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第1章4話 『魔術師との邂逅』

時の流れは早く、俺はもう11歳になる。


あれから6年間、シスターの目を盗んでは冒険者ギルドに足を運び、アンナさんに冒険者として必要な知識を色々と教えてもらった。

魔物について、クエストについて、ギルドについて。


しかし、俺が最も欲していた魔術についての知識はほとんど手に入っていない。


カデナ支部は田舎にある冒険者ギルドなのだ。


そもそも、魔術師が冒険者になることはそこまで多くないらしい。

国に仕えたり、貴族に雇われたりということが多いのだという。

どこかにあるという魔術大国には多くの魔術師がいるらしいが、実際に行って見ないとわからない。

ギルドに所属する多くの魔術師は国のギルド本部であったり、その近辺のギルドなどに所属している。


なので田舎のギルドに魔術師がいることなど珍しいのだという。


魔術は魔術師から教えてもらう、もしくは魔術学校に通って覚えていく、といった方法が主流で、独学で習得するのは難しい。


もちろん俺もこの6年間、色々と試してみたがうんともすんともならなかった。


実際に魔力チートが俺にあるのかも把握する術がない今は、魔術にこだわるよりも冒険者としての知識・技術を磨くことに力を注いだ。


剣の使い方を学び、成長を阻害しない程度に体を鍛え。


あと1ヶ月で12歳を迎えるという頃。


カデナ支部に魔術師が来たのだ。

















「おはようございますギルマス!」


朝イチでギルドに顔を出すと、ギルドマスターが食事をしていた。


ギルドの中には酒場が併設されていて、簡単な食事なら提供してくれる。


「おうアベル、今日はやけに早いな……あぁ、本部から魔術師が来るのが今日だったな。」


ちなみにギルマスはアンナの父親である。


ギルマスは強面なのにアンナさんは優しい表情で、遺伝子が仕事をしなくて本当に良かったと思う。


ちなみに俺に剣を教えてくれているのはギルマスで、かつては凄腕の冒険者だったらしい。


「前に一度会ったことがあるが、気のいい爺さんって感じだったぞ。

こっちでのクエストのついでにここによるだけだから、そう長居はしないと思うが、色々教えてくれるだろ。」


食事を終えたギルマスはそう言ってギルドマスター室へ戻っていく。


俺は冒険者達に挨拶をしながら魔術師が来るのを今か今かと待ちわびていた。


2時間が経った頃、ギルドの扉が静かに開き黒いローブを着た老人が中に入ってきた。


間違いない…!あの人が本部から来た魔術師だ…!


「あ、あの!魔術師さんですか!?」


居ても立っても居られず、すぐに老人に声をかける。


「いかにも。儂は魔術師じゃよ。

じゃが、今からギルドマスターに報告をしないといけないのでのぅ。話は後で聞かせてもらおう。」


そういって俺の頭をポンポンと軽く叩き、ギルドマスター室へ入っていく。


ギルマスの言う通り優しそうな老人だった。


これなら魔術について聞けるはずだ…!

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