「チケット完成!」
シンフォニア掲示板
佐倉幸さくらこうの事
・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ
・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】
幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる
・ギターの魔力の1つ 【心酔】
幸のギターに魅了されたものに、命令を下せる魔法の力だ。
この世界の事
この世界は6つの国からなる。
【レナシー共和国】、【ミグニクト】、【ファードナル】、 【ソドム】、【ライトメイト】、【シグルド連邦】
・世界で1番大きかった国【ドルトナティア】が、一年前に突然消えた?
・楽奴と言う、音楽をさせられる専門の奴隷がいる。
この世界の人々は音楽が大嫌いで、その結果なのか、音楽が聞こえなくなった。
そして、音楽は、まるで黒光りするGのように、存在するだけで気持ちの悪いものとなっている。
そのような音楽の待遇の中、楽奴は何故か、音楽をすることを強いられている。
もちろん。自由や平等といった人権はない。
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「「紙が出来た〜!!」」
キヨラと幸の大喝采。
縦約2m、横約1.5mの大きな紙。
棒に巻き付けて作ったので表裏で2枚出来た。
それを端の所で、サイクロプスが切り落として完成。
「これをだいたいこのぐらいに切って欲しいんだ!!」
幸は両手の平を使い表現する。
チケットのサイズは、だいたい縦75mm.横150mmくらいだろうか。
それであるならば、だいたい一枚につき250枚程チケットが作れる計算だ。
サイクロプスが目にも止まらぬ速さで切り分けていく。
それをみんなで拾い集める。
500枚の紙切れ。
それの一枚に昨日のキャンプファイヤーの燃えカスの炭で、キヨラが字を書く。
[この世の物とは思えない、不思議な世界へご招待。
今宵限りの見世物へあなたをご招待します。]
「ダースパちゃん!
この黒をなぞりながら、カラフルに糸で彩って!」
「任せて!」
キヨラの要望に応え、大蜘蛛は、様々な色の糸を使って職人技の様に、文字を浮き彫りにしていく。
朝から始まったチケット作り。
最後は手書きの地味ながらに大変な作業。
幸はこの世界の文字は転生の特典なのか、理解出来た。
ただ、読むというよりかは解るという感覚である。
幸も、字を模様の様に捉えて、キヨラの書いた字を同じようになぞり、炭字を担当した。
ダースパちゃんと3人で黙々とチケットを完成させて行く。
………………。
…………。
……。
日が1番上に上がった頃に、ピーネが起きて来た。
「幸!キヨラ!
何してる!
なんか書いてる!!」
チケット作戦の事を知らないピーネが、そう叫びながら、空からやって来た。
「ピーネ、遅過ぎー!
みんなの力を借りてこれを作ったんだよ!
ほら最後の一枚!!」
キヨラがそう応えながら、書き切った腕を高く上げた。
最後にカラフルな糸が紡がれ……。
「「みんなありがとう!!」」
「「「「「「「チケットが出来たー!!!」」」」」」」
制作に関わった、スライム、サイクロプス、大蜘蛛、ケンタウロス×2、そしてキヨラと幸が大きな声で喜び合う。
ピーネも良く分かっていないが大はしゃぎ。
「なんだこれ!
この紙なんなんだ?」
ピーネがチケットを掴んでヒラヒラする。
「これを、バーウの村の人達に配るんだよ。
俺がいた世界での、ライブを見るための許可証みたいなもんだね。」
幸が事情の知らないピーネに言う。
「あとはこれを配るだけだけど……。
人は受け取ってくれるのだろうか……。」
結局、楽器を持っていた、幸もキヨラもバーウの村の人に嫌われており、チケットを渡すと言う行為が1番大変である。
「それはもうやってみるしかないね。
でも、きっと大丈夫。
幸がみんなの為に精一杯頑張るんだよ!
絶対気持ちみんなに伝わるよ!!」
キヨラは笑顔で告げた。
「俺は何したらいい!?
俺ももちろん手伝うからな!!」
ピーネが胸を「どん」と打ち、任せろのポーズ。
「どん」に合わせてぶるん!と何かが跳ねた。
今から行けば、チケットを配りに奮闘しても、夜にはギリギリ間に合うだろう。
やはりバンドのライブは夜なのである。
幸、キヨラは自分の楽器とハープを持ちピーネに掴まれて、またバーウの村へと飛んでいくのであった。
…………。
……。
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去年の終わり頃から始めてフォワーやブックマーク全然ないので、嘆いております。
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