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四葉と双葉に友情を  作者: 榊みつば
1章 距離
9/13

9、ひとつずつ

パソコンで義足や義手について

調べてわかったこと

ひとつは、重さは大きさやものによって変わる

次に、軽いからいいという訳でもない

そして、私が1番驚いたことは値段

平均的に40万はするらしい

高機能をつけると安くて100万……

画面を見るのが嫌になった

私にそんなお金はない

メイドの給料はすごくいい訳でも無く

ごくごく一般的な値段だ

それに、住み込みで働いていることもあり

ちょっと低い

まぁ、あの奥様だからということもある

基本的に使用人の給料は奥様が

決めているらしく

私は、あの食事会の件もあり

少し減給された

給料を渡された時の

奥様の冷たい目が今でも忘れられない……

なら、今は義足のことは深く

考えない方がいいのかもれない

じゃあ、今できることは


ん?日帰り温泉?

温泉か……

いや、温泉は無理かも

なら、日帰りで遊びに行けるところ

近場で行けるところ

1日中遊べるところ

話題が作りやすいところ


そんな条件で調べた結果

まぁ、ないですよねぇ

知ってましたよ

特に話題が作りやすいが少ない

仕方ないから条件減らすしかないのか

でも、減らしたくない

どうしよう〜


あ、鎌倉

そうだよ!鎌倉に行こう!

そうすれば食べ歩きできるし

江ノ島にも行ける

それに、鎌倉のカレーパン好きなんだよねぇ

何かお揃いの物買ってもいいかも!

よし!そうと決まれば

いつ行こうかな


そういえば、お嬢様は

学校に行っているのかな

今まで一度も疑問に思わなかった

よく考えればおかしい

お嬢様は、14歳だ

学校に通う年齢

しかも、中学生で3年生

受験生なんじゃ

いや、でも見たことない

お嬢様が学校に行くところも

制服を着ているところも

なんなら、制服すら見たことない

もしかしたら、家庭教師を雇っている

かもしれないが

それか、不登校


交流会の時の様子じゃ

不登校になってもおかしくない

とにかく、学校に通っていても

通っていなくても

土日の方がいいのかな

でも、そうすると

車椅子で移動するのが大変になる

お嬢様の負担にもなるかも

土日は人が多い

広い道も狭くなる


平日でも平気なのか

ことねさんに聞いてみよう


「お出かけ?」

「はい、お嬢様と鎌倉に行こうかと」

「まぁ!鎌倉いいじゃない!

でも、どうして急に?」

「それが……」

「なるほど、義足の値段が高くて

今は無理だからお出かけ作戦ね」

「作戦ってほどでは

それで、やっぱり土日の方がいいでしょうか」

「平日の方がいいわ」

「そうなんですか?」

「えぇ、叶恵お嬢様は学校に

通っていないからね」


やっぱりそうだったんだ

だから、ずっと屋敷の中に


「家庭教師を雇っているんですか?」

「うーん、家庭教師って言い方も

合ってるのかしらね」

「どういうことですか?」

「使用人の中に1人担当者がいるのよ」

「お嬢様に勉強を教える担当ですか?」

「えぇ、毎週土日にね」


今考えると土日

お嬢様が部屋から出てこない時もあった

私は、誰にも会いたくないから

出てこないと思っていたが

実際は、勉強をしていたと知った


「勉強は、国語とかですか?」

「えぇ、そうね」

「そうなんですね」

「どうしたの?そんなこと聞いて」

「あ、えっと」


なぜ、勉強内容を聞いたのか

私にもよくわからなかった

ただ、他の同い年の子と

同じように過ごせているのか

勉強できているのかを知りたかった


その後すぐにことねさんと別れた

今日は、忙しそうだった

なのに、私のために話をしてくれた

ことねさんは、ほんとにいい人なんだと思った


私は、そのまま部屋に戻った

ここで、ひとつ問題なのが

お嬢様が一緒に出かけてくれるかどうか

少し心を開いてくれたとはいえ

仲良しな友達にも

親友にもなったわけじゃない

ただ、少し話してくれるようになっただけ

私が「鎌倉に行きましょー」なんて言っても

いやと言われる未来が見える


はぁ……鎌倉に行くって決めて

土日がいいのか聞いて

でも、全部一人で決めてる

お嬢様に言えてない

なんて言って誘えばいいのか

全く考えてなかった

なんで、一人で盛り上がってるんだろう

この性格直したい


私は、楽しくなると

一人で盛り上がってみんなを置いていく

食事会の前日だって当日だってそうだ

一人で行動して失敗して

昔から変わらない

だから、みんなに嫌われて

みんなが私から離れて

気づいたら1人になっていた

だから、私はメイドになった

メイドになれば

人間関係は簡単に作れた

友達じゃなくていい

先輩・後輩、主人・従者

としての関係だけでいい

無理に話さなくても良かった

だから、気が楽だった


でも、ここに来てから

なんだか気持ちが変わった

今なら、話したい

もっと距離を縮めたい

そう思うようになった

この変化がいい方向に行けばいいな

もう、あの時の

みんなが離れていくのを見たくない


……こんな気持ちになっててもダメ

昔のようにならないためには

ちゃんと相手と一緒に進めればいいだけ

なら、今やるべきことは

まずは、お嬢様に鎌倉に行きませんかと言う

それで、もしいいよと言われたら

色々と決める

こうやって、丁寧に

ひとつずつこなしていけばいい

焦らなければ失敗しないことを

私は、もう知っているから

そう考えたら

少し、自信が出てきた気がした

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