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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
アトラス編
8/31

8.帰還の方法を探しに旅に出る


 何度かゴードンさんと試合をし、直近10戦では6勝4敗と勝ち越している。

 魔剣スパルタンの目標である、世界最強の名称を手に入れたといっても過言ではない。

 なので、今後の行動について魔剣スパルタンと話し合うことにした。


「なあスパルタン、これからどうする?おれは元の世界に帰る手段を探しに、旅に出ようと思っている」

『面白そうなのでお供します』

「そうか!なら、これからもよろしく」


 リハク師匠に見せてもらった文献には、ノーマン帝国、ラフランテ王国、リレイロード王国の3か所に《転移の洞窟》があるらしいと書いてあった。

 まずはノーマン帝国の洞窟を見に行くか!洞窟はノーマン帝国の王都の向こうにある。



 旅に出るなら格納魔法は必須だな。瞬間移動も覚えておきたいところだが。

 まずは格納魔法。

  子宇宙とかのイメージでいいんだろうか?

 試行錯誤の結果、

 何とか出来た。

 何んか怖いんで、生き物を入れるのは止めておこう。


 次は瞬間移動魔法。

  瞬間移動した際に移動先にあった物質ってどうなるんだろう?

  もし、素粒子と素粒子がぶつかったら…?

 などとごちゃごちゃ考えていたら、

 出来ませんでした。


……


 旅立ちの前夜、集会場前の広場で送別会を開いてもらった。


 キャシーさん、レイラさんには自転車を作ってもらった。

「タクマ、あなたの世界の科学というものは非常に興味深かったわ」

「まだまだ聞きたいこともあるし、作った物を見てもらいたいからまた戻って来てね」


 アーロンさんには仕事をもらった。

「もしアースロードの王都に寄ったら、アントンという喫茶店に行ってみてくれ。マテ茶がお薦めだ。それからこのバッジを持っていけ。何かの役に立つかもしれない」


 パトリシアさんには剣速を上げるヒントをもらった。

「今度自転車競技の大会を開催しようと思っているの。よかったら参加しに戻ってきてね」


 ゴードンさんには滅茶苦茶ボコられた。

「130勝40敗だ、まだ断然おれのほうが勝っている。自分が弱くなったと思ったらいつでも帰ってこい。またおれが相手をしてやる」


 リハク師匠は異世界に迷い込んだおれを助けてくれた。

「お前は強い。だが一人では解決しない問題もある。何かあったら遠慮しないで帰ってくるように」


 夜は更けていく。

 空の星を見上げてみた。

 もし元の世界に帰れないのなら、この村で暮らすのもいいかなと思ってしまった。


………

……


 翌朝、町の外れまでみんな見送りにきてくれた。

 リハク師匠がおれを見つめ

「タクマ、元の世界に帰る前に一度戻ってこい」

「はい、必ず戻ってきます。それまで皆さんお元気で」


 そしておれは、元の世界へ帰る手段を探す旅に出た。



 ここから一番近い村を目指し、サイクロン号を走らせる。

 その村の名はガラパゴ共和国の辺境の村コンタクト。


………

……

ガラパゴ共和国 コンタクト村:

 コンタクト村は、周囲を木の柵で囲まれていた。

 門番がいたので近寄って話しかける。

「ここは、コンタクト村で間違いないですか?」

「はい」

「村に入りたいのですが」

「身分証明書はありますか?」

「いえ持っていません」

「どこから来ました?」

 おれはアーロンさんの紹介状を見せて、冒険者になりにきたことを伝えた。

 冒険者ギルドの場所を聞き、そこに向かう。


……


 冒険者ギルドのドアを開く。受付を見つけたので歩み寄った。

「トウゲン村のアーロンさんの紹介できましたタクマと申します。冒険者になりたいのですが、受付はここでいいですか?」

 受付嬢から少し値踏みするような目で見られた。

「はい、新規冒険者の受付はここになります。冒険者登録するには1万デナ(約1万円)かかりますがよろしいでしょうか?」


「では、こちらの書類に記載をお願いします」

 名前、出身村、身体的特徴を書き、指紋を取られるだけの簡単なものだった。

 嘘発見器の前で、過去の犯罪歴があるか聞かれたが、ないと答えた。

 これで冒険者ギルドカードが出来た。ギルドカードは身分証明書になるらしい。


「これが冒険者ギルドの説明書です」

 ギルドについての説明書受け取る。

 冒険者には冒険者ランクがあり、実力とギルド貢献度により上げっていくらしい。

 ランクはD~A級があり、A級になると、より高難度の依頼を受けられるようだ。

 おれは登録したばかりなのでD級冒険者ってことになる。


「自重してくださいね」

 と受付嬢がつぶやいた。

「…はい」

 何んかいろいろと知っているっぽいな。


 そんなにお金に困ってはいないが、試しに仕事の依頼を受けてみることにした。

「王都まで行くのですが、行く途中で達成できるような仕事の依頼はありますか?」

「それならちょうどいい依頼があります。ノーマン帝国の王都まで荷物を運ぶ仕事です。報酬は王都で受け取れます」

 受付嬢が仕事の依頼を紹介してくれた。

「じゃあその仕事の依頼を受けたいと思います」


「荷物はこちらです」

 何やら厳重に梱包された荷物があった。

「差し支えなければ中身を教えて頂きますか?」

 とりあえず中身の聞いてみる。

「ベヒーモスの角です」

「ああ、先日おれが取ってきた角かもしれませんね」

「あら、そうだったんですか!?助かりましたわ」

 受付嬢が軽く頭をさげた。

「では、お預かりします」


 格納魔法で、依頼の荷物を仕舞う。

荷物を持っていないと不振がられる可能性があるので、ダミーの荷物をサイクロン号のリヤカーに積むことにした。


 コンタクト村からノーマン帝国の王都までの距離はおよそ700キロメートル。

サイクロン号ならそんなに時間もかからないが、途中ノーマン帝国のファスト町とネスト町で一泊する予定だ。



………

……


 街道を、サイクロン号でゆっくり走る。

 街道は、今は平時なので、国境には関所は置いていないらしい。


 途中何人かの旅人をみた。

 そのほとんどが徒歩で、数は少ないが馬に跨った人や馬車に乗った人もいる。


 馬に跨った簡単な鎧のようなものを着た3人組が前方から近づいてくる。

 ギルドで聞いた、ノーマン帝国の街道警備隊ってやつだろうか?


「おい、そこの男、その乗り物はなんだ?」

 先頭の男が声を掛けてきた。

「これは自転車という、足で漕いで進む乗り物です」

 おれが応える。

「自分の力で進む乗り物か!珍しいな。献上する気はないか?」

「ひとつしかない旅のお供ですので、ご辞退させていただきます」

「そうか。で、目的地はどこだ?」

「ノーマン帝国の王都です」

 おれは、コンタクト村の冒険者ギルドの依頼で、預かり物をガラパゴ共和国のコンタクト村からノーマン帝国の王都まで運ぶのだと説明した。

ギルドカードと依頼書を見せて街道警備隊と分かれた。


………

……


ノーマン帝国 ファスト町:

 ファスト町は、周囲を土の壁で囲まれていた。

 ギルドカードを見せ、町の中に入る。

 街並みは中世ヨーロッパってとこか!


 とりあえず宿屋を探す。

(中世のパリみたいに空からウンコが降って来たりしないよなー)

 建物を見上げ、そんなことを考えていると、洗濯物が落ちて来た。落ちて来たのは下着のようだ。

 受け止めないと道路に落ちて汚れてしまうが、受け止めたら騒がれそうだ。

 どうしようと考えていたが、目の前に来たので、瞬間的に手で受け止めてしまった。


 建物の中から誰かが走って出て来た。トラブルの予感。

「すみませ~ん、それ私の洗濯物です」

 う、可愛い。女の娘だ。思わず洗濯物を握りしめてしまった。

 女の娘は一瞬驚いた表情をしたかと思ったら、ジーとおれの手元を見つめている。

「どうぞ・・・異性に触られてあまりいい気はしないでしょうが・・・すみません」

 慌てて手に持った洗濯物を突き出す。

「いえ、どうもありがとうございます」

 といい残し、恥ずかしそうに速足で戻っていった。


 女の娘が去ったあとに、ふと建物の看板を見ると宿屋だった。そのままここに宿泊することにした。

 その後、雑貨屋に行って旅に必要な物を購入し、宿屋に帰って休んだ。


………

……


翌朝:

早く起きたが、少し遅めに町を出た。


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