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Magica Technica ~剣鬼羅刹のVRMMO戦刀録~  作者: Allen
DH ~Dragon Heart~

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919/955

913:竜心公と黒覇竜











 己の身に満ちる力を実感し、ドラグハルトは細く息を吐き出した。

 この展開になることは理解していた。同様に、覚悟も。

 悪魔たちには、そして異邦人たちにはそれだけの力があると確信し、その上で絶大なる障害を乗り越えることも期待していたのだ。

 そして、彼らは見事に、その期待に応えてみせた。



「――大儀であった、我が忠臣。貴公らの献身、余すことなく受け止めよう」



 僅かな、それでも確かな悲哀を胸裏に隠し、ドラグハルトは静かにそう告げる。

 失われたことに対する悲しみはある。成し遂げられなかったことに対する未練も、否定することはできないだろう。

 しかし、その上で――ドラグハルトは、己に捧げられた総てに応えるべく立ち上がった。


 彼が今立っているのは、エインセルとの戦場より遥か西の地。

 徹底的に破壊された台地と、その残骸。その中心へと歩いて行くドラグハルトの身には、これまでとは比較にならないほどに大量のリソースが集中しつつあった。

 二体の公爵級悪魔――それも、大公との戦いに参加したレヴィスレイトとアルファヴェルムの力は、計り知れないほどの量に達していたのだ。

 無駄なく捧げられ、収束していくそのリソースは、アルファヴェルムがエインセルの力を解析したが故の力だ。



「貴公には後悔があったか、エインセル。それは、貴公が人間であったからこそか」



 味方のリソースを吸収し、己の身へと収束させるその技術は、悪魔にとっては何一つ忌避するものではなかった。

 唯一気にしていることは、己に付き従ってくれた忠臣を犠牲にしなければならなかったこと。

 この展開を避けられるのであれば、ドラグハルトとて別の選択肢を選んだだろう。

 しかし、状況はここまで進んでしまった。異邦人たちが優れた実力を発揮したが故に、彼らだけで大公の持つリソースを独占することができなかったのだ。



「英雄よ、勇者よ。我が好敵手たちよ――刮目するがいい」



 呟きながら、ドラグハルトは視線を上げる。

 荒廃した都市の残骸、形を残しているものなど何もない廃墟で、寝転がりながら周囲を睥睨している一人の男へと。



「余が成すことを、その果てを。我が覇道、目に焼き付けるがいい」



 高まる戦意と、強大なる魔力。

 渦を巻くその力に、黒き男は小さくその口元を歪めた。



「成程、それがテメェの答えかい、竜心公。ま、お山の大将じゃ俺には届かんわな」

「これこそが余の戦い、余の戦争だ。否定するか、大公ヴァルフレアよ」



 最後の大公、黒き覇竜ヴァルフレア。

 その理はひどく単純だ。即ち弱肉強食――強き者が生き残り、全てを喰らう。

 ただそれだけが彼にとってのルールであり、そうであるからこそ彼は個として最強であると言える。

 同胞であるアルフィニールやエインセルが倒れたとして、彼にはそこに対する感情すらない。

 弱かったから敗れた、ただそれだけのことである。

 故に――



「否定? まさか、テメェが今ここに立っていることが全てだ、そうだろう?」



 告げて、ヴァルフレアはゆっくりと体を起こす。

 深く暗い陥穽のような、光を返さない漆黒の瞳。その双眸は、ただ静かにドラグハルトのことを見据えていた。

 その表情の中に、侮りの色はない。ただ、目の前に敵がいる――その事実だけを、淡々と受け止めていた。



「いかなる手段を用いていようが、最後に立っていた者が勝者だ。全てを喰らうべき者だ。それが俺になるか、テメェになるか……ただ、それだけの話だろう?」



 最強にして最後の大公であるヴァルフレアは、それをただ事実として淡々と告げる。

 彼はそうして生きてきた。戦い、喰らい、最後に生き残った。だからこそ、自分もまたその理から目を背けることはない。

 ただ、強い者だけが最後に残る。その純然たる事実を胸に、ヴァルフレアはゆっくりと立ち上がった。



「目的だの、未来だの、まあどうでもいい話だ。俺たちの戦いにはそんなもんは余分なんだよ――もっとシンプルに行こうじゃねぇか」

「余と、貴公。どちらが強いか、か」

「そうさ、それでいい。ただ、強い方が生き残り、全てを喰らう――その結論を付けるってだけだ」



 その体に、黒いスパークが走る。

 渦を巻く漆黒の魔力はヴァルフレアの全身を包み込み――やがて、巨大な竜巻へと変貌していく。

 それを目にしたドラグハルトもまた、己が身に宿る魔力の全てを解放した。

 既に、エインセルを相手に解き放った力は回復している。万全の状態を以て、ドラグハルトは己が真の姿を解き放った。

 即ち、漆黒と、黄金。龍王にも引けを取らない――否、龍王すらも凌駕する強大な二体のドラゴンが、蹂躙された大陸西部に顕現したのだ。



『御託はもう十分だろう? 始めようじゃねぇか、竜心公ドラグハルト。俺と、テメェの、戦争をな』

『異論はない、ここに至って言葉は不要。黒覇竜ヴァルフレアよ、その力、余が貰い受ける』



 二つの光は、大地を蹂躙しながら天へと舞い上がる。

 そして――両者の口より放たれた破滅の咆哮は、ブレスとなって正面から激突したのだった。











 * * * * *











 西へと向かい、セイランを走らせる。

 セイランのスピードからするともっと急ぐことも可能ではあるのだが、生憎とそれでは緋真たちを置いていくことになってしまう。

 俺もスキルの使用時間が終了してしまったことで、長時間のデメリット付きクールタイムを受けている状況だ。

 正直なところ、大公だろうが公爵だろうが、まともに戦える状況ではない。

 追いかけたところで、俺たちにできることは少ないだろう。



「……済まんな、ベル。色々と、不満はあるかもしれんが」

『そうですね、欲を言えば私の手で葬りたかったところではありましたが……貴方が使った技を見るに、長老でもなければそれは叶わなかったでしょうから。エインセルの最期を確認できただけ、良かったと思うことにしています』



 エインセルとの戦いを乗り越えたベルであるが、直後にこの状況となったため、今のところ行動を共にしたままの状態である。

 彼女の経歴からして、ここで契約を解除したとしてもおかしくはないのだが――どうやら、このまま行動を共にしてくれるらしい。



「良かったんですか、他の白龍の皆さんのところに戻らなくて」

『それも考えましたが……竜心公ドラグハルトは、金龍王閣下を狙っているのですよね?』

「まあ、そうだな。女神を狙うために、金龍王の力を奪おうとしているんだったか」

『であれば、止めねばなりません。それが真龍としての務めですから』



 まあ彼女の言う通り、真龍の立場からすればドラグハルトは何としても止めねばならない相手だろう。

 金龍王は真龍たちの長、それが倒されることなどあってはならないのだから。

 一方で、今の俺たちには止めきれるものではないという実感もあった。

 元より強力な悪魔であったドラグハルトが、己の勢力の全てを取り込んで強化したのだ。

 その力は計り知れない。正直なところ、この流れでは大公ヴァルフレアの勝利すら祈っている状況だった。

 と――



『……! 皆さん、衝撃に備えて!』

「ッ!?」



 ベルの警告に、俺たちは身体を騎獣へと伏せて構えた。

 瞬間、西の方角より、強力無比な魔力の気配が顕現し――強大な衝撃波となって、周囲一帯へと伝播していった。

 幸い、ベルの警告があったため弾き落とされることはなかったが、それでもかなりの衝撃であったことは間違いない。



「今の、こっちへの攻撃……じゃないのよね。まさか、攻撃の余波だけで……?」

「しかも、まだ全然距離があるんですよ。災害レベルじゃないですか……!」



 二人の言葉に、思わず眉根を寄せる。

 やはり、桁が違う。近付くことすらも危険なほどの、圧倒的な力だ。

 対し、こちらはほぼ全ての切り札が使用不可能な状態。

 とてもではないが、そんな怪物を相手に戦えるコンディションではなかった。



(……だが、それでも)



 見届けねばなるまい。マレウスに辿り着くまでの、最後の障害が何者であるのか。

 圧倒的な、力と力のぶつかり合い。それがどのような結末に辿り着くのかを。

 まだ、距離はある。それでも、その中心は着実に近付いて来ていた。











■アバター名:クオン

■性別:男

■種族:羅刹族

■レベル:146

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:109

VIT:60

INT:70

MND:40

AGI:59

DEX:40

■スキル

ウェポンスキル:《刀神:Lv.67》

 《武王:Lv.39》

マジックスキル:《昇華魔法:Lv.81》

 《神霊魔法:Lv.53》

セットスキル:《致命の一刺し:Lv.73》

 《MP自動超回復:Lv.50》

 《奪命剣:Lv.100》LIMIT

 《練命剣:Lv.100》LIMIT

 《蒐魂剣:Lv.100》LIMIT

 《テイム:Lv.100》LIMIT

 《HP自動超回復:Lv.49》

 《生命力操作:Lv.100》LIMIT

 《魔力操作:Lv.100》LIMIT

 《魔技共演:Lv.74》

 《レンジ・ゼロ:Lv.18》

 《回復特性:Lv.77》

 《超位戦闘技能:Lv.44》

 《剣氣収斂:Lv.98》

 《血戦舞踏:Lv.20》

 《空歩:Lv.24》

 《会心破断:Lv.69》

 《再生者リジェネレイター:Lv.51》

 《オーバーレンジ:Lv.19》

 《三魔剣皆伝:Lv.22》

 《天与の肉体:Lv.24》

 《抜山蓋世:Lv.20》

 《見識:Lv.45》

サブスキル:《採掘:Lv.18》

 《聖女の祝福》

種族スキル:《夜叉業》

 《獄卒変生:黒縄熱鎖》

称号スキル:《剣鬼羅刹》

■現在SP:60






■アバター名:緋真

■性別:女

■種族:羅刹女族

■レベル:146

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:100

VIT:50

INT:90

MND:44

AGI:52

DEX:40

■スキル

ウェポンスキル:《刀神:Lv.67》

 《武王:Lv.43》

マジックスキル:《灼炎魔法:Lv.57》

 《昇華魔法:Lv.54》

セットスキル:《武神闘気:Lv.46》

 《オーバースペル:Lv.43》

 《火属性超強化:Lv.47》

 《回復特性:Lv.69》

 《炎身:Lv.82》

 《致命の一刺し:Lv.61》

 《超位戦闘技能:Lv.50》

 《空歩:Lv.52》

 《術理掌握:Lv.57》

 《MP自動超回復:Lv.44》

 《省略詠唱:Lv.36》

 《蒐魂剣:Lv.79》

 《魔力操作:Lv.100》LIMIT

 《並列魔法:Lv.53》

 《魔技共演:Lv.50》

 《燎原の火:Lv.84》

 《二天一流:Lv.34》

 《賢人の智慧:Lv.69》

 《曲芸:Lv.23》

 《臨界融点:Lv.24》

 《剣技:絶景倒覇:Lv.22》

 《抜山蓋世:Lv.20》

 《見識:Lv.45》

サブスキル:《採取:Lv.7》

 《採掘:Lv.19》

 《聖女の祝福》

種族スキル:《夜叉業》

 《獄卒変生:焦熱烈火》

称号スキル:《緋の剣姫》

■現在SP:74






■モンスター名:ルミナ

■性別:メス

■種族:ヴァルハラガーディアン『破邪剣精はじゃけんせい

■レベル:60

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:100

VIT:50

INT:100

MND:50

AGI:87

DEX:55

■スキル

ウェポンスキル:《刀神》

 《神槍》

マジックスキル:《天光魔法》

 《大空魔法》

スキル:《光属性超強化》

 《戦乙女の神翼》

 《魔法抵抗:極大》

 《物理抵抗:大》

 《MP自動超回復》

 《超位魔法陣》

 《ブーストアクセル》

 《空歩》

 《風属性超強化》

 《HP自動超回復》

 《光輝の戦鎧》

 《戦乙女の大加護》

 《女神の霊核》

 《精霊の囁き》

 《吶喊》

 《大霊撃》

 《戦乙女の騎行》

 《精霊進化》UP

 《戦術指揮》UP

 《神霊化》

 《神域の智慧》

称号スキル:《精霊王の眷属》






■モンスター名:セイラン

■性別:オス

■種族:ワイルドハント『嚆矢嵐征こうしらんしょう

■レベル:60

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:120

VIT:78

INT:70

MND:50

AGI:107

DEX:50

■スキル

ウェポンスキル:なし

マジックスキル:《天嵐魔法》

 《大空魔法》

スキル:《風属性超強化》

 《天征》

 《騎乗》

 《物理抵抗:極大》

 《痛恨撃》

 《剛爪撃》

 《覇王気》

 《騎乗者大強化》

 《天歩》

 《マルチターゲット》

 《神鳴魔法》

 《雷属性超強化》

 《魔法抵抗:大》

 《空中機動》

 《嵐属性超強化》

 《吶喊》

 《雷電降臨》

 《亡霊召喚》

 《剛嵐》

 《亡霊操作》

 《亡霊分身》UP

 《麻痺耐性:超》UP

 《一番槍》

 《轟雷疾駆》

称号スキル:《嵐の王》






■アバター名:アリシェラ

■性別:女

■種族:闇月族エクリプス

■レベル:146

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:60

VIT:44

INT:60

MND:44

AGI:90

DEX:80

■スキル

ウェポンスキル:《闇殺刃:Lv.67》

 《連弩:Lv.40》

マジックスキル:《深淵魔法:Lv.46》

 《闇月魔法:Lv.38》

セットスキル:《致命の一刺し:Lv.72》

 《姿なき侵入者インビジブル:Lv.50》

 《超位毒耐性:Lv.20》

 《フェイタルエッジ:Lv.46》

 《回復特性:Lv.58》

 《闇属性超強化:Lv.41》

 《ピアシングエッジ:Lv.52》

 《トキシックエッジ:Lv.44》

 《静寂の鬨:Lv.35》

 《真実の目トゥルースサイト:Lv.56》

 《パルクール:Lv.48》

 《パリスの光弓:Lv.31》

 《血纏:Lv.32》

 《ミアズマウェポン:Lv.88》

 《空歩:Lv.43》

 《魔技共演:Lv.50》

 《闇月の理:Lv.41》

 《ブリンクアヴォイド:Lv.66》

 《死神の手:Lv.56》

 《光神の槍:Lv.32》

 《超直感:Lv.22》

 《天上の舞踏エアリアルダンス:Lv.20》

 《リサイクル:Lv.30》

サブスキル:《採取:Lv.23》

 《調薬:Lv.28》

 《偽装:Lv.27》

 《閃光魔法:Lv.1》

 《聖女の祝福》

種族スキル:《闇月の魔眼》

 《月光祭壇:闇月》

称号スキル:《天月狼の導き》

■現在SP:54






■モンスター名:シリウス

■性別:オス

■種族:ブレイドドラゴン・デュランダル

■レベル:20

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:140

VIT:130

INT:70

MND:84

AGI:70

DEX:72

■スキル

ウェポンスキル:なし

マジックスキル:《昇華魔法》

スキル:《断爪撃》

 《絶鋭牙》

 《吶喊》

 《ブラストブレス》

 《物理抵抗:極大》

 《不毀》

 《鋭斬鱗》

 《鋭刃翼》

 《斬尾撃》

 《魔法抵抗:極大》

 《龍覇気》UP

 《移動要塞》

 《研磨》

 《変化》

 《龍王気》

 《バインドハウル》

 《急速再生》

 《鱗魔弾》

 《不毀の絶剣デュランダル

 《ディフェンシング》

 《魔力蓄積》

 《リフレクトインパクト》NEW

称号スキル:《真龍》






■モンスター名:ベル・ワイス

■性別:メス

■種族:ルミナスドラゴン・ヘルヴォル『勝利の光輪シグルーン

■レベル:66

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:100【制限中】

VIT:95 【制限中】

INT:145【制限中】

MND:120【制限中】

AGI:100【制限中】

DEX:98 【制限中】

■スキル

ウェポンスキル:なし

マジックスキル:《天光魔法》

スキル:《断爪撃》

 《絶鋭牙》

 《光属性超強化》

 《レーザーブレス》

 《物理抵抗:極大》

 《聖光輪》

 《MP自動超回復》

 《超位魔法陣》

 《天光翼》

 《魔法抵抗:極大》

 《龍王覇気》

 《聖域展開》

 《光輝の鱗》

 《変化》

 《龍王気》

 《ホーリーハウル》

 《瞬間再生》

 《霊気収束》

 《軍勢の守り手ヘルヴォル

 《極烈煌刃》

 《魔力蓄積》

 《ラグナロク》【制限中】

称号スキル:《真龍》

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マギカテクニカ書籍版第12巻、7/18(金)発売です!
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