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木洩れ日 / 指切り / バースの日
木洩れ日
単純そのものの人に
君は綺麗に嘘をつく
信じる人の足取りは
どこまでも軽やかで
彼を本気で好いてる君は
化粧の仕上げに
うっすらと寂しさを刷いている
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指切り
望んだのはきのう
今日
拗ねて蹴飛ばした環は
川向う
時宜を逃して
擦れ違っていく人、もの
躾られた犬のように
待つことができたら
何が変わる
もう何ヶ月
空など見上げていない
待つ瞳を
裏切る側に回った僕
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バースの日
特別にしたくないから
忘れたふりをした
あなたは老いることのない
永遠の友達
僕がバラを送らない限り
馴染みの深い錆びた刃が
鉛の芯をガリガリ削る
僕は次第にちびけてしまう
日記さえも付けないのに
時間は僕に容赦ない
近頃ますます輝くあなたと
縮むばかりの僕とでは
接点さえも危うくなりそうで
はじめの誓いを
僕は破りかけている
僕の恋人であるならば
老いてくださってかまわない
最期の歌は怖れても
想うだけでは惜しいのだ




