490:真化
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レベルキャップ解放による種族進化――人間の場合はこれを真化と呼ぶと聞いた。
正直なところ、人間以外の種族になると言われてもあまり実感はわかなかったのだが、こうしてロムペリアの姿を見ると何となくイメージができるものだ。
とはいえ、自分自身がどのような姿に変わるのかは、正直あまり想像がつかないのだが。
(まあ、余計なものが増えるような種族は勘弁してほしいんだがな)
最初に種族を選んだ時もそうであったが、変にパーツが増えて体のバランスが崩れてしまうようなことは避けたい。
基本的に、今の姿を維持したまま種族を進化させたいところだ。
そういうことを考慮すると、正直あまり取れる選択肢は多くないようだ。
まず、本来の真化からは外れるのだが、元々解放されている種族に変わるという選択肢もある。
獣人族や魔人族など、そちらに変えるということもできるようだ。
尤も、この場合は真化ではないためレベルキャップの解放はできず、もう一度試練を受け直すことになるようだが。
これは、他の種族の上位種族に真化したいときに取る手段ということだろう。
今は時間が無いし、他の種族の上位種族にもあまり興味はないため、こちらは取るつもりもない。
「取るべきは人間族の上位種族……にしても、結構な数があるもんだな」
どうやら、共通的というか、一般的な上位種族としては真人族という種族になるらしい。
姿形は従来の人間族と変わらないようだが、ステータスが一段階上昇するのに加え、専用の種族スキルを取得するらしい。
まあ、この種族スキルは獣人族も持っていたし、それ自体は存在を知ってはいた。
人間族と魔人族には無かったためあまり実感が湧かなかったが、これまでのプレイヤーも普通に使用していたものではあるのだ。
ちなみにだが、真人族の種族スキルは《運命の加護》といい、ゲーム内時間で一日に一度、任意のタイミングでHP、MPを全回復できるらしい。
あまり特殊な効果というわけではないが、腐ることのない便利な能力だと言えるだろう。
(まあ、これを選ぶつもりもないがな)
恐らくではあるが、これは他に条件を満たせなかった場合に取る種族になるのだろう。
俺の場合は他にもいろいろと出現しているため、これを取得するような理由も無い。
尤も、真化種族に優劣は無いらしく、上昇するステータス値の合計は全ての真化で共通であるようだが。
つまり、選ぶ際はステータスと、出現する種族スキルで選べばいいということだ。
であれば、選択肢としてはこの二つが残ることになる。
■鬼人族
東方の大陸に住まう種族の一つ。
身体能力に優れ、武器を用いた戦闘を得意とする。
強き者を貴び、戦いに明け暮れることを是とする好戦的な種族。
種族スキル:《鬼人化》
■羅刹族
東方の大陸に住まう種族の一つ。
鬼人族の中から、特に多くの戦いを生き抜いた者に現れる突然変異。
より戦うことに特化した特殊な存在。
種族スキル:《夜叉業》
二つというか、どちらも鬼人族に関連した種族ということになるのだろう。
どちらとも俺に合っていると思うが、より攻撃的な性能をしているのが羅刹族だ。
《鬼人化》は一時的な攻撃力上昇だが、《夜叉業》は回復魔法を受けなくなる代わりに攻撃力の大幅上昇となる。
幸いにして魔法以外の回復手段は通じるようであるし、こちらの方が俺としては都合がいいだろう。
どちらの種族も、外見的な変化はあまり大きくはない。まあ、多少の変化はあるが、それでも動きに影響が出るほどではないだろう。
「決めた。女神よ、さっさとやってくれ」
特に感慨も無く告げて、俺は羅刹族を選択する。
その直後、先程のロムペリアと同じように、俺の体を黄金の魔力が包み込んだ。
だが、彼女のようにダメージを負うということも無い。
むしろ心地よさすら感じる中、僅かに違和感を感じたのは己が右腕であった。
篭手を外してみれば、右腕にはまるで炎を模ったかのような黒い紋様が浮かび上がっていた。
どうやら肘から先にこれが生じているようだが、果たして何か意味があるものなのだろうか。
「ふむ……案外、あっさりとしたもんだな」
そんなことを考えている間に、光はあっさりと霧散する。
それと共に、俺のレベルキャップ解放、真化が完了したようであった。
どうなったかと、己のステータスを確認する。
■アバター名:クオン
■性別:男
■種族:羅刹族
■レベル:100
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:80
VIT:52
INT:55
MND:37
AGI:36
DEX:26
■スキル
ウェポンスキル:《刀神:Lv.21》
《格闘術:Lv.37》
マジックスキル:《昇華魔法:Lv.34》
《神霊魔法:Lv.10》
セットスキル:《致命の一刺し:Lv.24》
《MP自動超回復:Lv.1》
《奪命剣:Lv.59》
《練命剣:Lv.59》
《蒐魂剣:Lv.59》
《テイム:Lv.71》
《HP自動超回復:Lv.1》
《生命力操作:Lv.79》
《魔力操作:Lv.79》
《魔技共演:Lv.49》
《クロスレンジ:Lv.20》
《回復特性:Lv.29》
《高位戦闘技能:Lv.43》
《剣氣収斂:Lv.54》
《見識:Lv.15》
《血の代償:Lv.18》
《立体走法:Lv.20》
《会心破断:Lv.28》
《再生者:Lv.12》
サブスキル:《採掘:Lv.15》
《聖女の祝福》
種族スキル:《夜叉業》
称号スキル:《剣鬼羅刹》
■現在SP:30
レベルが100になっているのは良しとして、確かに種族が変更され、新たに種族スキルが追加されている。
気になるのは、己のステータスの変化だ。
真人族のステータス上昇が、全てのステータスが5ずつ上昇する形となっていた。
つまり、合計で30のステータスが上昇することとなるのだろう。
だがなんと、俺の場合は魔法系のステータス二種が5ずつ下がる代わりにSTRが大きく上昇している。
これは中々に面白い強化内容だと言えるだろう。
まあ、これまで綺麗に揃えながら上げてきたステータスが崩れてしまったことは少々残念ではあるが、強化されたことには変わりないのだから気にしないでおくとしよう。
「よし、俺の方はこれでいい。ロムペリア、そっちはどうする?」
「……人間になれたのは幸いだけど、生憎と大幅に力が減じているわ。流石に、今の状態じゃ侯爵級を相手には戦えない」
「いいだろう。なら、神殿の傍で見ておけばいい。後は、俺の方で何とかするさ」
ロムペリアにはそう告げて、踵を返して神殿の外へと向かう。
少々時間を使ってしまったが、未だに戦闘音は継続している。
どうやら、緋真たちは上手い具合に時間稼ぎを果たしている様子だ。
よし――ならば、行くとするか。
「来い、お前たち」
告げ、インベントリから取り出した従魔結晶を解放する。
そこから飛び出してきたルミナたちは、軽く宙を舞ってから俺の前に整列した。
「お待ちしておりました、お父様! 種族真化、おめでとうございます!」
「ああ、だがそれは今はいい。さっさと緋真たちの援護に向かうぞ」
「勿論です!」
自分のことのように喜ぶルミナを促し、緋真たちの方へと向かう。
さて、果たしてどのように変わっているのか――新たな種族の具合を確かめてみることとしよう。
■アバター名:クオン
■性別:男
■種族:羅刹族
■レベル:100
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:80
VIT:52
INT:55
MND:37
AGI:36
DEX:26
■スキル
ウェポンスキル:《刀神:Lv.21》
《格闘術:Lv.37》
マジックスキル:《昇華魔法:Lv.34》
《神霊魔法:Lv.10》
セットスキル:《致命の一刺し:Lv.24》
《MP自動超回復:Lv.1》
《奪命剣:Lv.59》
《練命剣:Lv.59》
《蒐魂剣:Lv.59》
《テイム:Lv.71》
《HP自動超回復:Lv.1》
《生命力操作:Lv.79》
《魔力操作:Lv.79》
《魔技共演:Lv.49》
《クロスレンジ:Lv.20》
《回復特性:Lv.29》
《高位戦闘技能:Lv.43》
《剣氣収斂:Lv.54》
《見識:Lv.15》
《血の代償:Lv.18》
《立体走法:Lv.20》
《会心破断:Lv.28》
《再生者:Lv.12》
サブスキル:《採掘:Lv.15》
《聖女の祝福》
種族スキル:《夜叉業》
称号スキル:《剣鬼羅刹》
■現在SP:30





