6.ドラゴンと戦ってみた
『マスター、剣技も闘気の使い方もだいぶ上達してきました。そろそろ最強の動物を相手に特訓を行いたいと思います』
「スパルタン、最強の動物って?」
『ドラゴンです』
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訓練:ドラゴン1回目
ドラゴン(動物):最強の動物。龍とは違い胴が太い。
魔法攻撃大 物理攻撃大 魔法攻撃無効化 物理攻撃防御力大
タクマ(人間)
体力:大
剣技:上手い
闘気:大
闘気の制御:上手い
魔力:大
魔法:生活魔法を少々 サンダー(雷魔法) フレア(爆炎魔法) 他
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【山の洞窟】
ドラゴン発見。
いきなり炎のブレスが飛んで来た。広範囲攻撃だが、口を開けるという予備動作があるため回避出来た。
接近して魔剣で斬りつける。皮膚が厚くて斬り難い。
魔剣で傷つけられるも血も出ない。傷も瞬時に治ってしまう。
「ちくしょー、傷がすぐ塞がってしまう」
同じところを傷つけようとしても、斬った魔剣を皮膚が挟み込むので魔剣がなかなか抜けない。その上この修復速度だ。
「傷が自動回復する前にもう一度同じ個所を攻撃できればいいんだが」
『力量不足です』
……
…
斬っては再生、斬っては再生の繰り返しが続く。肩を斬った瞬間、魔剣の引き抜きが少し遅れた。
その瞬間、ドラゴンの口からの炎のブレスが飛んでくる。
躱そうとしたところ、尻尾が横から飛んでくる。尻尾が体の前方まで振れるとは予想外だった。
手でガードしようと思ったが間に合わず、尻尾が脇腹に食い込んだ。
衝撃で吹っ飛ばされ、壁に激突する。ちょっとしたクレーターが出来る。
「《ヒール》」
自分にヒールをかける。淡い光がおれの体を包みダメージが軽減される。
「外が駄目なら内側から攻撃するか」
ドラゴンが雄叫びを上げた瞬間に、口の中へ剣先を押し込もうとした。
その瞬間、炎のブレスが飛んでくる。
まずい、躱せない。
魔剣と右腕がブレスの直撃を受け、焼け爛れた。
「《ヒール》」
自分にヒールをかけて、火傷を治す。
「次の一手が通用しないときは撤退だな」
今度は足に斬りつけてみる。斬った後、魔剣を引き抜かずに、そのまま押し込んでみる。びくともしない。
最後の一手のつもりだったが全く通用しない。
慌てて魔剣を引き抜こうとするも、皮膚に挟まれ態勢を崩す。
横から尻尾が飛んで来た。
体勢が崩れているため、防御することを諦め、そのまま転がって回避。
「ん?尻尾の付け根に穴があるな」
ヤケクソ気味にその穴に魔剣を思いっきり突き刺してみる。
「ズブッ」
「NNGYAAAAAAA」
『イッヤァァァァー』
効いているぞ。あれ、魔剣スパルタンも何にか叫んでいる?
そのまま魔剣をぐいと押し込み、雷魔法を放つ。
『イッヤァァァァー』
「《サンダー》」
その瞬間、ドラゴンが直立する。
さらに魔剣をぐいぐいと押し込み、爆炎魔法を発動する。
『イヤイッヤァァァァー』
「《フレア》」
「ボン」
ドラゴンの腹部が膨らんだと思ったら、そのままゆっくり倒れていった。
魔剣スパルタンが震えている。超音波切断機能でも付いたのだろうか?
『どこに突っ込んでるんですかー!』
「んー、たぶんだけど、ケツの穴」
『分かっててやったんですか!』
「よし、これからは魔剣スパルタン・アヌスと呼ぼう」
『一回死んでみます?』
本気で怒っているようだ。
「…ごめんなさい」
『フン、そもそも工夫も力量も足りません。
今回の場合は斬撃を飛ばし、同じところを何度も斬り続ければいいじゃないですか』
「あの速度で動かれて、遠くから同じところを何度も斬りつけるなんて無理。それに斬撃を飛ばしたってそんな威力ないし…」
『なら剣にもっと闘気を込めればいいじゃないですか』
「今は、あれが限界なんだがなー」
尻穴攻撃なんてまるでプロレスの裏技だな。
なにはともあれ勝利で終わりました。
「で、ドラゴンは死んだの?」
『生きているようです。今はゆっくり破損個所を再生中です』
「それはよかった」
「尻尾を切って持ち帰りたかったけど、今のおれの力量じゃ切れないから諦めるか」
………
……
…
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訓練:ドラゴン2回目
ドラゴン(動物):最強の動物。龍とは違い胴が太い。
魔法攻撃大 物理攻撃大 魔法攻撃無効化 物理攻撃防御力大
タクマ(人間)
体力:大
剣技:かなり上手い
闘気:大
闘気の制御:かなり上手い
魔力:大
魔法:生活魔法を少々 サンダー(雷魔法) フレア(爆発魔法) 他
必殺技:お尻の穴攻撃
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今日は前回とは違うドラゴンを相手にしてみる。
2度も惨い目に合わせるのは気が引けるからな。
動きの少ない胴を狙って斬撃を飛ばして少し傷をつける。
続けて同じ場所に斬撃を飛ばす。傷が広がる
また同じ場所に斬撃を飛ばす。腕で防御される。
やはり斬撃を飛ばして同じ場所を狙い続けるのは難しいか!
一旦距離を開け、魔剣に闘気を纏わせる。
ドラゴンから炎のブレスが飛んでくるが、フレアで相殺する。
またブレスが飛んでくる。またフレアで相殺する。と同時にドラゴンに横まで飛び跳ねる。
それに気づいたドラゴンが尻尾を横薙ぎに振るってくる。
向かってくる尻尾に斬撃一閃。尻尾が切断された。
「よし、尻尾いただきましたー。このまま全速力で逃げるよ」
近く隠しておいたサイクロン号にまたがり、全速力でその場を離れた。
この日の夕方、広場に集まり、ドラゴンの尻尾のバーベキューで盛り上がった。