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4.さよなら侯爵邸

そう、ヴェル・オースティンを殺す。

いや実際殺すわけじゃないよ。

俺だって死ぬのは怖いよ。

だけどこのスキルを使えば死を偽装することは出来ると思う。

と俺は二人の死体の前で冷静に考えていた。

両親ではあったが何の感情もわかなかった。

むしろ久しぶりに姿を見て、あぁこんな顔をしていたかと思ったくらいだ。


部屋にあった唯一の着替えを引っ張り出してくる。

盗賊に汚ぇ子供服と言われてしまったが持っている中でまだまともな服だった。

後は厨房にあった動物の肉をそれに巻き付ける。

そして伸びっぱなしであったボサボサの髪も切る。

カインがいる時には整えられていた。

きちんと手入れをすれば綺麗な髪であったと思う。

実際にカインも良く俺の髪を撫でて梳かしてくれていたりした。

その時間が大好きだったので少し寂しい思いはある。

その思いと決別するためにも、今は邪魔なだけなので根本からガンガン切った。

厨房にあった刃物を使ったが手元が狂ってしまい少し皮膚ごといってしまって痛い。

まぁでも血も出てちょうど良かったかもしれない。

リアルだろう。

どうせ火の手があがり遺体の身元は燃え残っているもので判断されるのだ。

残るものはないかもしれないが一応。

髪の一本でもあれば子も一緒に死んだとなるはずだ。

とは言え俺についてはろくな調査もされないだろう。

そんな存在がいた事も忘れ去られているかもしれない。


このスキルがいつまで持つかもわからなかったので

急ぎ偽装をして今後の事を考える。

この国を出るのが一番手っ取り早い。

幸いこのスキルは生きてく上でとても使えるものだと思う。

どこかの国で孤児として紛れ込めれればひっそりとでも生きてはいけるのではないか。

目立つ風貌であったが、これもまたスキルが生かせると思う。

手に入れたばかりのスキルだがなんとなく使い方もわかっていた。

こういう所でもゲームの存在を感じてしまう。

生きるためにはお金ががいるが、ありすぎても良くない。

俺はこっそりと両親の部屋へ忍び込んでいた。

どうぜ屋敷中荒らされているのだ。

少しくらい金品がなくなっていたとてわからないだろう。

と思ったが金になるものは盗賊によって奪われていたので大したものはなかった。


盗賊よろしく屋敷中を漁り少しばかりの路銀を手に入れた。

そうして誰にも見つからないまま俺は堂々と正面の玄関から侯爵邸を出たのだった。


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