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エア・ドア  作者: 御重スミヲ
17/20

テナント / 役所通り




   テナント



空気に包まれて

音に囲まれて

視線に出会いながら

生きているのに

僕を抱く腕だけがない


身近なものではあきたらず

急いで掴んだ手に

小麦粉が塗してあったなんて

よくあること


年々猫背がひどくなる

名刺みたいな言葉を交わす

のぞむ温度はわかっているのに

乾いたレンズは

確かな像を結ばない




------------------


   役所通り



不似合いな瞼と唇で

季節に霞むビルに向かっている

ちぐはぐに見えるのは

彼女が戦闘モードでないから

職場ではきっとなんの違和感もない


肉食なのも

草食なのも

確かにその人で

どちらが本当などと

わけることはできないけれど


即かず離れず

彼女と同じ通りを行きながら

いまの僕には確かに不似合いな

ネクタイを軽く締め直した



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