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語られた残酷な過去に彼の顔は歪まず、むしろ何処か納得していた。
嗚呼そうか。あれは生きる事をどうにも思っていない瞳だったのか、と。それと同時に、少女の瞳の色と同じ夜空色の髪が脳裏に浮かんだ。
彼が過去に一度だけ起こしてしまった、壊してしまった、大切だったモノ。ソレを思いつつ、おそらく自分と同じだろう少女に、彼が出した答えは。
「理由は聞いた。オレの名はゼスト。
オレの名に賭けて、殺してやるよ、お前を。
お前が死ねる状態になった時、オレが絶対お前を殺す。」
「………私の名はフィユリア。………貴方の名に賭けて、
私を殺して。何があっても、絶対に。」
そして歯車は動き始めてしまった。歪な出会いと関係によって生まれた、最悪の未来への歯車が。ソレを止められるのは………
誰もいなかった。この時には。
運命の歯車は、幾重もの数によって構築されている。
その中の数個が混ざり、推測や、未来が変わっても、何らおかしくはない。
だからなのだろうか。彼と少女が、出会うはずのなかった、二人の縁近き人に出会っていくのは。