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エア・ドア  作者: 御重スミヲ
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木洩れ日 / 指切り / バースの日




   木洩れ日



単純そのものの人に

君は綺麗に嘘をつく

信じる人の足取りは

どこまでも軽やかで

彼を本気で好いてる君は

化粧の仕上げに

うっすらと寂しさを刷いている




------------------


   指切り



望んだのはきのう

今日

拗ねて蹴飛ばした環は

川向う


時宜を逃して

擦れ違っていく人、もの

躾られた犬のように

待つことができたら

何が変わる


もう何ヶ月

空など見上げていない

待つ瞳を

裏切る側に回った僕




------------------


   バースの日



特別にしたくないから

忘れたふりをした

あなたは老いることのない

永遠の友達

僕がバラを送らない限り


馴染みの深い錆びた刃が

鉛の芯をガリガリ削る

僕は次第にちびけてしまう

日記さえも付けないのに

時間は僕に容赦ない


近頃ますます輝くあなたと

縮むばかりの僕とでは

接点さえも危うくなりそうで

はじめの誓いを

僕は破りかけている


僕の恋人であるならば

老いてくださってかまわない

最期の歌は怖れても

想うだけでは惜しいのだ



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