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第6話 〜仲間〜

「お前らは明後日に行われるゴブリン・ロード討伐に駆り出される!」


「怪我治って言うことそれかよ!?」


「ってかゴブリン・ロードって……5大災害のモンスターじゃないですか!?」


「……た、たたた倒せるんですか?」


「そんなの知るわけないだろう。だが、駆り出される騎士団は精鋭揃いだ。第2騎士団、第4騎士団の、第6騎士団、第7騎士団の団長がゴブリン・ロードを討伐し、ゴブリン達を他の騎士たちとお前らが倒す。簡単だろう?」


「簡単に言うけど、それが簡単じゃないですからね!?」


 シルフィードの国【風の国】に属す5大災害と言われる、歩くだけで災害クラスの被害を起こすモンスターがいる。


 ゴブリン・ロード


 ウルフ・ロード


 オーガ・ロード


 デーモン・ロード


 ドラゴン・ロード


 全員モンスターと言われているが容姿は人間と瓜二つ。他にも【風の国】に属している強者達は沢山いるが、この5人のモンスターが際立っている。

 ゴブリン・ロードの特徴と言えば、強力な分身体を何体も作り出すことが出来る。ゴブリン・ロードが作った分身が厄介も厄介なのだ。


「作戦までにお前達を必要最低限まで強くするのが私の役目だ。そこで考えたのが日が暮れるまでお前達の攻撃を私が全て受ける。これまた簡単だ」


「……昨日の惨劇を覚えてないんですか!? 無理ですよ!?」


「うんうん!」


「お前達は弱い。だから私も戦場へまだ駆り出したくは無いと思っているが……いかせん、私の団の団員は少なすぎてな」


「私は一体全体なんでこんな団に入ってしまったのでしょうかね!?」


「ザイザル。もう諦めろ。俺は諦めた」


「……そ、そうだよ。私も諦めました」


「もう諦めるしかないのですか!?」


「諦めるしかないし、諦めがついたら……いつでも私にかかって来い。完膚なきまでに叩き潰してやる」



 ーー3時間後ーー



「よし。休憩入れていいぞ」


「くは……やっと休みだ」


「死にかけました……」


「…………もう……無理です……」


 俺とザイザル、アクイルはひっきりなしにカルイルに攻撃を仕掛けたんのだが……全てを弾き返される。

 剣を使ったらどんな戦いをすんだよ。っとか思いつつ、自分が何故か強くなっているのを実感出来る。


 的確に自分の弱点をカルイルが言ってくれるのが有難い。


「…………あの〜。前から思ってましたが、パンさんってなんでアクイルさんに近寄らないんですか?」


「……アクイルは別に悪くないけどよ。俺は……女が怖いんだよ」


「ぶはっっっっ!? 女の子が怖い!? パンさんが!? 馬鹿じゃないですか!?」


「…………だから言いたくなかったんだ」


 ザイザルが大声で笑うのには理由がある。


 パン、アクイル、ザイザルが昨日病棟で寝ていた時。

 ザイザルは何故かアクイルに全く近寄らないパンを気にしていた。なのに寝言はパンツ……パンツ……パンツ……っと言いながら寝ていたためそれもあってザイザルは大声で笑っている。


「でも、パンさんってパンツが好きなんですよね?」


「お前それ言っちゃう? 俺にパンツの事を語らさたら1日なんてあっという間に終わっちまうぜ?」


「ぶはっっっっ!? 女の子が嫌いなのに、パンツが好きなんて……馬鹿すぎる」


「馬鹿とかいうなし! ってかお前もお前でアクイルが居る前で堂々と良くパンツの話できるな!?」


「私はそういうのを気にしないので」


「いや、眼鏡クイッとしてもかっこ悪いぞ」


「……かっこ悪かったですか?」


「ああ。めっちゃかっこ悪い」


「……ふふふっ」


「アクイルさん笑いましたね!? 女の子に笑われるかっこ悪さだったんですか!?」


「……かっこ悪かったです」


「あははははは! 言われてやがる」


「いや、アクイルさんに近づけないパンさんも相当かっこ悪いですよ」


「お前ぶっ殺すぞ」


 団長との戦闘の結果。驚異的な早さで3人の信頼関係が生まれ、パンの初めての友達になりつつあった。


「あら。カルイル、そんなにあの子達を見てるのが面白いの?」


「マリンか。……面白いといえば嘘になるな」


 3人が日中の日差しの元、仲良く談笑している一生の仲間になるであろう3人を見て面白いと思わない人はいない。


「この団結が……脆さであり強さでもある。私は強さになると思っている」


「でも、カルイルはそれが嫌いなんでしょ?」


「嫌いだな。大っ嫌いだ。だが、あいつらが強くなりにはこの方法しかない。全員が死なないためにも」


「第7騎士団にはどうしてそんなに、騎士長は厳しいのかしら」


「そんなことは知らん。だが、一言言えるのは。私の団は人柱に最も適している」


「……皮肉な話ね」


 3人が未だに談笑している姿を見て、カルイルは———


「よしっ! お前ら! 休憩は終わりだ!」


「はあ!? もう休憩終わりかよ!?」


「そうですよ!? もうちょっと休憩を!?」


「うんうん!」


「黙れ。死にたくなければ戦い続けろ」




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