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【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第2章 異世界でもギターしかなかった ~叩く女と2つの塔~
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「ザンスター・サオールズの確執」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸さくらこうの事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる。

 さらにこの力は協奏した場合、ライブを通じて他人とも仲良くなる様に、音楽を聴いていた者同士も意思疎通が可能になる。

・ギターの魔力の1つ 【心酔】

 幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。

・ギターの魔力の1つ【協奏】

 幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。



 この世界の事

この世界は6つの国からなる。

【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】

・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?

・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。

 この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。

 そして、音楽は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。

 そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。

 もちろん。自由や平等といった人権はない。

**************************************


「あぁ、またこんなにもゴミが流れつく。

 私が拾わなければどんどん増えていくぞ。」

そう言いながらも、あくせくと海の美化に努める男。


 陽が真上に到達し、浜の照り返しと相まって、夏のような暑さの中、その男は顔を汗でドロドロにしながらゴミを拾いあげていく。

 ワタークだった。

 

 クラウディアの砂浜は驚くほど綺麗だ。

それもこれもワタークが毎日赴き、ゴミを拾い、清掃しているからである。


「おやおや……。

 そんな所に居るのはザンスター家の次男坊じゃないか。」


 その言葉を発したのは、ケイケスと言う男だった。

毒々しい全身紫の装いで、ワタークのような襞エリを身に纏う、明らかに貴族と言う風貌だ。


「ケイケス……。

 お前こそこんな所で何をしているのだ?

 町民は重税に苦しみ、海は日に日に汚くなっているぞ。

 このままでは受け継がれてきたザンスター・サオールズの美しい町並みは消えてしまうぞ。」

ワタークは”ワナワナ”と肩を震わせて言った。


「んふふ。

 私はただ、私の海を眺めているだけさ。

 なんたって私は領主さ。

 この町も、人も、そして海も……。

 私の自由にして何が悪い?」

ケイケスは当たり前の様に言う。


「この海は町のみんなの物だ。

 領主は町を支える為にいるんだぞ。

 代々領主を務めた、私のザンスタ―家、そして、お前のサオルーズ家共に歩み寄って、より良い町を作って行けばいいだけじゃないか?」

ワタークが嘆く。


「それだよ……。

 私はザンスター・サオールズと言う町名が気にくわないのさ。

 私が領主の今、《サオールズ・ザンスター》に改名しないと行けないだろう?」

ケイケスは後ろ手に組み、歩きながら続ける。


「だのに!!!

 この町の小癪どもは、お前ばかり敬愛し、私が名前を改変しようとも、行き届かない。変わらない!!」

ケイケスは”ばっ”と手を広げ振り返った。


 ザンスター・サオールズの町は、代々領主をザンスター家、そして補佐としてサオールズ家が支えていた。

 両者は血縁関係がある。

ワタークとケイケスは従妹の関係だ。

 だが、町民の支持にはかなり偏りがあり、皆がザンスター家であるワタークを推している。

 いくら領主が命名しようとも、人々が認めなければ、反映されない。

書面上、町の名が変わっていようが、人が認めなければ呼ばれ方は変わらない。


「領主である私に頭を垂れて媚び諂わなければ、私の町の町民とは呼べないなぁ。

 そうなると、嫌々ではあるが、異端の分子は町民の話合いで解決して行かねばならないよなぁ。」

ケイケスは嘲笑を浮かべている。


「それだ!!

 町民会議……。

 あんな非人道的な最悪な会議、即刻中止しろ!!」

ワタークは叫ぶ。


「おやおや、町民会議はお前の御父上の代から行っていたことだろう?

 (まつりごと)に庶民が口を挟むのは可笑しな話だなぁ……。」


「ケイケス……。」

権力を持たないワタークは、それ以上の事は言えない。


「はっはっは。

 私も多くは望んでないのだよ。

 このクラウディアの海を望む町がサオルーズ・ザンスターになればそれでいいのだ。

それまでは異端は粛清する。ただそれまでさ。」


「ケイケスゥ……。」

ギリギリと歯を噛むしかないワターク。



 ザンスター・サオールズ。

この美しい海の町の一つの問題は、この二つの名前の一族の私怨にあるようだ。


…………。


……。


**************************************

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