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【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第2章 異世界でもギターしかなかった ~叩く女と2つの塔~
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「プロローグ②ークラウディア海岸の夜更け」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸さくらこうの事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる

・ギターの魔力の1つ 【心酔】

 幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。

・ギターの魔力の1つ【協奏】

 幸が誰かと共に演奏すると、相乗的に、ギターの魔力の力が増幅される。



 この世界の事

この世界は6つの国からなる。

【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】

・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?

・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。

 この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。

 そして、音楽は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。

 そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。

 もちろん。自由や平等といった人権はない。

**************************************


              ”ザザーン”


 夜のクラウディア海岸は佇む。

遠くに見える灯台を目指して、月明りの道が滔々と橋を架ける。


            ”ああーっあぁぁー”


 波の音の静寂しじまに、耳を傾けると。

女の泣く声がする。


 “パシャッ”  ”パシャッ”


波が跳ねて弾かれる音もする。


 ”あぁーっ” ”あぁーっ”


 女が泣いているのか、それとも波と岩のこすれの反響なのか、分からない。

でも確かにむせび泣くようにも聞こえるそれは、クラウディアの砂浜にも届いて来る。


「あぁ……。

 また泣いてる。

 何がそんなに悲しいの……。

 ……僕にも教えて欲しい。」

男は砂浜から海を眺めて呟く。


 “パシャッ” ”パシャッ” “パシャッ” ”パシャッ”


 波は弾かれリズミカルに跳ねた。


       “ああぁ抱きしめて。私を強く。そして愛して。”


 女がこう言っている。

……男は何故かそう思う。


「君は僕の唯一の灯台さ。

 君が笑って光り輝くなら、僕は死んでも構わない。

 だから……。さぁ僕の事も愛しておくれ。」

 男は左手を海に掲げ、“さぁ、この胸に飛び込んでおいで”と言わんばかりの顔をしている。


 “パシャッ””パシャッ”“パシャッ””パシャッ”“パシャッ””パシャッ”


 波が六連符の様に弾かれた。


 クラウディア海岸から見える灯台はもともと一つだった。

それは若干ピンクがかった白色をしていて、とてもキュートなデザインだ。

 恋人同士はその灯台の元に小さな花の種をお互い植える。

それが並んで実ったらその恋は《愛》に花開く。

そんな恋のおまじない。


 しかし、つい最近、クラウディア海岸から見える灯台が一つ増えた。

突如として“ダンジョンの塔”が現れたのだ。

そちらの塔は若干水色がかっていて、そちらもキュートである。


 そう。

灯台は《二つ》ある。


「もう、ワターク!

 そんな訳の分からないことばっかり言って!!」

男が付けた砂浜の足跡をたどり、女がやって来た。


「あぁ、ユラーハ!

 君こそが僕の唯一の灯台。

 さぁ、その美しい唇をこの僕の口と触れさせて!」

ワタークはユラーハを見つけると、ドタドタとユラーハに向かって走って行く。


「さっき、海の女にも言ってた……。

 同じ事言ってたじゃない!!

 唯一の光って!!

 ワタークの事なんてもう知らない!!」


                ”トン”


 女は男を突き飛ばし、拗ねて走り去っていく。


               “ドボーン”


「あぁあぁぁぁぁあ!!

 ユラーハァ!!

 待ってーーー!!」

ワタークは海へ弾き飛ばされた。


 女は軽く小突いただけなのに、男は凄い勢いで海へダイブすることとなった。

 

 ……そう。

ユラーハは人間ではなかった。

 《ウンディーネ》だったのだ。

 

 ウンディーネとは水を司る精霊である。

 人間のワタークと、精霊のユラーハ。


 相容れない二人の恋のお話が、このクラウディア海岸にはあった。


**************************************

出会ってくださりありがとうございます!


ブックマークや感想など書いていただいたりしたら、本当に励みになります。

去年の終わり頃から始めてフォワーやブックマーク全然ないので、嘆いております。

リタイアせず、頑張ろうと思っておりますので、何卒応援よろしくお願いします!

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