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ダブダボ / 新生
ダブダボ
ゆっくりと食すのは
まずいからでも
多情すぎるからでもなく
昨夜の悪行の結果
不調の胃腸にそろそろと
あなたの心配を納めていく
脳にあるのは義務感と
捻じ曲がった食い意地
子のために餌を運ぶ
胃袋のようには
納めきれず与えきれず
腐りかけの言葉を吐く
シャツのうちでこの身が泳ぐ
謝罪のつもりで小さく笑う
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新生
セミの殻と本体が
生命を争って
抜け殻が生き残ることが
あり得るか
経験を積んだ外面は
新世界でも有効で
本質が遠くへ飛び去っても
生きて行けそうだ
薄緑色のやわらかな心が
何者かに食い尽くされると
脆くも軽妙な茶色い殻が
幹を伝って地に降り
歩いて行こうとする
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