表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

7.揺れる馬車の中

泣いて泣いて泣き疲れて…いつの間にか眠ってしまった俺は、潜り込んだ荷馬車がガタガタと揺れる振動で目を覚ました。

この振動は…橋を渡っている?

約一日程で国境についていたのでオースティン家は割と国の北側…橋に近い所にあったようだ。

ついている。

もしかしたらオースティン家は国境近くに住み、外交的な事を任されていた家だったのかな?

今となっては知ることもないけれど。

しかしとなるとそろそろ検問があるはずだ

橋の先はもう他国なのだから

荷物は申請されたリストと相違ないかチェック等が行われるはずだった。

その間はスキルで存在を消して乗り切るつもりでいる。


俺は移動の間で今一度このスキルと向き合っていた。

色々試してみたが、スキルの調整は割と簡単に出来そうだった。

薄っすらと使えば存在感のない人レベル

普通に使えば一般人には感知できないレベル、これは盗賊に対して使ったもの。

そして限界まで力を使用してみたが、ある一定の所から先は出来なかった。

出来なかったというか、これ以上は危険だと本能が言っている。

多分本当に完全に存在が消えてしまって帰ってこれなくなるんじゃないかと思う。

怖いから試せはしないけれど。


そうして検問の間も存在を消して乗り切った。

あっという間に隣国に来てしまった。

驚くくらいに簡単だった。

やはりこのスキルはすごいものだと実感する。

このスキルがあれば何でも出来てしまうのではないかと思う。

スパイとか暗殺にはもってこいじゃないか。

いやしないけどさ。

俺はひっそりと世界の片隅で生きていたいだけなのだ。


この先は全く知らない他国であったのでより慎重に行動しないといけない。

定住するにしてももう一つくらいは国を離れたい所だった。

隣の国だとカインや勇者の噂は耳に入って来てしまう。

そうなったら気になって戻りたくなってしまうだろう。

今だってもう既に戻りたいのだ。

噂で名前を聞いただけでも駆け出してしまいたくなる。

なので完全に噂が届かないところに行かなくてはならない。

馬車を乗り継いで遠く遠くの国を目指す。

世界がどのくらい広いのかわからないが世界中を旅するのも楽しそうだ。



ただこの先物語が進んで全てが終わった後に少しだけ、

国がどうなったかカインがどうなったかをこっそり見に行くことだけは許してほしい。

存在を消して誰にも会わないようにするから

皆が平和で一目元気な姿が見れればそれで満足する。

俺がいなくなって良かった、この選択は間違いではなかったと思いたいのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ