24本目の剣
「パーシー。アーサーはどこだ?」
「はあ。城下町にいきましたよ」
パーシバルが面倒くさそうに答える
「じゃあ、どうするんだよこの状況?」
パーシバルとアームドパルトの目の前には宝箱が二つあった
『片方には地図が、もう片方にはがらくたが入っている。』
そう書かれた紙が片方に貼ってあった
もう片方には『片方を開けたらもう片方は開かなくなるよ』と書いてあった
「パーシー。これ、アーサーだよな?いたずらを勧めてるのは俺だがこんなイタズラは教えてないぞ?」
「アームド。変なことばかり教えるからこうなるのです。目上の人の言うことには理がある。なので、聞きなさい。」
「ほぉ。ではこの謎々みたいな宝箱もわかるんだな?」
「そうはいっていません。ただ、『両方開けると怒られる』『どちらも開けないなら呆れられる』ということは分かります」
アームドパルトが頭を抱えていると、
「あの、」
メイドが話しかけてきた。
「なんですか?」
「これをパーシバルさんに渡してこいとアーサー様が・・・。」
一見すると鍵。
かちゃかちゃ
「あかねーぞ。結局どっちを開ければいいんだこれ?」
一方アーサーはというと———
「ぷくく。パーシバルたち困ってるだろうな。どっちを開けるか?そんなの簡単だよ。どちらか片方を開ければいいってね。」
「お姉ちゃん。トリックオアトリート!」
「はいはい。飴玉どうぞ?」
アーサーはかごいっぱいの飴玉からひとつかみ少年に渡すとにやにやと笑いながら大通りの方に行った
「アーサー様!トリックオアトリート!」
「はいはい。きみはクッキーね。」
アーサーがお菓子を配り歩いている
(あーあ。私なら問答無用でトリックなのになあ・・・)
「おねえさん。」
ふと見ると足元に小さな女の子が座っていた
「はいはい。きみは・・・」
「おねえさんは好きな人はいる?」
「はっ??えっ??」
突拍子もない質問に面食らっていたら
「アーサー様!トリックオアトリート!」
「トリックオアトリート!」
混雑してきたので
「わわーーー私用事思い出したかも!じゃあね」
広場からアルトネリコの木の方へと移動した
「ふー。ここらへんはまだ静かだなあ。」
ふと木の下を覗くと
『アルトネリコの短剣』と書かれた木刀と短剣が置いてあった
「なつかしいなあ。アームドパルトと昔ごっこ遊びしたっけか?」
『アルトネリコの木の伝説ぅ?なにそれ?』
カップルが話しているのが聞こえてきた
『なんでも、昔話らしいんだけど誰も知らないんだって。』
『なぁにそれぇ?誰も知らないんだったら無いじゃん?』
『まあそうなんだけどさ。良くここの木に木刀が供えてあるじゃん?その伝説になぞらえてらしい』
(アルトネリコの木の伝説?確か・・・たしか・・・)
アーサーが思い出そうとしているがどうしても思い出せない
(後でアームドパルトに聞いておこう)
『そういえば剣聖の話聞いた?』
『なに?』
男がもったいぶって教える
『振られたんだって。あの眉目秀麗の剣聖さんが』
(剣聖が振られた?なにそれ?)
がさがさ!
あっしまっ...
『おいおい・・・だれかいるぞ・・・あっち行こうぜ。』
(そんなことより剣聖が振られた話くわしく!)
アーサーがいくら願おうが声を出すわけにはいかない
(帰るか)
アーサーが帰ってもアームドパルトとパーシバルは箱を開けられないでいた
「パーシバルはこっち。アームドパルトはこっち。はい開けて?」
ふたりが箱を開けるとお菓子が飛び出してきた
「きょう何の日か知ってる?ハロウィンだよ。」
ちょっと遅めのトリックオアトリート。
24本目の剣読了。
Thi・25本目の剣を始めますよろしいですか?