964:一時の休息
書籍版マギカテクニカ13巻、1/19(月)に発売となります。
情報は順次、活動報告とツイッターにアップしていきますので、ご確認ください!
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空間に奔った銀の閃光。全てを断ち斬るその一閃は、直接バオウの胴へと叩きつけられ、抵抗を許すことなく横一文字に両断する。
鎧を纏っていれば、まだ可能性はあっただろうか。
いや、あの尾を直接その身に受けてしまえば、鎧を纏っていたとしても防ぐことはできなかっただろう。
腰から両断された巨大な竜人は、大きく目を見開いたままに二つに分かれて地へと崩れ落ち、そのまま消滅することとなった。
『レベルが上昇しました。ステータスポイントを割り振ってください――』
鳴り響くレベルアップのインフォメーション。
それを耳にして、俺はようやく息を吐いて切っ先を下ろした。
どうやら、何とかこのエリアのボスも倒すことができたようだ。
「ふぅ……大した怪物だったな」
「結構、消耗させられましたね」
周囲に敵の気配が無いことを確認して、ようやく警戒を解く。
流石に、ボスエリアでこれ以上の襲撃が来るということは無いだろう。
とはいえ、今回の敵は流石に抑えて戦うことは厳しい相手だった。
成長武器の完全解放を使わずに済んだのは幸運だったと言ってもいいだろう。
使用したのは獄卒変生と【三位一体】だけ。他は使用せずに勝利できたのは、我ながら幸運だったと言えるだろう。
「許容範囲ではあるが、流石に消耗は否めないな。少し、休憩するべきだろう」
本来であれば、あまりボスエリアに居座るべきではない。
しかし、このエリアまで到達しているほかプレイヤーは、現状存在していないはずだ。
であれば、しばらくこの場を占拠していたとしても問題は無いだろう。
まあ、全てのクールタイムが終わるまで待つ、ということはできないかもしれないが。
「シリウスも、苦労を掛けたな」
「グルル」
シリウスのMPはかなり削れてしまっており、更にHPのダメージもそれなりに受けている。
どうやら、小さな攻撃には《不毀》を発動させないように抑えていたようだ。
それでも尚これほどの消耗を強いられているのだから、バオウというボスの強さが良くわかる。
HPは回復魔法で足りるが、MPの回復を自然回復に任せていては時間がかかりすぎるだろう。
ここは、強めの回復ポーションを渡しておくか。
「とりあえず、しばらくは回復だな。ポーションを使えばそこまで時間はかからんだろう」
「そうですね。レベルアップがてら、ちょっと休みましょう」
適当に腰を下ろすと、緋真もその隣に並んで地面に座る。
シリウスの口にはエレノアから購入した高級なMPポーションを放り込みつつ、俺は聳え立つ巨大な塔へと視線を向けた。
根元から見てもその頂上は見えず、果たしてその様相を確認することはできない。
果たして、この先に何があるのか。門を守っていたバオウが消えた以上、その内部への道を阻むものは何もない。
「水蓮、メンバーに脱落者は?」
「いませんよ。あの怪物と直接やりあっていたらわかりませんでしたが、こちらは雑魚への対応が多かったですからね」
メンバーの状況を確認していた水蓮に確認し、メンバーの欠員が無いことにはとりあえず安堵する。
もしも全員でバオウに当たっていれば、脱落してしまうメンバーが出ていたかもしれなかった。
公爵級相当と判定したほどの相手だ。複数のHPゲージこそ持っていなかったものの、その技量、能力は間違いなく本物だった。
そういう意味でも、今回のMVPはシリウスで間違いないだろう。
「しかし、巨大な相手というのはやりづらいですね。おまけにああも頑丈となると」
「攻撃を通すために手段は色々と準備しておくべきだろうな。俺たちも苦労してきた点だ」
俺のパーティは攻撃特化だ。逆に言えば、攻撃を通すことができなければその時点で勝ち筋は少なくなる。
如何にして攻撃を通すかという点は、俺たちがこれまでずっと直面してきた課題だ。
逆に言えば、それを解決できれば勝てる相手は非常に多くなる。
極論、ダメージさえ与えられるなら勝てるのだ。そのための手札はいくらでも増やしていくべきだろう。
とはいえ、その言葉を聞いた水蓮は苦笑と共に肩を竦めていたが。
「そのための手段が鎧断というのは、流石に無茶が過ぎると思いますが?」
「さっきはそれが手っ取り早かったっていうだけだ。他にも手段はあるだろうよ」
まあ確かに、解決のために奥伝を習得するというのは中々に難しい話だろうが。
とはいえ、先ほどは鎧断を使わずとも、シリウスの刃を直接叩き込むことができれば斬れていたかもしれない。
工夫すれば、攻撃を通す手段はいくつか考えつくものだ。
「ま、それは課題としておきます。ところで、次はあの塔に行くのでしょうが……偵察などは必要ですか?」
「いや、踏み込んだ途端に何かが起きても面倒だ。進むときは足並みを揃えて行くべきだろう」
突然扉が閉まり、閉じ込められる可能性もある。
先行したメンバーだけが閉じ込められれば、それを救出することは困難だろう。
情報を得られないまま進み、全員が罠にかかるという可能性もあるが、脱落者を避けるためには必要なことだ。
「何が起こるかわからんからな。情報は欲しいが、進むこと自体にも慎重になった方がいいさ」
「ふむ……わかりました。では、少し休憩ですね」
「ああ、できるだけ回復してから進むぞ」
俺たちはともかく、レイドの全員が消耗せずに来られたというわけではない。
クールタイムの重いスキルを使ってしまったメンバーもいるだろう。
それらを回復しきることは難しいが、できる限り万全の状態で進みたい。
ここから先は、消耗を抑えて戦うことは難しいだろうからな。
門下生たちに指示を出すため踵を返した水蓮を見送り、改めてステータスの状態を確認する。
(……流石に、次が最後のエリアでなければ厳しいか)
切り札と呼べるスキル、テクニックもいくつか使わされた。
ここから先のエリアがさらに難易度が上がると考えると、これ以上は消耗を抑えて戦うことは難しいと言える。
この塔が最後のエリアであり、全てを出し切っても問題ないのであれば助かるが――
「……やれるだけやるしかないか」
事前の情報は一つも無い、賭けと呼ぶしかない戦いだ。
だが、それでも俺たちはここまで来た。ならば、進めるところまで進むしかあるまい。
そんな懸念を抱きながら塔の上を眺めていた俺に、隣の緋真が苦笑交じりに声を上げた。
「たぶんですけど、次で最後だとは思いますよ?」
「ほう、その根拠は?」
「これまでは地下に進む形でしたけど、今回は上ですからね。そこから先に進む道が見当たらないじゃないですか」
「ふむ……だが、ワープなり飛ぶなりの可能性もあるだろう?」
「はい、その可能性もありますけど……」
頷いて、緋真は視線を横へと向ける。
そこは、先ほどバオウが斃れた場所。
その戦いを思い返すかにように目を細め、緋真は続けた。
「これ以上は、敵が強すぎます。バオウは公爵級の一形態ぐらいの強さでしたが……これ以上になると、公爵級そのものと戦うレベルですよ」
「そこから先に進むとなると、それこそ大公級ほどのレベルか」
「それをレイド一つで対処しろってのも無理な話ですよね?」
「……まあ、それもそうか」
マレウスは容赦がないものの、達成できないような課題を提示することは無い。
このダンジョンも、俺たちで何とか勝てるレベルにはなっているはずだ。
無論、全てを出し切っていいからといって容易い相手ではないのだが。
「次で最後であることを、期待して進むとするかね」
次が最後のエリア。果たして、何が待ち受けているのか。
あれこれと使ってここまで来たのだ。全てを出し切ってでも、クリアしてみせるとしよう。
■アバター名:クオン
■性別:男
■種族:羅刹族
■レベル:153
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:110
VIT:60
INT:76
MND:40
AGI:66
DEX:40
■スキル
ウェポンスキル:《刀神:Lv.74》
《武王:Lv.46》
マジックスキル:《昇華魔法:Lv.88》
《神霊魔法:Lv.58》
セットスキル:《致命の一刺し:Lv.80》
《MP自動超回復:Lv.58》
《奪命剣:Lv.100》LIMIT
《練命剣:Lv.100》LIMIT
《蒐魂剣:Lv.100》LIMIT
《テイム:Lv.100》LIMIT
《HP自動超回復:Lv.58》
《生命力操作:Lv.100》LIMIT
《魔力操作:Lv.100》LIMIT
《魔技共演:Lv.79》
《レンジ・ゼロ:Lv.25》
《回復特性:Lv.84》
《超位戦闘技能:Lv.51》
《剣氣収斂:Lv.100》LIMIT
《血戦舞踏:Lv.27》
《空歩:Lv.32》
《会心破断:Lv.76》
《再生者:Lv.56》
《オーバーレンジ:Lv.27》
《三魔剣皆伝:Lv.27》
《天与の肉体:Lv.31》
《抜山蓋世:Lv.27》
《鑑識:Lv.3》
《刀鬼の武辺》
サブスキル:《採掘:Lv.18》
《聖女の祝福》
種族スキル:《夜叉業》
《獄卒変生:黒縄熱鎖》
称号スキル:《剣鬼羅刹》
■現在SP:18
■アバター名:緋真
■性別:女
■種族:羅刹女族
■レベル:153
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:104
VIT:50
INT:92
MND:50
AGI:60
DEX:40
■スキル
ウェポンスキル:《刀神:Lv.74》
《武王:Lv.50》
マジックスキル:《灼炎魔法:Lv.64》
《昇華魔法:Lv.61》
セットスキル:《武神闘気:Lv.53》
《オーバースペル:Lv.50》
《火属性超強化:Lv.54》
《回復特性:Lv.76》
《炎身:Lv.89》
《致命の一刺し:Lv.68》
《超位戦闘技能:Lv.57》
《空歩:Lv.59》
《術理掌握:Lv.64》
《MP自動超回復:Lv.51》
《省略詠唱:Lv.43》
《蒐魂剣:Lv.86》
《魔力操作:Lv.100》LIMIT
《並列魔法:Lv.60》
《魔技共演:Lv.55》
《燎原の火:Lv.91》
《二天一流:Lv.41》
《賢人の智慧:Lv.76》
《曲芸:Lv.31》
《臨界融点:Lv.30》
《剣技:絶景倒覇:Lv.29》
《抜山蓋世:Lv.27》
《鑑識:Lv.3》
《炎熱の魔人》
サブスキル:《採取:Lv.7》
《採掘:Lv.19》
《聖女の祝福》
種族スキル:《夜叉業》
《獄卒変生:焦熱烈火》
称号スキル:《緋の剣姫》
■現在SP:32
■モンスター名:ルミナ
■性別:メス
■種族:ヴァルハラガーディアン『破邪剣精』
■レベル:67
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:100
VIT:55
INT:100
MND:55
AGI:93
DEX:60
■スキル
ウェポンスキル:《刀神》
《神槍》
マジックスキル:《天光魔法》
《大空魔法》
スキル:《光属性超強化》
《戦乙女の神翼》
《魔法抵抗:極大》
《物理抵抗:大》
《MP自動超回復》
《超位魔法陣》
《ブーストアクセル》
《空歩》
《風属性超強化》
《HP自動超回復》
《光輝の戦鎧》
《戦乙女の大加護》
《女神の霊核》
《精霊の囁き》
《吶喊》
《大霊撃》
《戦乙女の騎行》
《精霊進化》
《戦術指揮》
《神霊化》
《神域の智慧》
称号スキル:《精霊王の眷属》
■モンスター名:セイラン
■性別:オス
■種族:ワイルドハント『嚆矢嵐征』
■レベル:67
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:120
VIT:80
INT:73
MND:53
AGI:110
DEX:53
■スキル
ウェポンスキル:なし
マジックスキル:《天嵐魔法》
《大空魔法》
スキル:《風属性超強化》
《天征》
《騎乗》
《物理抵抗:極大》
《痛恨撃》
《剛爪撃》
《覇王気》
《騎乗者大強化》
《天歩》
《マルチターゲット》
《神鳴魔法》
《雷属性超強化》
《魔法抵抗:大》
《空中機動》
《嵐属性超強化》
《吶喊》
《雷電降臨》
《亡霊召喚》
《剛嵐》
《亡霊操作》
《亡霊分身》
《麻痺耐性:超》
《一番槍》
《轟雷疾駆》
称号スキル:《嵐の王》
■アバター名:アリシェラ
■性別:女
■種族:闇月族
■レベル:153
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:60
VIT:48
INT:60
MND:48
AGI:90
DEX:80
■スキル
ウェポンスキル:《闇殺刃:Lv.74》
《連弩:Lv.47》
マジックスキル:《深淵魔法:Lv.53》
《闇月魔法:Lv.45》
セットスキル:《致命の一刺し:Lv.79》
《姿なき侵入者:Lv.58》
《超位毒耐性:Lv.27》
《フェイタルエッジ:Lv.53》
《回復特性:Lv.65》
《闇属性超強化:Lv.48》
《ピアシングエッジ:Lv.59》
《トキシックエッジ:Lv.51》
《静寂の鬨:Lv.42》
《真実の目:Lv.62》
《パルクール:Lv.55》
《パリスの光弓:Lv.37》
《血纏:Lv.40》
《ミアズマウェポン:Lv.94》
《空歩:Lv.50》
《魔技共演:Lv.55》
《闇月の理:Lv.48》
《ブリンクアヴォイド:Lv.73》
《死神の手:Lv.63》
《光神の槍:Lv.39》
《超直感:Lv.29》
《天上の舞踏:Lv.27》
《リサイクル:Lv.38》
《透き通る殺意》
サブスキル:《採取:Lv.23》
《調薬:Lv.28》
《偽装:Lv.27》
《閃光魔法:Lv.1》
《聖女の祝福》
種族スキル:《闇月の魔眼》
《月光祭壇:闇月》
称号スキル:《天月狼の導き》
■現在SP:18
■モンスター名:シリウス
■性別:オス
■種族:ブレイドドラゴン・デュランダル
■レベル:27
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:142
VIT:130
INT:70
MND:94
AGI:70
DEX:80
■スキル
ウェポンスキル:なし
マジックスキル:《昇華魔法》
スキル:《断爪撃》
《絶鋭牙》
《吶喊》
《ブラストブレス》
《物理抵抗:極大》
《不毀》
《鋭斬鱗》
《鋭刃翼》
《斬尾撃》
《魔法抵抗:極大》
《龍覇気》
《移動要塞》
《研磨》
《変化》
《龍王気》
《バインドハウル》
《急速再生》
《鱗魔弾》
《不毀の絶剣》
《ディフェンシング》
《魔力蓄積》
《リフレクトインパクト》
称号スキル:《真龍》





