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466:悪魔の動き

本日、コミカライズ版がWebサイト、アプリで更新されております。

最新話を是非チェックしてみてください!











『《格闘術》のスキルレベルが上昇しました』

『《致命の一刺し》のスキルレベルが上昇しました』

『《テイム》のスキルレベルが上昇しました』

『《HP自動大回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《生命力操作》のスキルレベルが上昇しました』

『《クロスレンジ》のスキルレベルが上昇しました』

『《回復特性》のスキルレベルが上昇しました』

『《高位戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』

『《剣氣収斂》のスキルレベルが上昇しました』

『《見識》のスキルレベルが上昇しました』

『《血の代償》のスキルレベルが上昇しました』

『《立体走法》のスキルレベルが上昇しました』

『《会心破断》のスキルレベルが上昇しました』



 恐らく爵位級と思われる悪魔が姿を消した後は、残る悪魔たちはただの烏合の衆であった。

 アークデーモンたちがいたことは事実であったが、生憎と数ばかりが多いだけで脅威となり得る程の敵はいなかったのだ。

 悪魔たちの死骸は塵となって消滅し、残ったのは空間に浮かぶ黒い渦だけ。

 先ほど爵位悪魔が姿を消した場所であるが、果たしてこれは何なのか。



「……あの爵位悪魔、先生の顔を見て逃げたんですかね?」

「今までに見ない行動ね。顔を見ただけで即撤退だなんて」

「敵ではあるが、思い切りのいい逃げっぷりだったな」



 流石にあの状況では追うこともできなかったし、今回は縁が無かったものとして諦めるしかない。

 それよりも問題なのは、残されたこの黒い渦である。

 ぐるりと周囲を回ってみたが、渦としか言いようのない不思議な物体だ。

 魔力を感じることから魔法であると思われるが、果たしてこれは何なのか。



「私が見た限りだと、あの悪魔ってこの渦の中に逃げたと思うんですけど」

「ああ、俺が見た限りでもそうだった。しかし……隠れているわけでもなさそうだな」

「転移系の、ワープゲートのような魔法なのかしら?」

「ふむ……」



 とりあえず試しにと、近くに転がっていた適当な小石を拾い、そこに投げつけてみる。

 しかし、小石はあっさりと渦をすり抜け、反対側の地面に落ちてしまった。



「少なくともこれでは転移できないみたいですね」

「条件があるのかねぇ……ルミナ、精霊を一体向かわせられるか?」

「やってみます」



 早急に片付けたおかげか、ルミナの召喚した精霊はまだ消えていない。

 そのうちの一体が黒い渦の中へと向かい――しかし、やはり消えることなくそのまま擦り抜けてしまった。

 思わず、その場にいた面々で顔を見合わせ、再び黒い渦を覗き込む。

 触れることはできず、悪魔たちのように通り抜けることもできない黒い渦。これを調べるにはどうすればいいのか。



「……あんまりやりたくはなかったけど、姿を隠した状態で私が入ってみましょうか?」

「リスクは高いが、その方が手っ取り早いな。アリス、帰還のスクロールは持っていたよな?」

「ええ。仮に戻れない状況になったらすぐ使うわ」



 いざとなったら即座に発動できるように、帰還のスクロールを手に持ったアリスは、スキルを発動しつつ渦へと近づいていく。

 その先で敵が待ち構えていることを想定しているのだろう、即座に動けるように意識を集中させた彼女は、渦の前で呼吸を整え、覚悟を決めて渦の中へと飛び込んだ。

 薄くなった赤い影が黒い渦の中へと姿を消し――



「……っと」

「……やはり、転移はできなかったか」



 ――何事も無かったかのように、渦をすり抜けて反対側に着地した。

 先ほどまでの結果からも予想は出来ていた事態であるため、落胆するわけではないが、少々拍子抜けだ。

 やはり、現状ではこの渦を使って転移することはできないということだろう。



「何か条件があるのかね?」

「悪魔じゃないと利用できないとか?」

「アイテムという可能性もあるけど……とにかく、現状じゃどうしようもないわね」



 もしかしたら条件さえ満たせば俺たちでも使えるのかもしれないが、今の所はどうしようもない。

 現状で分かるのは、悪魔たちはこれを利用する手段があるということだけだ。



「悪魔はこれを利用して戦力を輸送し、一気に攻撃してくるつもりだったのか」

「だとしたら、沢山集まってくる前に蹴散らせて良かったですね」

「そうだな。こういうものがあるってことはアルトリウスに報告しておこう」



 どこに出現するかは分からないが、戦力を集結させるにはそれなりの時間を有する様子であった。

 密に探索を続けていれば、発見することも可能だろう。

 尤も、発見できただけで問題が解決するわけではないのだが。



「で……これを放置するわけにはいかんよな」

「そりゃそうよね。放っておいたらまた悪魔が出てくるわよ?」

「時間をかけて調べたら使う方法が分かるかもしれませんけど、流石にこれを放置するのはダメですよねぇ」

「そうだろうな。研究は『キャメロット』なり『エレノア商会』なりが発見した時にやって貰うこととしようか」



 とりあえず、魔法やスキルの効果が及んでいる内に対処してしまうこととしよう。

 どのような性質を持っているのかは未だに謎だが、魔力を感じる以上は《蒐魂剣》での対処が可能だろうと思われる。

 スキルで破壊できるのであれば今後の対処もやりやすいだろうし、とりあえず試してみることとしよう。



「《蒐魂剣》、【奪魂練斬】」



 どの程度の威力で破壊できるかは分からないため、最初から全力だ。

 鋭く洗練された蒼い光を纏う餓狼丸は、その残光を宙に描きながら黒い渦へと食らいつく。

 そして――まるで最初から何もなかったかのように、黒い渦は跡形もなく霧散した。



「やはり、魔法破壊系のスキルなら対処可能か」

「なんだか、あっさりしすぎてて拍子抜けですね」

「まあ、簡単に終わらせられたのならそれでいいんじゃない? やることも多いんだし、あまり時間をかけても仕方ないでしょう」

「そうだな。さて、報告することは山ほどあるし、さっさと戻るとしようか」



 この渦のこともそうだし、砕かれていた石碑もそうだ。

 自分自身でもやろうとしていることが多々あるというのに、様々な要素が積み重なってしまっている。

 エレノアもアルトリウスも忙しいだろうに、状況ばかりが動いてしまっているのだ。

 悪魔が攻めてくるよりも早く準備を完了させ、こちらからも動きたいところではあるのだが……現実はそう上手くはいかないだろう。

 まあ、動けない以上は贅沢を言っても仕方がない。とにかく、今はやれることをやるだけだ。



「とりあえず、まずはエレノアの所だな。アルトリウスへは報告だけだから、メールで送っておくか」

「エレノアさんが先なんですか。シリウスのレベル上げからかと思いましたけど」

「俺もそう思っていたんだが、あいつかなり必死でな……放置してると向こうから来そうだ」



 あいつも忙しい身の上だし、そこまでするはずが無いとは分かっているのだが、先程のメールの後に来た通話は、そう思わせるほど鬼気迫った声音だった。

 それだけ石碑という存在が重要なのは分かるし、今後の活動に大きく影響するのは理解できる。

 俺たちにとっても大きく影響する話になるだろうし、こちらを優先することも決して否ではないのだ。



「悪魔が動き出しているのも分かった。あんまりうかうかもしていられん」

「やることが山積みですねぇ……」

「お前も他人事じゃないだろうが、馬鹿弟子」



 レベル上限の解放などは、俺たち全員が近付いてきているのだ。

 俺たちだけであの山を登るのは、まあ何とかなるだろう。

 しかし、麓の集落を保護、確保するとなるとまた大きな作戦が必要となる。

 他のプレイヤーのレベル上限も徐々に近づいてきている現状、誰もがのんびりとしていられない状況なのだ。



「期限が決まっているわけじゃないが、安穏ともしていられん。さっさと行くぞ」

「了解です……ついでに、フィノの様子も見て来ましょうか」

「彼女のことだし、かなり集中してレベル上げしているんじゃないの?」

「生産で経験値が貯まるって話だし、そうなってるだろうな」



 フィノのことだし、寝食を忘れて生産活動に勤しんでいたとしてもおかしくはない。

 こちらの装備を作って貰うためであるし、別にそれを否定するつもりはないのだが、かなり無茶なことをやっていそうだ。

 積み重なる課題に嘆息を零しつつ、俺はセイランの背中へと跨ったのだった。











■アバター名:クオン

■性別:男

■種族:人間族ヒューマン

■レベル:91

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:55

VIT:40

INT:55

MND:40

AGI:25

DEX:25

■スキル

ウェポンスキル:《刀神:Lv.13》

 《格闘術:Lv.32》

マジックスキル:《昇華魔法:Lv.28》

 《神霊魔法:Lv.4》

セットスキル:《致命の一刺し:Lv.17》

 《MP自動大回復:Lv.43》

 《奪命剣:Lv.52》

 《練命剣:Lv.52》

 《蒐魂剣:Lv.52》

 《テイム:Lv.66》

 《HP自動大回復:Lv.44》

 《生命力操作:Lv.71》

 《魔力操作:Lv.71》

 《魔技共演:Lv.45》

 《クロスレンジ:Lv.11》

 《回復特性:Lv.21》

 《高位戦闘技能:Lv.34》

 《剣氣収斂:Lv.47》

 《見識:Lv.8》

 《血の代償:Lv.10》

 《立体走法:Lv.10》

 《会心破断:Lv.18》

 《再生者リジェネレイター:Lv.1》

サブスキル:《採掘:Lv.15》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《剣鬼羅刹》

■現在SP:30






■アバター名:緋真

■性別:女

■種族:人間族ヒューマン

■レベル:91

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:60

VIT:34

INT:52

MND:30

AGI:34

DEX:30

■スキル

ウェポンスキル:《刀神:Lv.13》

 《格闘術:Lv.40》

マジックスキル:《灼炎魔法:Lv.5》

 《昇華魔法:Lv.3》

セットスキル:《練闘気:Lv.47》

 《スペルエンハンス:Lv.45》

 《火属性大強化:Lv.41》

 《回復特性:Lv.13》

 《炎身:Lv.30》

 《致命の一刺し:Lv.13》

 《高位戦闘技能:Lv.44》

 《立体走法:Lv.45》

 《術理掌握:Lv.8》

 《MP自動大回復:Lv.38》

 《多重詠唱:Lv.34》

 《蒐魂剣:Lv.27》

 《魔力操作:Lv.57》

 《遅延魔法:Lv.48》

 《魔技共演:Lv.17》

 《燎原の火:Lv.34》

 《二刀流:Lv.31》

 《賢人の智慧:Lv.19》

 《見識:Lv.2》

サブスキル:《採取:Lv.7》

 《採掘:Lv.15》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《緋の剣姫》

■現在SP:52






■アバター名:アリシェラ

■性別:女

■種族:魔人族ダークス

■レベル:91

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:40

VIT:20

INT:40

MND:20

AGI:61

DEX:61

■スキル

ウェポンスキル:《闇殺刃:Lv.13》

 《短弓術:Lv.32》

マジックスキル:《暗黒魔法:Lv.43》

 《月魔法:Lv.38》

セットスキル:《致命の一刺し:Lv.16》

 《隠密行動:Lv.49》

 《上位毒耐性:Lv.23》

 《アサシネイト:Lv.45》

 《回復特性:Lv.3》

 《闇属性大強化:Lv.43》

 《スティンガー:Lv.49》

 《ベノムエッジ:Lv.40》

 《無影発動:Lv.34》

 《真実の目トゥルースサイト:Lv.9》

 《曲芸:Lv.47》

 《投擲術:Lv.33》

 《肉抉:Lv.29》

 《ミアズマウェポン:Lv.42》

 《立体走法:Lv.37》

 《魔技共演:Lv.16》

 《月属性強化:Lv.33》

 《ブリンクアヴォイド:Lv.17》

 《死神の手:Lv.2》

サブスキル:《採取:Lv.23》

 《調薬:Lv.28》

 《偽装:Lv.27》

 《閃光魔法:Lv.1》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《天月狼の導き》

■現在SP:47

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[一言] ダメか…… 向こう側の門を閉じたのか、或いはまったく違う法則が作った世界か……
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