表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝10000PV感謝】異世界でもギターシリーズ  作者: bbbcat
第1章 異世界でもギターしかなかった ~迷わずの森とチケット大作戦~
10/101

「隣のムラ」

シンフォニア掲示板


 佐倉幸(さくらこう)の事

・転生の女神による転生ボーナスで、音楽の能力値が現世の100倍にアップ

・ギターの魔力の1つ 【音楽は言語を越える】

 幸のギターに魅力されたものは、例え魔物であっても、意思疎通が可能になる



 この世界の事

・世界で1番大きかった国が一年前に突然消えた?



         「幸!幸!!

          おはよう!!!」


 飛び跳ねるように起きたピーネが、

結局考えることも飽きて、横でうたた寝して居た幸に覆い被さる。


「んっ……。

 あっ、俺も寝ちゃってた。

 ピーネ遅いよ!

 ……おはよう。」

女の子?に起こされるのは高校男子のシチュエーションとして、悪くない。


「昨日は楽しかったな!!

 今日は何する!?

 またライブするか!?」

興奮冷めやらぬという顔で幸に頬擦りしながら言う。


「ラッ、ライブもいいよね。

 でも今日はこの世界の事色々知りたいなぁと思ってるんだ。」

とぎまきしつつも思いを伝える幸、どうせ自分の力ではピーネを引き剥がせないと分かっているのでされるがままである。


「この世界の事なぁー。

 俺ら魔物は自分が知ってる事しかしらねぇからなぁ……。」

ピーネは身体を擦り寄せながら言う。


 魔物には書物と言う文化は当然無く(一部の上級の魔物を除く)、種族混合村みたいに、村と言うコミュニティがあったとしても、基本的には魔物は個々を尊重する生き物である。

伝聞と言う文化もほとんどない。


「あっ!

 じゃー、人間の村に行くのはどうだ?

 迷わずの森を出て西にちょっと飛んだところにあるぞ!」

スリスリに飽きて、あぐらの上に幸を乗せて抱きしめてながら言う。

お尻の肌触りは羽毛がしなやかで、そして暖かい。


「人間の村があるの!

 それは沢山色んな事が分かるかも!

 ……でも、ちょっと行くの怖いなぁ……。」


 同じ人間ならば、かなりの確率で、この世界の事が分かっているはずだ。

それだけでなく、文化や、食べ物、もしかしたら異世界転生者の事だって知っているかも知れない。

 

ただ、幸にとって人間、他人との接触はトラウマでしかない。

この世界での初めての人間との出会いには相当の覚悟を要するのだ。


「……大丈夫。

 幸なら俺が守る」

優しく包み込む様に抱きしめながらピーネが諭す。


「それに……、

 何か怖いことがあっても、幸がギターを弾いたら一発で解決だ。」

目線の先で幸のギターが煌めいていた。


「……そうだね!

 きっと大丈夫!!

 ピーネありがとう。」

心強い相棒に感謝。


 そしてもう一つの相棒にも。

幸はギターを掴み、それの"ボディ"をひと撫でする。

ギターは「キュッ」と小気味のいい音がなり、ピーネの目はハート。


「幸!行こう!!

 俺がいたら何にも怖いことはない!」

力強く言うとピーネは幸の身体を大きな脚の爪で掴む。


「えっ!

 ちょっと、なっ、何するの!?」

凄い勢いで捉えられた獲物みたいな姿になり慌てる幸。


「幸!

 絶対にギターをその手から放したらダメだぞ!!」

そう言ってピーネは大きな翼を広げ浮上する。



そのまま西に目掛けて「ヒュー」と飛んで行くのであった。



****************************


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ