表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第2章 異世界でもギターしかなかった ~叩く女と2つの塔~
75/101

「そして彼女が女王様になったわけ②」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸さくらこうの事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる。

 さらにこの力は協奏した場合、ライブを通じて他人とも仲良くなる様に、音楽を聴いていた者同士も意思疎通が可能になる。

・ギターの魔力の1つ 【心酔】

 幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。

・ギターの魔力の1つ【協奏】

 幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。



 この世界の事

この世界は6つの国からなる。

【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】

・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?

・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。

 この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。

 そして、楽器は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。

 そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。

 もちろん。自由や平等といった人権はない。

**************************************

【ゲリラライブまで後7日】


…………。


……。


 キヨラが新たな自分と出会って暫くたった朝。

ケイケス・サオールズの屋敷はもう既に、この新たな滞在客を快く迎えいれていた。


「あっ、おはよー!

 キヨラちん!

 昨日は良く眠れた?」

かっちりと制服を着たメイドがひらひらと手を振っている。


「マツヒちゃんおはよー!

 ぐっすりは眠れたよ!

 でもケイケスがなかなか寝かしてくれないからー……、まだ眠たい。」

キヨラも手を振りかえした。


「なかなか寝かしてくれないって……。

 キヨラちんが悦に入ってるからでしょ……。ははっ……。」

メイドのマツヒは昨日のキヨラの大立ち回りを思い出す。


 マツヒは小麦色の肌をしていて、あっけらかんとしたキラキラしたギャルだ。


「あっ、今日ケイケスのやつ、公務で議会まで行ったから遅くまで帰って来ないよ!

 やりたい事やんな!

 あっ、先ずはご飯だね!

 食堂のおばちゃんとこ行っといで!」

マツヒはそう言ってキヨラの背中を押した。


                    ◇◇◇


 キヨラがこの屋敷に来てから3日。

彼女の恐ろしいコミュ力により、屋敷中の奉公人、全て仲良しになっていた。


 ケイケスの付き人メイドのマツヒは、ケイケスにとにかく酒を盛り、意識を飛ばしてキヨラを守り、他の奉公人もキヨラが自由に動けていることをケイケスに悟らせない様に動いていた。


 そのおかげでキヨラはこの屋敷にて、なに不自由なく過ごし、町民会議の内側からどの様にして、ゲリラライブを成功させるかを推考する時間も作れた。


                  ◇◇◇


「おばちゃん、ご飯ありがとう!

 今日もとっても美味しかったよ!」

キヨラは満足そうに言う。


「あいよ!

 キヨラちゃんが美味しそうにご飯食べるの見てると、こっちもお腹いっぱいになるわ!」

恰幅の良い料理長が笑顔で言う。


…………。


……。


 食堂をあとにしたキヨラは、ケイケスの部屋に戻って来た。


「ゲリラライブまであと一週間か……。

 ミナちゃんは常にケイケスと一緒にいるから連れて出たりも出来ないし……。」

キヨラは、ふかふかのベッドに腰をかけ頬杖ついて考える。


 占有預かりの楽奴の持ち主は、どこに行くのにも原則的に必ず楽奴を連れて行く。

悪徳非道のケイケスでも、意外に仕事はしっかり行っているので、夜遅くまで、基本的に屋敷に居ない事が多い。

 そして必ずミナも連れて行くので結果的にミナが一人になるシーンが一度もない。


「ここの人達もみんないい人だし、やっぱりこのまま当日までここに居て、本番で出た所勝負しかないね……。

 これを使ってなんとかするしか……。」

キヨラは机に無造作に置かれた、鞭に手を触れた。


「……幸達心配してるよね。

 ……みんな、私頑張るから……。」


…………。


……。


 夜も更けて来たころ……。


                ”ガチャリ”


「くっくっく。

 キヨラよ。このケイケス様が帰って来たぞ。」

いつもに増して毒々しい羽織で着飾るケイケス。


「……。」

キヨラは後ろ手にしたまま、無視を決め込む。


「はっはっ。

 今日もだんまりか。

 町民会議までたっぷりと一緒に楽しもうじゃないか……。」


 ケイケスはいつものようにマツヒに手を向けて指の股に挟まれるのを待つ。


                ”トポトポ”


 マツヒはアルコールが従来の3倍の濃さのワインを注いだグラスをケイケスの股に挟む。


                ”クイッ”


 ケイケスがワインを喉に落とし込む。


「くっくっく。

 こんな美人を好きに出来るなんて領主は最高だねぇ……。

 いつも夢見心地で楽しませてもらっているよ……。」

そう言いながらも、みるみるうちに顔が紅潮して行くケイケス。


 今日は公務で疲れていたからか、いつもに増して早くスイッチが切り替わり、そそくさと服を脱ぎだす。


「おっけー。

 完成したね。」

仕事終了みたいな顔をしているマツヒ。


「そうだね。」

キヨラは立ち上がりマツヒに手を差し出し、その中にそれが添えられるのを待つ。


                 ”シタァン!”


 手渡された鞭を胸元で引き鳴らし準備完了。


「女王様ぁ!!

 本日もよろしくお願いします!!」

ケイケスはケツを向け懇願する。


「しょうがないなぁ……。」

キヨラは呟く。


…………。


……。


 このようにキヨラは、屋敷の奉公人に助けてもらいながら、ケイケスの相手をして危なげなく過ごしていた。

 キヨラがケイケスの興味を引いていたから、幸達の動きに対して気に留める事もなかったとも言えよう。


 そして、このままキヨラは町民会議の当日を迎えることになったのだった。

**************************************

出会ってくださりありがとうございます!


ブックマークや感想など書いていただいたりしたら、本当に励みになります。

去年の終わり頃から始めてフォワーやブックマークが少しずつ増えてきました!ありがとうございます!

リタイアせず、頑張りたいと思っておりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ