5.依頼を受けてみた 3
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本日の依頼:デーモンの討伐
デーモン(悪魔):悪魔
魔法攻撃大 物理攻撃中
タクマ(人間)
体力:大
剣技:普通
闘気:大
闘気の制御:普通
魔力:大
魔法:生活魔法を少々 妨害魔法 他
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【村外れの豪華な屋敷】
「ところで悪魔って斬れるの?」
『はい、闘気が十分なら斬ることも可能です。魔法も有効です』
「闘気足りるかなー…」
…
禍々しい黒い服を着た人物を見つけた。
「悪魔だよね?」
『アキバ執事です』
「………」
とりあえず話しかけてみるか。
「私はタクマ。冒険者の手伝いをしている」
「冒険者の手伝いですか?私はデーモンのアズベル。ここにくる冒険者を狩っています」
素早く駆け寄り魔剣を一閃するも手応えがない。
「それは幻影です」
知っていた。挨拶代わりに斬ってみただけだ。
アズベルが左横に急に現れ剣を突いてきた。
おれは魔剣で受けとめる。アズベルの気配は感じていたが、やはり急に現れると驚く。
「接近戦が得意なのか?」
アズベルに話しかける。
「魔法も使えますが、こちらのほうが好きなので」
細身の片手剣だった。スピード重視か!
斬撃よりも突きを多用してくる。動きも早い。が、剣を交えることなく、すべて体の動きだけで躱すことが出来る。
20手くらい躱した後、一旦距離を置く
「ほう、すべて躱しますか?」
少し不服そうにアズベルがいう。
「その腕ではおれを倒せないよ。魔法を使うことを勧めるよ」
「素直に認めましょう。では《フレア》」
いきなり爆発魔法をぶっ放してきた。
「フュッ」
魔剣スパルタンで爆炎を斬ってみる。
「ばかな!そんな簡単に魔法が斬れるものなのか!?」
アズベルが驚愕している。
「フレ…」
「《ジャミング》」
アズベルの魔法を妨害した。
同時にアズベルに接近し、魔剣でアズベルの胴を横に斬った。
アズベルの下半身から上半身がずり落ちた。
…
「スパルタン、これってこのままにしておくと腐るの?」
『数日すると粉々になって拡散します』
死体の横にアズベルが持っていた剣が落ちていた。
「何んか禍々しいな。持っていても大丈夫?」
『使用者の闘気と魔力の使い方を、多少ですが自動調整してくれる能力があります。持っていても問題ありません』
「貰っていくか。高く売れるといいな」
依頼達成。戦利品あり。
………
……
…
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本日の依頼:ゴーレムの鉄採取
ゴーレム(岩・鉄):岩または鉄でできた戦闘人形。サイズ2メートル。
体系はアンコ型
魔法抵抗能力大、物理耐性大、移動速度低
タクマ(人間)
体力:大
剣技:普通
闘気:大
闘気の制御:普通
魔力:大
魔法:生活魔法を少々 しみったれ魔法 他
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【村から遠く離れた迷宮の中】
岩のゴーレムを発見。
「ロボットですよね」
『ただの岩です』
「………」
移動速度はかなり遅い。
ゆっくり近寄り斬りつける。
真っ二つに斬り裂かれた瞬間、岩ゴーレムがボロボロ崩れていく。
その中に丸い水晶のようなものが現れた。
次の瞬間、その丸い水晶のようなものを中心に、崩れて散らばっていた岩が集まり始めた。
『核を中心にゴーレムが再生されています。この核を壊せば再生も止まる』
急いで核を破壊した。
再生途中のゴーレムが崩れていく。
……
…
その後5時間かけて数百体の岩ゴーレムを撃破するも、肝心の鉄ゴーレムは現れない。
さらに1時間後、ようやく黒光りのゴーレムを見つける。
岩ゴーレムと同じように動きが遅い。
「鉄だけど斬れるのか?」
「シュッ」
「ガコ」
ゆっくりと鉄ゴーレムを斬ってみた。真っ二つに切れた。
しかし岩ゴーレムと違って、切っても崩れない。崩れていないせいで核も見つけられない。
核を確認しているうちに、切断部分がお互い近づき、元の姿に復元してしまった。
回りを見ると岩ゴーレムも数体近づいて来た。邪魔だなー。
「《スリップ》」
石ゴーレムが次々に滑って転ぶ。
手あたり次第スリップをかけた。
「あ、間違って鉄ゴーレムにもスリップかけちゃった」
鉄ゴーレムも滑って転び、そのまま滑ってどんどん離れて行く。
しばらく滑ると深い縦穴に落ちてしまった。
慌てて縦穴を確認する。かなり深い。
「これは追うのは無理だな」
『マスター、今回の依頼は鉄ゴーレムの素材の取得です』
「分かっているよ」
その後も鉄ゴーレムを探したが、現れるのは岩ゴーレムだけだった。
依頼は失敗。サイクロン号に乗って帰ろう。
あーあ、やらかしちゃったなー
おれの頭の中にはあの2人組ロック歌手(?)のフレーズが
(………あ~鉄ゴーレム滑って縦穴落ちちゃったぁ♪)
………
……
…