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エア・ドア  作者: 御重スミヲ
10/20

駆ける星 / 人差し指




   駆ける星



遥か彼方から落ちてくる

冷たく明滅する心


僕は受け止める術を知らず

彼もまた

幼さを残す腕に

納まるわけなど持たずに

触れているのに通り過ぎる

何かが大きく震える


光は地球を刺して

どこまでも駆け続ける

取り残された僕は

奇跡のように

少しだけ歩き方を覚える




------------------


   人差し指



恥ずべき行為に浸りきった夜

近頃ため息が多いよと

指摘は受けていた

あなたの望みを叶えるということは

僕を葬るということだ

知っていて望むあなたを憎いと思う

それより悲しくて

この悲しみがいつから続いてきたのか

手繰り寄せていくと

地球を何周かしそうな勢いで

僕は恐れ戦いた

僕はいつあなたになったのだ?

猫を追い散らすように

バケツを振り回し

無欠の雛形を指し示す

人を幸福に導こうと

不安にさせるのは

宣教師ばかりではなかった

醜い行為をくり返す夜

闇に沈むのに大変な労力を要する

ピンポン玉の憐れさに

僕も一役買っている

爪には慈愛の毒が塗ってある



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