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第1章2話 『冒険者になりたい』

俺は孤児として転生したらしい。

孤児院の前にカゴに入った状態で赤ん坊の俺が置かれていたらしい。


らしい、というのも転生してから5年間の記憶が俺にはないのだ。

5歳の誕生日(俺が孤児院に拾われた日)に転生したことを自覚した。

その時には5歳までの記憶がなく現状を把握するのに苦労した。


今世での俺の名前はアベル・グラント。

グラント孤児院で拾われたから姓はグラント。


いきなり様子が変わったと怪しまれたりもしたが自分の置かれている状況を把握し、次なる行動を計画し始めた。


目標は冒険者として一流になる。

5歳までの俺は冒険者に強い憧れを抱いていたらしい。

転生前は冒険者になるのも悪くない、程度の気持ちだったのだが5歳までの自分に引っ張られているのがわからないが今の俺自身も冒険者として活躍したいという気持ちが強い。


俺には女神からもらった膨大な魔力があるはずだ。

なら、それを活かして魔術師として冒険者になる。


誕生日から1ヶ月後、孤児院の責任者であるシスターに冒険者になりたいと話に言った。


「ダメです!そんな危ない仕事についてはいけません!」

1ヶ月しか孤児院で生活をしていないが、わかっていることがある。

このシスター、引くほど過保護である。


シスター・セレーネ。

今年で20歳になるまだ若いシスターで、少しウェーブのかかった茶髪を腰まで伸ばした巨乳の美女だ。

転生前なら一目惚れしたんだろうが、今の俺は5歳。

どうも精神も年齢に引っ張られているようであり、口うるさい年上のお姉さんくらいにしか思えない。


「確かにアベルは昔から冒険者に憧れていましたが、憧れと現実は別物です!

 母としては認められません!」


まだ20歳という若さなのだが俺に対し母性のようなものを持っているらしい。

今グラント孤児院には孤児が俺しかいないので、ほとんどをシスターと二人ですごしている。

この世界では15歳で成人となり、孤児院を出ることになる。

少し前に2人が成人して出て行ってから寂しそうにしていることが多い。

なので俺に対してとても過保護なのだ。


「まだ5歳になったばかりだというのに、冒険者になるなんてダメです!

 夢見ることは悪いことではないです!でも現実もしっかり見てください!」


5歳の子どもに言うことじゃないだろ。普通の子どもなら泣くかもしれないぞ。


「とにかく、ダメなものはダメです!」


と言ったきりシスターは口を聞いてくれなくなった。


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