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四葉と双葉に友情を  作者: 榊みつば
1章 距離
12/12

12、始まりの切符

「七海ー!行きましょー」

「待ってくださーい」


今日は、鎌倉に行く日

お嬢様がすごく楽しそうで良かった


「七海、大変ね」

「あ、ことねさん」

「朝も大変だったのでしょう」

「えぇ、まぁ」


朝、何があったのかと言うと

準備も前日に全て終わらせ

朝のんびりできるようにしていた私

仕事もなく出発も遅めだったので

いつもより長めに寝ていた私

そこに現れたのは

目を輝かせたお嬢様だった

私は、ぐっすり夢の中にいて

お嬢様に気づかなかった

そして、突然静かな朝は終わった


「七海!起きてー!」

ドーン!

「ぐわっ!」

「七海、七海鎌倉行くわよ」

「お、お嬢様……」

「ほら、早く起きて」

「あの、起きましたから

上に飛び乗らないでください」

「えぇ、なんでよ」

「そこ、私のお腹があります

痛いです」

「あら、ごめんね」

「今、何時ですか?」

「8時よ」

「……早くないですか?」

「そう?」

「電車11時ですよ」

「そうね、でも駅弁食べれる」

「食べ歩きですよ今日」

「あら、そうだった

まぁ、量を少なくすれば」

「そもそも、駅弁食べる時間ないです」

「え……」

「それほど遠くないので」

「むー、嫌だ嫌だ嫌だ!」

「わぁー!私の上で暴れないでください!」


ということがあったのだ

私は、普段6時に起きているから

いつもより起きるのは遅めだけど

出来れば、もう少し寝たかった

この話を聞いている時

ことねさんはずっと笑っていた

今も笑っている


「そんなに面白いですか?」

「あはは、最高よ」

「なら、良かったですけど」

「あら、納得してないみたいね

不機嫌ちゃんかしら?」

「ことねさんってそんなキャラでしたっけ?」

「この人結構変わるわ」

「あ、弥生さん

ことねさんってギャップがありますね」

「最初は、そう思うかもしれないわ」

「弥生さんはいつも見ているのですか?」

「最近は、よく変わる」

「そうなんですね」

「さ、そろそろ時間でしょ

楽しんできなさい」

「はい!」


屋敷を出てしばらく歩いた

駅までは少し距離がある

車椅子を押している時

私は、考えていた

お嬢様の車椅子は電動だ

なのに、最近は押してと言ってくる

私は、直接聞いてみた

すると、少し間が空いてから

「嫌だった?」と返ってきた

私は、咄嗟に否定し

気になっただけだと伝えた

すると、少し安心したように見えた

そして、すぐに話してくれた


「電動だとね上手く通れないこともあるの

こう、人と人のあいだって

車椅子通れないでしょ」

「そうですね」

「電動でも小回りは聞くけど

スピードとかは出ないから

早く進んであげたいけどできないから」

「それで、押して欲しいのですね」

「そうね、それに」

「はい」

「七海なら安心できるから」


お嬢様がなぜ

そう言ったのか私には分からなかった

そんな、私の気持ちを察したのか

お嬢様は、少し笑ってから話した


「七海の雰囲気よきっと」

「私の雰囲気ですか?」

「えぇ、あなたは最初から

包み込むような雰囲気でいたから」

「そうなんですか」

「うん、最初は小さかったけど

今は、大きい」


自分では全く気づかなかった

まぁ、それもそうなのだろうけど

この時私は思い出した

昔1度だけ言われたことがある

誰から言われたのかは覚えてないけど

不思議な雰囲気だねと

包み込んでくれるみたいだと言われた

もし、その雰囲気が本当にあるのなら

嬉しいことだと思った


そんな会話をしていると

駅のすぐそばまで来ていた

さて、ここからが問題

まずは、駅員さんに伝えなくては

ただ、どう言えばいいのか

私には分からなかった

すると、お嬢様が任せてと

車椅子を動かして駅員さんの所へ行った

会話が終わり戻ってきた

お嬢様は

「さぁ、行きましょ」と言わんばかりに

改札を指さした

さすがは、お嬢様

手慣れている

今度、教えてもらおう

そう考えながら

私は、車椅子を押し

手伝ってくれたお礼を伝え

鎌倉へと向かった


電車の中は思ったほどでは無いが

それなりに混んでいた

私は、お嬢様のことが心配でいたが

そんな私のことは気づいていない様子の

お嬢様は、楽しそうに

窓の外を見ていた

やっぱり、鎌倉は混んでいるし

ダメだったかなと思ったけど

朝から楽しそうなお嬢様を見ていると

間違いじゃないと思えた


「七海!次鎌倉!」

「そうですね」


もうすぐで、鎌倉につく

私の目標はただ1つ

怪我なく全力で楽しむこと

……小学生みたいな目標になった

けど、いいか


その時、アナウンスが流れた

ついに鎌倉だ

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