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四葉と双葉に友情を  作者: 榊みつば
1章 距離
11/12

11、準備もドタバタ

今日は、お嬢様と

鎌倉に行く準備をする日

準備を始めて2時間くらい経ったかな

なんにも進んでない

何故かと言うと


「叶恵!来なさい!」

「あ、また呼ばれた」

「多分、行った方がよろしいかと」

「だよね、行ってくる」


こんな調子でお嬢様が呼ばれ

私が呼ばれの繰り返し

そのせいで準備が全く進みません

お嬢様が帰ってきて

やっと話が進むと思ったら

今度は、私が呼ばれたり

また、お嬢様が呼ばれたり

ほんとになんなの!


この短時間でどんだけ話すことがあるのよ

1回で話せばいいじゃん

なんで、分ける?


この2時間で決まったことは

明後日に鎌倉に行く

鎌倉には電車で行く

それだけ

いや、そりゃそうよ!

車持ってないもん

歩きだと遠いもん

……なんか、おかしくなりそう

1人で何やってるんだろう

待ち時間が長すぎて

壊れてきている自分がいた


「戻ってきたわ」

「あ、おかえりなさい」

「疲れた」

「お疲れ様です」

「早く決めましょう」

「そうですね」


それから、数時間経ち

呼び出されることも無く

順調に決まった


「朝、11時半出発の電車ね」

「はい、それが1番いい時間かと」

「車椅子はあなたが押してちょうだい」

「喜んで」

「ありがとう」

「それから」

「ちょっと、叶恵来て!」

「あ、また」

「気にしなくていい」

「ですが」

「ねぇ!叶恵!」

「中に入ってきたらどうしましょう」

「なら、いい考えがある」

「どんな考えですか?」

「彼を呼ぶのよ」

「彼?」

「今なら、行けるわ」


そう言うとお嬢様は

部屋を出ていってしまった

しばらくして戻ってきた

連れてきたのは

教育係の奏多さんだった

奏多さんを見て私はわかった

勉強をしているから呼ばれても

行けないことにするんだ


「これなら、文句言われないと思う

お母様は、いつ勉強してても文句は言わない

ゲームとかは言うのに」


ムスッとしているお嬢様も可愛い

とそんな気持ちは抑えて

奥様が来ないことを祈りながら

私とお嬢様は、準備の続きをした

今度は持ち物について話し合った

私は、財布とスマホとハンカチなどを

持っていけばいいが

お嬢様の荷物は多いらしく

どんな物を持っていくのか聞くと

私と同じように

財布とスマホとハンカチ

そして、よく怪我をするらしく

救急用のポーチ

もしもの時ように自分用のスプーンなど

その他にも色々と出てきた


でも、なにより

私が1番驚いたのは

義足と義手を持っていくと言い出した時だった

なんでも、迷惑をかけたくないからと

なるべく自分で歩ける時は歩いてるそう

だが、上手く歩けずに転んで

怪我をするようだ

だから、救急用のポーチを持っていくらしい

だけど、私はいらないと思った

そのことをお嬢様に伝えると

少し考えてから


「あなたに迷惑がかかる

車椅子を押すのも楽じゃない」

「確かにそうかもしれません

でも、怪我をしてほしくないです

歩くのはお嬢様に合った

義足を買ってからでも遅くないです」

「……買えるかしら」

「買えますよ

それに、迷惑をかけてるなんて思っていたら

せっかくのお出かけが楽しくないですよ」

「そうかもしれけど」

「私なら大丈夫です」

「本当?」

「はい」

「なら、置いていく」


なんとか、説得できた

さすがに義足と義手を持って

鎌倉は歩けないし

なにより、食べ歩きができない

私がほっとしていると

お嬢様がハッとした顔をして


「ねぇ、さっき何か言いかけてなかった?」

「さっきですか?」

「ほら、私が奏多を連れてくる前に」


奏多さんを連れてくる前に

私が言いかけたこと

あ、そうだ


「お嬢様は」

「叶恵ー!」


……なんてタイミングの悪い人!

監視カメラでもあるわけ?

なんで、こんなに邪魔なタイミングで


「行かない」

「続けますね」

「お願い」

「お嬢様は、鎌倉に行ったら」

「叶恵ー!叶恵ー!」

「私に」

「ちょっとー!」

「私に!」

「ねぇー!叶恵ー!」


あーーー!うるさい!

なんなのこの人!


「入るわよー!」


嘘でしょ!

あ、でも奏多さんがいる

お嬢様と奏多さんが急いで

机に向かい

私は、クローゼットに隠れた

その後すぐに奥様が入ってきて


「あら、勉強してたのね」

「あ、奥様」

「邪魔しちゃったわね」

「もう少し勉強する」

「わかったわ」


ほ、ほんとに何も言わなかった

お嬢様は、人のことよく見てるんだ

きっと、先輩たちはみんな

迷惑だって一言も言っていないはず

言うような人達じゃないことは見てわかる

それに、迷惑だって思っていないと

思いたい私がいた


ここに来てすぐに見た光景

お嬢様がいなくなった瞬間の

使用人たちの表情や飛び交う愚痴

お嬢様は、全部見てたんだ

だから、誰かと出かけようとしない


「七海?」


それに比べて私は

弥生さんやことねさん彩音さんとか

自分の近くにいる人しか見てなかった

ここには、たくさんの人がいる

色んな意見があるのは当然

弥生さん達がそう思っていないだけだった

……お嬢様は、すごい

私は、学ばされてばっか


「七海」


私の方が年上なのに

もっと周り見るようにしないとね

お嬢様のこともつもりじゃなくて

ちゃんと見ないと


「七海!」

「あ、はい!」

「大丈夫?」

「はい、大丈夫です」

「お母様行ったから

話してちょうだい」

「わかりました」

「あ、じゃあ俺行きますね」

「ありがとう、奏多」

「お嬢様」

「うん」

「鎌倉に行った時……いえ、いつでも

遠慮しないでなんでも言ってください」

「車椅子のこと?」

「いえ、困ったことがあったら

なんでも言ってください」

「でも」

「お嬢様は、1人で抱え込みです

そのうち壊れてしまいます

何度か見てきましたそういう人

なので……あ、ごめんなさい自分勝手に」

「いいの、ありがとう

私も少し思ったのよ

あなたなら話してもいいんじゃないかって」

「なら、なぜ話さなかったのですか?」


私がそう聞くと

お嬢様は黙ってしまった

いけないことを聞いてしまった

そう思った瞬間


「怖かったのあなたも

聞いてくれなかったらって思ったら怖くて」


……お嬢様は、わかりやすい

表情に出やすいというか

オーラが雰囲気がそんな感じになる


「私は、絶対に無視しません

私もその苦しみ知ってるので」

「そうなのね」

「はい」

「……」

「さ!準備しましょう

すぐ来ますよ明後日は」

「そうね」


この時私は

今日みたいに

今日よりもっと

気持ちや過去を言い合える日が

くるといいなと1番強く感じた


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