表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第2章 異世界でもギターしかなかった ~叩く女と2つの塔~
70/101

「塔の下で」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸さくらこうの事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる。

 さらにこの力は協奏した場合、ライブを通じて他人とも仲良くなる様に、音楽を聴いていた者同士も意思疎通が可能になる。

・ギターの魔力の1つ 【心酔】

 幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。

・ギターの魔力の1つ【協奏】

 幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。



 この世界の事

この世界は6つの国からなる。

【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】

・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?

・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。

 この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。

 そして、楽器は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。

 そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。

 もちろん。自由や平等といった人権はない。

**************************************

 美しいクラウディアの海をピンク色の塔が見下ろしていた。

 海の濃い青と淡いピンクの対照的な色が作り出すコントラストが映える。

ここはザンスター・サオールズの名所、クラウディアの灯台。


「ワターク……。

 どうしたの?こんな所に呼び出して。」

ユラーハは頬を赤くして、ワタークを見つめて言う。


 幸に背中を押されたワタークは、決意を持って、ユラーハを塔の下へ呼び出していた。


「あぁ、ユラーハ。

 私は君をマドモアゼルと思ってるよ。」

マドモアゼルと言えば良いと思っている男。


「ワターク……。」

ユラーハはモジモジと俯き更に顔を紅潮させる。それでいいのか。


「今日はこれを2人の愛の証として、ここに植えたいんだ……。」

ワタークがそっと手のひらを開けるとそこには二つの種が。


「まぁ!!

 それは花の種ね!?

 わたくしと此処にこの種を植えるのね!?」

ユラーハは遂に夢が叶うと思い、嬉々として言う。


 この地域の植物事情を全く知らないユラーハは、植えたら必ず綺麗な2輪の花咲くと思っている。


「あぁ、そのつもりさ。

 この種なら何故か全て上手く行く気がするんだ。」


 ケイケスに領主が代わり鬱々とした気配が立ち込めつつあるザンスター・サオールズ。


 この町に突然現れた【佐倉幸】と言う特異点。

 彼が現れてから、この町の、自分の置かれていた状況にあらゆる変化が訪れた。


 何より音楽。


 あの旋律を奏でる男が只者なはずがない。

音楽があんなに美しいものだと初めて感じたのだ。

 ユラーハもダンジョンコアを託すほど、気を許している。更に魔物すらも。


 人間、精霊、魔物。

全く違うそれぞれ。

元来相容れるはずのない違う生物。

 それを音楽、ただ一つを持って、結び繋いだ佐倉幸。

 その男に託されたこの種。


 かけてみたいと思った。

自分も絆されているのかも知れない、彼の音楽に。

 しかし、そんな事どうでも良いと思えるほど、信じてみたいのだ。


 最愛のユラーハに愛を伝えるため。

2人の幸せのため。


「じゃあ、ここに2人で植えよう。」


 そう言うと、夏も近いこの時期に2人は素手で土を掘り始める。


                     "ザクザク"


 時折、2人は汗を拭う。

掘り進めた貴族の服の袖は土だらけ。

気付けば顔は、泥だらけ。


 汚れる事も気にしない。

一つの目的を共にする尊さ。

2人の初めての共同作業だ。


 そうして、ピンクの灯台の根元に2人は種を植えた。

 お互い顔を見合わし泥のついた顔に少し吹き出す。

そして見つめ合って、キスをする。


「ユラーハ。

 この種が咲いた時、私の愛の詩を聞いてくれないか?」

ワタークが抱き寄せて伝える。


「分かったわ。

ワタークわたくしはいつまでも待つは。」


 離れかけた2人の手が再び絡み合った瞬間である。


 人間と精霊の恋愛。

決して相容れないと恋と言う事はない。

 紆余曲折があろうとも、少しずつでも前に向かっているのだ。


 果たして2人の愛の種は潮風に負ける事なく見事咲いてくれるのか。


…………。


……。


**************************************

出会ってくださりありがとうございます!


ブックマークや感想など書いていただいたりしたら、本当に励みになります。

去年の終わり頃から始めてフォワーやブックマークが少しずつ増えてきました!ありがとうございます!

リタイアせず、頑張りたいと思っておりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ