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夜会の朝 / 糧
夜会の朝
冬の六時は暗い
毛糸の帽子をかぶっているから
頭の中に足音がずしずしと響く
パトロール中の猫だけが
僕をじっと見下ろしている
軽い恐怖を久々に味わいながら
赤いポストで折り返す
夜間走行のトラックは
ロボトミーされた獣のようだ
雨のにおいを残して
信号はまだぼんやりとしていた
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糧
魚の背が
あまりに青いと涙する
君の肩を抱く
人は食わなければ生きていけない
悲しみや力強さは
そんなところからくる
くる日も
また明くる日も
朝に晩に
生命の糧を口にする
まれに人の口は対面交通で
魂の糧が往き違う




