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帷 / 脚立
帷
その手の感触を
忘れたわけではなく
暮れていく日に
叫び出す寸前の
涙が吹き出る瞬間の
顔の熱さと
己の冷たさを恥じるなら
あの温かく
厳しい存在すら
いまは思い出さないように
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脚立
君の膝に足を掛けて
上へ上がる
歩きすぎて痺れた足には
その冷ややかさが
ちょうどよい
明日はない
明後日もない
約束に意味はないから
しまい忘れたなら
持っていないのと同じ
探すのは捨てるためと
薄い肩に足を乗せて
天井裏をのぞいた