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駆ける星 / 人差し指
駆ける星
遥か彼方から落ちてくる
冷たく明滅する心
僕は受け止める術を知らず
彼もまた
幼さを残す腕に
納まるわけなど持たずに
触れているのに通り過ぎる
何かが大きく震える
光は地球を刺して
どこまでも駆け続ける
取り残された僕は
奇跡のように
少しだけ歩き方を覚える
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人差し指
恥ずべき行為に浸りきった夜
近頃ため息が多いよと
指摘は受けていた
あなたの望みを叶えるということは
僕を葬るということだ
知っていて望むあなたを憎いと思う
それより悲しくて
この悲しみがいつから続いてきたのか
手繰り寄せていくと
地球を何周かしそうな勢いで
僕は恐れ戦いた
僕はいつあなたになったのだ?
猫を追い散らすように
バケツを振り回し
無欠の雛形を指し示す
人を幸福に導こうと
不安にさせるのは
宣教師ばかりではなかった
醜い行為をくり返す夜
闇に沈むのに大変な労力を要する
ピンポン玉の憐れさに
僕も一役買っている
爪には慈愛の毒が塗ってある




