走らなくては成らなかった。
伝えなくては成らない。
何が起こっているのか。
何が起こったのか!
唯一、この事態を鎮められるあの人達の基へ!




